’2001春闘へ滋賀自治労連が臨時大会

 滋賀自治労連は、春闘方針の確立を目的とする臨時大会を一月二六日、近江八幡市内で開催しました。
 大会では、介護保険料の減免を求める議会請願の取り組み、国や県による上からの押しつけによる合併でなく、住民本位の市町村合併を考える運動などを確認しました。
 また、『総学習運動を力に「能力・実績主義」賃金、公務員制度見直し改悪攻撃を打ち破り、新世紀を開く二〇〇一年国民春闘をたたかおう』とする闘争宣言を採択しました。

せめて介護保険料の減免を
昨年の一時金削減など財源はあります

 昨年から発足した介護保険は、当初、高齢者は「多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として、かつ、豊富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに、生きがいを持てる健全で安らかな生活を保障される」とする老人福祉法の基本的理念の具現化とされてきました。しかし、年間一八万円以下の年金しか受給していない人、さらには無年金者からさえも保険料と利用料が徴収されるため、「金の切れ目が介護や命の切れ目なのか」と、悲鳴に近い声が挙げられており、保険料の減免など介護保険制度の充実が求められています。
 今回は家族介護にたずさわっている方を訪問して実態をリポートしました。

一人の介護家族

 大津市内に住む吉井秀雄さん(58歳)は、お母さん(86歳)との二人暮らしです。
お母さんは、痴呆症で要支援の時は週2回のデイケアを受けていましたが、現在は要介護1で、週3回のデイケアを市内の診療所で受けています。介護保険制度による利用料と施設での食事代は、一ヶ月約1万5千円になります。
 その額は、お母さんの遺族年金などの受給月額10万円弱から見てけっして少ない額ではありません。これに昨年10月からは、介護保険料の半額徴収が始まり、ことし1月からの医療費の1割定額負担も重く、今年10月からの介護保険料の全額徴収が更に追い討ちをかけることになります。
 年金生活者で介護を必要とするものにとって、新たに働いて収入を得ることなどできないからです。
 このお母さんの介護にあたる吉井さんは、子どもの頃からの聴覚障害者で6級認定となっていますが補聴器が離せません。小学生の頃からの難聴で、授業を受けていても当時は先生の話がわからず勉強をはじめ学校生活は大変だったといいます。
 そして現在は、失業中で失業保険の給付を受けて何とか生活をしています。失業の原因はやはり「リストラ」です。4年程前まで京都にある自転車会社へ中学校を卒業してからずっと勤めていましたが、景気が悪く自転車産業が斜陽に入る中で肺炎をわずらい休んだことが原因で、電話による解雇通知を受けたといいます。その後、自動車メーカーの営業所に就職しましたが、人間関係がうまくいかず自ら退職して現在にいたっています。
 この時期は、吉井さんにとってはお父さんの介護とも重なりました。お母さんの面倒を見ながら、お父さんの介護をして、86歳で亡くなるまで下の世話も一人でこなしてきました。自動車メーカーで、人間関係がうまくいかなかった原因は、一生懸命に仕事はしていたが、聴覚障害があるため、人間関係がうまく作れなかったことにあるとふりかえります。吉井さんにとっては、親の介護と同じく一生懸命に仕事をこなしているというプライドがありましたが、少しのハンディも許さないリストラという時代の波にあらわれたともいえます。
 現在の生活状況とこれからの生活見通しについて、吉井さんは、「失業保険(月額約15万円)が8月で切れるので、ハローワークに通っているが年齢と耳の障害で仕事は絞られる。また、母親は物忘れがひどくなっており、通院にしても帰宅してからも病院に出かけようとする」「老人ホームは行きたがらないので自宅介護になるが、もし勤めに出ても病気になられたり、痴ほうがすすむと仕事が続けられない」「母の介護者は自分しかいないので母のことを思うと、自分は倒れることはできない」と言います。一般的に痴呆症は体が動くので介護保険の認定は低くなりますが、目が離せないため介護はたいへんです。
 「電気製品を買い換えること一つをとっても母のことを考えると使い慣れた旧式でないとダメ。探すのに苦労する」と日常の介護の実体を話してくれました。そして、「母は自分にとってハリであるが、つらい存在でもある」、「今は日常の炊事・洗濯などに加え、母の介護と職探しで先が見えない、自分の年金も制度が改悪されて61歳まで受けられず憤りを感じる。先を考えると将来不安でつらい毎日です。せめて、介護保険料や利用料の減免制度の実現など社会保障を充実してほしい」と、その思いを一言一言語る吉井さんの表情からは、今日の介護保険の問題点と失業など現在社会のひずみに直面する苦悩が伝わってきます。

