介護保険が始まって
多くの人から「こんなものはなかったほうがよかった」の声が

県 医 労 連の松井副委員長に聞く
 四月一日より介護保険が始まりました。利用者の反応と状況について、滋賀県医療労働組合連合会副委員長の松井昇さんに聞きました。
 松井さんは、民医連(滋賀民主医療機関連合会)に参加する訪問看護ステーション「コスモス」(大津市坂本)と、「えがお」(大津市瀬田)に寄せられている、介護保険サービスを受けるお年よりや家族の声として、多くの人が「こんなものはなかった方がよかった」「お金がかかってしょうがない」というのが特徴と言います。

草津市に住む田中(仮名)さんの話

 介護保険で要支援と判定されました。三月までは、週一回の訪問看護サービスを受けると、一回につき五三〇円でしたが介護保険では一回につき利用料八三〇円となり、出張費プラス五〇〇円などの料金が必要となりました。介護保険ができて、安心して介護が受けられると思っていたのに、支払いのお金が増えただけで、半年後には保険料が加わります。これからどうなるのか心配です。

サービスの利用回数を減らしたり受けない人が

 介護保険は、サービスを受けると一割の利用料が必要となります。そのため、「コスモス」利用者の中でも、今まで週二回の訪問看護を受けていたのを週一回に減らした人が八人いたのをはじめ、訪問時間を一時間から三〇分にするケースや、床ずれを防ぐため週三回のサービスを受けていた人が週一回に減らさざるを得ないケースなどがあり、お金がなければサービスが受けられない問題が現実になっています。要支援5の認定を受けた人が、従来通り朝・昼・夜とヘルパーが三回入り他の通所リハビリステーションサービスなどを受けると、保険限度額を超え、毎月の利用料が一〇万円以上となり、ヘルパーの訪問回数を減らしたり他の通所リハビリを受けられなくなるケースも生まれています。

お金の切れ目は 介護の打ち切り

 逆に、お金に余裕のある場合ですが、これまで措置で受けていたサービスが保険に変わり利用回数が増えてよかったという人がいます。しかし、生活保護を受けている人の場合は、限度額を超えてのサービスは受けられなくなっているなど本当に介護保険は、「お金を払える範囲でのサービスで、お金の切れ目は介護の打ち切り」と言えます。

サービス業者との契約もたいへん 

 また、介護保険は利用者とサービス業者との契約書が必要ですが、その内容が複雑で手続きが大変という声も多くあります。それも、ヘルパー派遣・通所リハビリ・入浴サービス・ショートスティーなどをそれぞれ別の業者で受けると契約書が複数とか多いと四通にもなります。お年寄りや家族の中には、契約書の内容が十分にわからないまま印を押さなければいけないという実態もあり、今後、利用料の支払いが始まると、これも業者ごとに支払いとなるため混乱が予想されます。

ケアマネージャからも深刻な問題点の指摘が       

 このような問題をかかえたままスタートした介護保険は、ケアマネージャーの方からも、@契約時間に拘束されて必要とする人に必要な時間をかけた介護ができず介護従事者として情けない。A国の介護報酬決定が遅れ、ケアプラン(介護サービス計画)作成が遅れ、ほとんどの人が現在は簡易型で、もう一度立て直すことが必要。Bいろいろなサービス業者が入っているため、通所のリハビリにいっている間にヘルパーが来るとか開始したばかりと言うこともあり、なかなかケアプランどおりにいかない。などの問題点が指摘されています。

県民生活守れ八議会で請願書採択
 
 滋賀自治労連が県下四五議会を対象に要請した、「社会保障としての年金制度の充実を求める請願書」が、蒲生・虎姫・浅井・山東・高島・永源寺の六町議会で採択されました。また、「失業対策の強化、労働者保護法と解雇規制法の制定を求める請願書」が高島町で採択され、同趣旨の県労連提出の請願書が草津市・永源寺町で採択されました。

みんなの声
◎ 日ごとに暖かくなり、春めいて来た今日このごろ、三人目の子供がもうじき生まれてきます。
(栗東町職・奥村薫)
◎ わが家にも待望の子供が生まれました。育児休暇を少し考えましたが、住宅ローンのためあきらめました。
(滋賀県職・那須大城)
◎ 警察や自衛隊の不祥事を見るにつけ、職場に「まともな組合」の存在する意義を改めて痛感させられます。
(滋賀県職・武田幸雄)
◎ 子供達も成長し、毎夜クイズ等を見つけてはチャレンジしています。今回の問題、タテ・ヨコのカギの数字が少し変ですネ???。適当にマス目をうめて行ったのですが答あっているかなぁー。
(日野町職労・上田文子)
◎ いつも楽しみに「自治体しがの仲間」を読ませていただいています。
(大津市労連・今西侑子)
◎ 二月二九日、日野町職労春闘学習会がありました。近畿ブロックの永井守彦氏の講演を川柳をまじえながら楽しく勉強させていただきました。…略…
(日野町職労・西村佐知子)
◎ 外に出るときに厚手の服を着ることが少なくなりました。油断するとすぐ寒くなってしまいますが、桜の季節はもうすぐ。
(栗東町職・小林政仁)
◎ これからも多彩な記事をお願いします。
(滋賀県職・田中義樹)
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人・街ざっくばらん
湖西路・安曇川町から西川 久志さん(安曇川町職)

 四月の初め湖西路を走ると、花や木のつぼみがふくらみはじめた琵琶湖周辺の景色と、身近に迫る比良や饗庭野の山並みに見られる残雪や安曇川の流れが、本当に豊かな自然環境と春を感じさせてくれます。
 安曇川町役場で、四月より水道課勤務となった西川久志さんに、町の地場産業や観光スポットを訪ねると、「とりあえずこんな所になるのかな」と四種類のカラー絵の入った名刺を見せてくれました。それぞれ近江扇子、藤村書院、近江白浜の熱気球、陽明園の説明が入っています。こういう説明をもとに町に入ると、江戸時代に安曇川の氾濫を防ぐために植えられた真竹を使ってはじめられたという扇骨(せんこつ)産業は、全国生産の大部分を占めるというだけあって、「扇骨(扇子)の里」や扇骨協同組合の看板などが目に入ります。西川さんに陽明園について尋ねると「姉妹都市交流で造られた中国式庭園で、藤樹神社の横にあります。住んでいる近くなので時々行くと川の魚に餌をやる人も見かけます」とのことで、一角には陽明学の始祖「王陽明」の石像などがありました。
 西川久志さんは、昭和六二年に入職して十四年目になります。「主に下水道勤務でしたが、この仕事はマンホールだけが完成品として見えるだけです。そして、いま我が家に引き込み工事が回ってきたので家の改修が迫られ金策など大変」と日常生活について触れ、役場野球部の監督を五年間務めてきましたが「体がついていきません。妻からもテニスをしようと誘われるのですが」。最近の趣味は、「ガーデニングですが株分けしたら枯れてしまいました。手のかからない一年草が中心」と、ユーモアに話してくれました。