市町村合併でシンポジウムーー滋賀自治労連・滋賀自治体問題研究所主催
「住民参加をどうつらぬくのか」

 滋賀自治労連と滋賀自治体問題研究所の主催による「住民の視点から市町村合併を考える」シンポジウムが、二一日の夜、滋賀県庁職員会館で開かれ、自治体職員、研究者の他、市町村議員や住民の方一〇〇人が参加しました。
 最初に各パネリストがそれぞれの立場から考えを表明しました。福井正明氏(滋賀県市町村振興課参事)は「地方分権や社会環境変化の中で合併問題はさけられない。けっして、県は強引に進めようとするものでない。考える上での素材を提供したい」としました。吉田仁氏(自治労連自治体行財政局次長)は「政府、財界は合併促進、道州制導入をはかろうとしている。住民自治を否定する強行は問題」と発言。川崎智弘氏(八日市青年会議所会員)は「自分たちの町は自分たちが責任をもって考えていく、住民・行政・企業の意向が大切。今は自分の市町村内だけでは暮らしていけない。広域的な視点が必要」とし、北村裕明氏(滋賀大学経済学部教授)は「規模の大小がいろいろ議論されるが、人口一万人ほどのところの方が、注目される町づくりになっている。また、合併を決めるにあたっては住民投票の考えもでてくる」などとのべました。

会場からも積極的な発言

 会場の参加者からは「広域行政連合になった高島郡では情報公開や住民参加の保障という基本的なものがなく、以前にもまして行政が住民から遠くなっている。人口の議論だけではダメ」。「住民参加という言葉だけでなく、国の意向はさけてとおれない。国がどういう視点で合併を進めようとしているのか。この視点をしっかり見ておくことが大切」。「教育現場に置き換えると大規模校ほど、教師の数が少なく非行が多いという数字がある」などの意見や質問が短時間のなかでしたが、八人より発言がありました。
 また、滋賀自治労連の辻義則委員長は、閉会あいさつの中で「行政の都合や論理で合併が進められようとしているのではないか。文字どおり住民本位を貫くことが大事。これを機会に地方自治についての県民的な議論が盛り上がるように努力したい」として今後さらに討論・研究を進めていこうと呼びかけました。

自治労連第22回定期大会を開催

 自治労連は八月一八〜二〇日の両日、大阪市内で第22回定期大会を開催しました。大会参加者の感想を紹介します。
 大会代議員の報告では、 「給食の現場が突如、民営化に」「福祉職場で賃金カット、一方的な攻撃に自治労連加盟」。市町村合併の情報が伝わらないうちに実施が決定。合併の町民学習会を計画、啓発誌を全戸に配布。
など、多くの切実な要求や運動の成果が報告され、全国の仲間の大きな拍手が会場に響き渡りました。
 いまこそ私たち自治体労働者が試されている時であると痛感し、組織の大切さを感じた定期大会でした。
藤澤 隆(日野町職労)

サービス残業が全国値の2倍(県内9町集計)
超勤の申請すらままならない事態も

 滋賀自冶労連は、七月の第23回定期大会で今年の運動の重要な柱として「働くルール」の確立、とりわけ「サービス残業一掃」の取り組みをかかげました。
 上の図は、このほどまとまった「二〇〇〇年春闘要求アンケート」をもとに、滋賀自治労連加盟の四町と未加盟の五町あわせて九町、五八九人分をとり出したものです。
 全国集計は、「不払い残業がありますか」の設問で、日常的にある8・9%、たまにある20・6%の計29・5%であるのに対し、滋賀の9町集計はそれぞれ25・1%、40・7%で計65・8%の二倍強になっています。また、「なぜサービス、不払い残業があるのか」の設問で、超勤を申請していないとの回答が、全国集計18・7%に対して9町集計は39・7%、これも二倍を超えています。なお、同じ設問による滋賀県職のデーターは、ほぼ全国集計と同じ傾向になっており、組織化の遅れている町職の方にサービス残業が多いことがうかがえます。
 こうした状況は、自治体リストラが進むもとで深刻な事態をつくりだしています。自治労連未加盟の某町に勤務する二人の幼児の母親を娘に持つという六〇歳前後の女性から、滋賀自治労連に相談がありました。「娘は、毎日残業続きで帰宅時間が遅い。せめて保育園に通う二人の子供が寝付くまでに帰れないかと娘に言うのだが。そして、これほど働いても娘が超勤を申請したら拒否されたという。子供たちにふびんな思いをさせた上、申請拒否、こんなことが許されるのか」という相談でした。
 いま、長時間労働とサービス残業をなくす運動は、人間らしく生き働くとともに、住民のくらしを守る「全体の奉仕者」として、自由にものが言え職務が遂行できる職場民主主義を守る問題としても重要になっています。また、サービス残業だけの解消で新たな雇用を九〇万人、残業そのものをなくせば約三〇〇万人の雇用が確保できるといわれ、失業と不況で苦しむ地域住民との共同の運動を広げる上でも重要になっています。