2.16全国争議総行動
光泉中高の不当解雇問題の早期解決を迫る

 争議支援行動の一つとして、光泉中学高等学校(聖パウロ学園)の不当解雇問題で、県労連などによる県総務課長交渉が16日に行われました。学園理事会は、最高裁判決など16回に及ぶ「解雇無効」の司法判断に従わず、いまだに無制限の自宅待機を命じ、あくまでも職場に戻さないという社会常識を逸脱した対応をしています。
 交渉では、「県は早期解決のため指導監督の立場から知事の許認可権も生かして、さらなる指導強化を」と強く迫りました。

みんなの声

◎ またKSD疑惑で、自民党はゾロゾロ悪者が出てきそうです。そんな政権下では、私たちの生活はよくなるはずありません。頑張っていただきたいとおもいます。
(加藤・県職成人病センター)
◎ 職場実習をひかえ学生とともに緊張した毎日を送っています。クロスワードパズルは職場で楽しくみんなで解きました。
(高山美恵子・県職総合保健専門学校)
◎ 情報は「情けに報いる」とか。情報技術がますます進んでいく21世紀。でも、それを使う人の心はいつまでもあたたかでありたいですね。
(岡崎由美子・大津市労連)
◎ あと三ヶ月で定年退職です。立つ鳥あとをにごさずで頑張っています。
(滝本紀男・大津市労連)
◎ 昨年の暮れ、いわさきちひろのカレンダーを送っていただきました。ありがとう。一年って早いですね。(上田文子・日野町職労)
◎ 公開初日に「ホワット・ライズ・ビニース」を観に行きました。寿命が縮まりそうなほどスリル満点でした。
(久木典子・豊郷町役場)
◎ うちの課の年男はへび年だけあって細長い。なぜでしょう?僕の隣の方はいつになっても28歳。さばをよむのもほどほどに。
(大田和宏・栗東町職)
◎ 職場は組織改変の話で持ちきりです。県民の立場にたった組織樹立を
(中村定雄・県職)
◎ かわいいと言ってもらうと嬉がる4歳の長男の発案で、自宅で散髪をすることに。長男は無事終了しましたが、2歳の次男は、夫婦2人がかりで抱っこしたり押さえ込んだりしながらの悪戦苦闘の末、生まれ年通り「トラ」になってしまいました。
(青木宏子・栗東町職)

人・街ざっくばらん

住民の生活や悩みに応えて   
壁田 文 さん(日野町職労)

 昨年の9月2〜3日にかけて大津市内を会場に行われた「自治体に働く婦人の全国交流集会」で実行委員会の中心メンバーとして、約10カ月にわたり休日などを返上して、日野町職労から集会準備と運営にたずさわってくれた一人が壁田さんです。「大変でしたね」と声をかけると、「先輩諸氏のおかげでもありましたが、あらためて日野町職労がこれまで歩んできた、なんでもみんなで取り組もうという団結や行動力、しっかりした組織力を実感しました。集会をとおしての前進もありました」、「一人一人に声をかけ努力していけばどこでもそれなりに得るものがあると思います」というメッセージを送ってくれました。
 壁田さんのこれまでの役場での仕事は、総務課・町長公室・福祉課・企画課・建設課と続き現在の税務課と、いろんな分野にわたっています。「私は、役場に入ってすぐ総務課勤務となり通算で10年と一番長い期間を占めますが、それだけに福祉課の3年間が新鮮でいろいろと勉強になりました。総務課はどうしても役場内の仕事が中心で(こうします)(こうですから)ということになりますが、老人の方や障害のある方を相手にしていると、接しているときの合理的でないと思われがちな時間の使い方が、相手の人と自分の仕事にとって、とても大切だということがわかりました」、「能率性だけが追求されると理解されませんが、福祉の仕事をとおして、職員として住民の生活や悩みを一緒に考えることの重要さを知りました。これは、福祉だけでなく役場全体の仕事をとおして言える事ですね。」そして、「総務課の時は組合要求について、賃金や労働条件などどうして決まっていることを言うのかと思いましたが、自分が組合役員になってみて、今はみんなのためにはこう改善すべき」ということで振り返ることもできると話してくれました。
 そんな壁田さんの今の趣味は、パンづくり。二人娘の次女の学校親子フォーラムがきっかけではじめたと言います。現在、永源寺町に住んでいる彼女ですが、仕事などで帰りが遅くなっても「文句をいわずに、ご苦労さんと夫が言葉をかけてくれるのです」と、家族にも支えられて頑張れるという言葉が自然でさわやかでした。