これでいいのか2001年県予算

借金まみれの中相変わらずイベントや大型公共事業中心

 不況であえぐ地域経済を励まし、県民の暮らしや福祉、教育要求に応えることが求められているとき、二〇〇一年県予算がどうなっているのか、その問題点をさぐってみました。

県債が急上昇県民負担増やすPFI方式も導入

 一般会計当初予算で一番目につくのは、歳入における県債の伸び率21・7%(別表1)です。県債は、歳入全体の11・4%を占め年度末の発行残高は、一般会計の予算規模の1・35倍にあたる七八〇〇億円にも達することになります。七八〇〇億円は、実に県民一人当たり五八万円で4人家族なら約二三〇万円の借金ということになります。
 国松知事は、大きな伸びとなった新年度の県債(六六二億円)について、「(借金と言っても)ほとんど交付税措置など(国からの)手当てがある」(新聞報道)といっていますが、交付税特別会計は、三八兆円の借金がありこの現実に目をつむり、それは「国の問題」と<CODE NUM=0324>知らぬ顔<CODE NUM=0325>は許されません。いずれ、この借金も地方の責任と、その負担を押しつけられる可能性があります。借金を借金で返す自転車操業であることにかわりはありません。
 もう一つの問題点は、商工会議所、労福協などが入居する「滋賀21会館(仮称)」建設にあたってPFI方式を導入するということで調査費を計上している点です。PFI方式というのは、民間に建物を建ててもらい、国や自治体がレンタルで借りるということになります。県は、従来型の県発注・管理の方式よりも建設費・維持管理費が安くなるとしていますが、仮に建設費「二〇〇億円」の建物なら「20年間で毎年二〇億円のレンタル料、しめて四〇〇億円で借用する」ことになります。 
 つまり、民間資本の活用による事業は、「民間に利潤」を保障することが大前提で成り立つもので、これが広がれば「もうからない」事業だけを国や自治体が担うことになり、住民負担も増えることになります。この方法では、一度に「二〇〇億円」を用意できる資金力のある民間企業だけが、これからの公共事業を独占できるという問題もあります。そもそも、経済団体のために県が土地を提供し、ビルを建設してやることの是非も問われています。

立ち止まって考えるびわこ空港になんと一億四千万円
「21世紀記念事業」には一七億八千万円も

 いま「税金はもっとまともに使え」という声が、各地でムダな公共事業の見直しやイベント行政に対する批判の流れをつくってきています。この視点で、新年度予算を見ると、びわこ空港に一億四九〇〇万円、関西空港2期工事に一億一四〇〇万円の出資など、将来にわたり赤字のツケを県民にまわす予算があいかわらず計上されています。びわこ空港予算は、貸付金やアセスメント費用などは削減されましたが、あくまで「実現」の立場に固執しています。この他の「ハコモノ」行政や地域振興局単位のイベント中心の「知事特別枠事業」、「21世紀記念事業」などは、いずれも「ムダ使い」との県民的な批判は免れません。県民要求との関係でみるなら、長引く不況の中で困っている中小業者への支援、米価下落で大変になっている農業対策、あるいは介護保険の保険料・利用料の減免制度の創設等々の切実な願いにこそ応えるべきです。

合併促進の「地域振興局」を設置

 市町村合併が国・県主導で押し付けられようとしていますが、これとの関連で、4月から従来の県事務所に代わって「地域振興局」が設置されます。「地域振興局」は、地方分権の流れを看板に従来の県事務所的な仕事から、その地域の市町村と「対等」の立場で、「地域の総合施策展開」等をはかるためとしています。
 「分権の時代だから地域の問題は地域で考え決定する」という大儀名分をかかげていますが、地方機関の権限の強化を通じてその受け皿である市町村の権限強化=合併の推進というところに本当のネライがあるようです。だからこそ、この振興局自身「合併」が進めばさらに縮少・再編することがうたわれています。

3・2 2 中央行動
 公務労組連絡会による第3次中央行動が3月22日に行われ、人事院と総務省交渉では、公務の解体をねらう公務員制度改悪反対などを求めました。また、「国民のくらしと雇用、食糧を守れ!中央総決起集会」が農民連との共同で開催され、国会請願デモでは、「セーフガードを直ちに発動せよ」、「全国一律最低賃金制を確立しよう」などのシュプレヒコールがひびきました。