人・街ざっくばらん

忙しいけど、いまラグビー
九里 学さん(栗東町文化体育振興事業団職員協議会)

 昨年一〇月一日にオープンした栗東芸術文化会館(愛称・さきら)で、九里学(くのりまなぶ)さんは文化事業担当として文化振興事業を手がけています。「オープニング事業の一環として、昨年の六月に参加者を公募して子供ミュージカルに取り組み、一月八〜九日に公演を行いました。地元コーラスの人と子どもたち合わせて三〇〇人が舞台に上がり、生オーケストラの演奏で、地元から題材をとったオリジナル作品をやりました。もう最後は涙、涙で、僕も一二年この仕事をして初めて泣きました」と、その時の感動を聞かせてくれました。また、「今の子供たちは日常生活でゲームや機械を相手にしていることが多いためか、自分の意見や意志を言葉や態度で表現したり、人に伝えたり、理解をしてもらったりすることになれていません。舞台芸術を通して伝えることができれば」とも言います。
 こんな仕事一筋のような九里さんですが、仕事以外のことでも多彩・多忙な毎日を送っています。そのひとつが、五年前の阪神淡路大震災の復興支援をきっかけにはじめたフリーマーケット活動で、現在、おうみフリーマーケット実行委員会(O・F・A)の会長を務めています。九里さん自身は、最近、仕事で土・日出勤が多いため直接参加はできないといいますが、最初四店舗からの出発が、この五月末に開催されたフリーマーケットでは出店応募数二二〇二点、来場者が一万八千人を数える盛況ぶりです。
 そして今、九里さんがもっとも集中したい一つが学生時代からのラグビー。今年、県ラグビー協会のAリーグ入りしたクラブチーム「リゲル・サントス」の現役選手で、「不況で実業団チームが解散に追い込まれる中で、ラグビーを続けたいというメンバーがチームに入ってきています。実は、こうしたつながりがフリーマーケットなどでも生かされます。いつも忙しくしていて妻や子供たちに迷惑をかけていますが、どうしても仕事だけだと自分の思いとは別に視野が狭くなってしまうように思います。活動をとおして、多くの人と出会ったり経験や視野を広げられることがうれしいですね」と結んでくれました。

みんなの声

◎滋賀県立障害者福祉センターは、今年で開設一〇周年を向かえました。七月二三日(日)には記念式典と夏祭りを開催、一六〇〇名もの参加者で賑わいました。
西河健(滋賀県職)
◎仲良しの友達が育休あけで職場復帰したので楽しいでーす。
竹吉恭子(大津市労連)
◎年々夏の暑さが身にこたえるようになりました。特に今年はきびしいです。
北出惠子(大津市労連)
◎連日の暑さ。スポーツクラブでの快汗と、今が旬のキュウリ・ナス・トマトとハーブなど工夫していっぱい食べてがんばっています。
佐々木幸代(滋賀県職)
◎暑い日が続きますネ。
岩松豊広(栗東町職)
◎暦の上ではもう秋ですが、毎日暑い日が続き大変です。読書の秋の準備に図書券をゲットしたいと思います。松本隆晴(滋賀県職)