米原・西浅井町長まじえ合併シンポ

 滋賀自治労連は、滋賀自治体問題研究所や湖北地域労協などとともに、7日長浜市内で「住民の目線で市町村合併を考える・湖北地域市町村合併シンポジウムを開催。自治体職員の他、行政関係者、議員、住民など約90人が参加し、活発な討論が行われました。シンポジウムは、辻委員長がコーディネーターとして、「現在の合併論議は首長の中でも推進論以外の意見は発言しにくい環境がある。ぜひ、本音も含めた議論を」と切り出し、各パネラーが合併問題をどう考えるかを発言しました。

合併を推進する背景に財政問題

 「私は合併賛成派」と自認する西浅井町長からは「今日の合併論議は国・地方あわせて666兆円の借金をどうするのかというところから始まったもの、だから避けて通れない」、「心配されるデメリットは克服するのが政治の責任、合併しても町民に不自由が生じないよう、今から手を打っておく」。米原町長からは「財政問題があるからこの合併を通じて効率化の動きが強まり、サービスの低下も生まれる」「湖北1市12町の場合、合併すると地方交付税も207億円が153億円ぐらいに削減されるし、その50億円のうち人件費相当が30億円くらいなので職員数にして300人位の削減となる」。高橋竜谷大教授は「国が今回の合併を推進する最大の動機は財政削減」。三橋元長浜市議は「東京あきる野市などの合併事例は、住民負担増や開発中心の財政運営になっている。こうした教訓を合併の前に学ぶことが必要」などとし、いずれも合併のうごきを考えるうえでは財政問題が避けてとおれないことが指摘されました。
 そして、米原の村西俊雄町長は、「現在の合併は風呂の湯と同じ。上(国や県)は熱く、中間(町)はぬるま湯、下(住民)は低温になっている。住民には、スケールメリットの反面、住民サービスがトータルとして低下することや、彦根市と合併した旧稲枝町の例もあり地域格差も出てくることも話している。しかし、住民の中では合併賛成が多い」「米原町では過去にも合併を模索するうごきがあった。こうした教訓から住民投票を考えている」。西浅井の島脇町長は「住民にも合併のデメリットの部分をどんどん出してもらい高齢者介護や救急問題など対策を考えている。このように合併はコミュニティを考えるきっかけになっている」としました。また「合併で地域格差が生じるのでは」という会場からの発言に応える形で「一番心配なのは地域のコミニュティーがなくなること」「合併しなくてもよいならこのままの方がよい」など首長として本音のようなものが出されました。更に、合併のためのアメとして準備されている「合併特例債によって、国レベルでは40兆円の新たな借金が生まれる」ことも明らかになりました。【文責・編集部】

合併で地方交付税が大巾削減会場からは不安や注文が

 会場からは、「合併によって今日の財政危機は解決するのか」、「先に合併ありきでなく、どんな町にするのか到達目標を住民に示すべきではないか」、「周辺地域の切り捨てにならないか」など活発な意見や質問がありました。また、「合併で約50億円の地方交付税削減、職員も三〇〇人減というが、その分、間違いなく地域経済は冷え込むのでは」という感想もだされていました。