2000年春闘 滋賀自治労連が臨時大会 不況打開・雇用確保へ住民との共同運動を
栗東町文化体育振興事業団職員協議会が自治労連正式加盟


 第22回臨時大会を2月17日に守山市内で開催しました。
 大会では、昨年7月の定期大会以後の九九確定闘争などの総括を含む経過報告と中間決算報告を行い、議案では2000年国民春闘方針、今後三年間で現勢の三割増をめざす組織拡大方針の承認、栗東町文化体育振興事業団職員協議会の正式加盟承認がそれぞれされました。
 国民春闘方針では、全組合員総学習運動や要求アンケートによる対話を進め、長期不況の打開と雇用確保へ月額一万五千円・時給百円の引き上げ要求を前面にたたかうことにしています。地方財政の危機打開、介護保険などの課題では住民との共同運動と取り組みを「一単組一運動」として行うことを決めました。
 また、大会では滋賀大学の成瀬龍夫教授より「最近の日本経済と国民生活再生の課題」をテーマにした講演を聞き、この中で労働組合運動の役割などについて理解を深めました。運動方針などの討論では八単組より10人の代議員が発言しました。その一部の発言要旨を紹介します。
(県職・藤沢代議員)
 行革で今年は25人の定数削減の攻撃がある。信楽学園の民営化に反対する運動では、信楽町でも住民との共同が広がってきている。県財政の悪化のもと財政分析を行い攻勢的な運動をすすめたい。
(日野町職労・望主代議員) 2月下旬より全組合員対象で春闘学習など進める。県組織として情報提供や組織強化などできるよう指導性を発揮してほしい。単組としても協力したい。
(栗東町職・松村代議員)  職員組合をこれから支えていく人材づくりを進めていきたい。組織強化拡大が提起されているが、職場では臨時職員などが増えており組織化を進めたい。
(大津市労連・大竹代議員) 昨年の確定闘争では団結署名などを集めてたたかい、一定の成果があった。組織拡大では新規採用に対する働きかけを強めたい。また県婦人部は、今年自治体に働く全国婦人の集いを滋賀で開催するので全体の協力をお願いしたい。
(高島町職労・中島代議員)
 昨年の確定闘争では要求書の提出、団体交渉などに力をいれた。また、先日は学習会をしたが、今後の公務員賃金や制度などで質問もありよかった。今後も続けたい。
(県職・瓜生代議員)
 県財政の現状からも、「びわこ空港はいらない会」の運動を強化したい。知事や町長に対しても住民の立場からものが言えることが必要であり大切にしたい。

豊郷町職労・鈴木氏が町公平委員会に不服申立
恣意的・不当な「降任」人事は許せない


 豊郷町では、昨年12月6日に就任したばかりの大野和三郎町長が、今年1月1日付(12月24日内示)で異動を行い、この中で管理職員五人を理由も示さぬまま降任処分にする不当人事が行われました。
 このため、管理職の課長補佐から下位の主査へ降任となった鈴木雅信氏(元町職労委員長)が、2月21日に地方公務員法にもとづく不服申立書を町公平委員会に、そして処分理由の説明を求める書面を町長に対して提出しました。
 本人請求によって出された、「処分説明書」は3月3日に交付されました。その内容は、「昭和56年から町議会議員として行政事務を長年見てきた状況と、町長就任後の職員の執務状況を見極めたうえで、処分者については……@仕事の処理がスムーズに遂行できていないA部下への指導ができていない B今回の人事に際し、管理職としてあるまじき行為があった」とする抽象的なもので、判例などで必要とされる具体的な事例や立証に乏しく、職権乱用のそしりを免れないものです。
 また、町長に就任して1ケ月を経たない中での恣意的・不当な処分理由を補うために、町長職とは別の町議会議員の経歴を持ち出していますが、これは、行政と立法(議会)という機関相互の違いを混同したものです。
 町職労では、降任人事が行われた後、組合ニュースで地方公務員法違反の恣意的・不当な人事であることを明らかにしました。また、自治労連の『自治体労働者の権利宣言(素案)』を活用し、『住民全体の奉仕者』としての職務を遂行するためには、町長の行為であっても間違いは間違いと指摘し正せる職場環境が必要であることを訴えています。
 現在、同町では新町長の就任以後、職員の休憩室がなくなったのをはじめ、年休が自由にとれなかったり、「自主研修活動」(QC運動)を看板とした昼休み、夕方の打ち合わせや研修が押しつけられています。そのため、休憩が充分にとれずに精神的、肉体的な不調を訴える職員もでています。
 豊郷町職労の竹内勝人委員長は「当局は、鈴木氏に対するような恣意的な降任人事を行う一方で、職員の意識改革と称した時間外のQC運動を進めています。どちらも首長絶対化論がその根底にあり、地方自治の原則からも問題があります。今後、自治体労働者の権利や行政のあり方について学習や討論を深め、住民からも支持される運動をめざしたい」と決意を語っています。

人・街ざっくばらん
婦人の全国交流集会から学んで 吉田澄子さん(滋賀県職員組合)


 今年は、「自治体に働く婦人の全国交流集会」が、九月二日〜三日に大津市で開催されます。
 吉田さんは、集会実行委員会の副実行委員長です。「回りからは、いつも元気ですネと言われますが、時々、落ちこんでいるのを誰も気付いてくれないだけですと」いうとおりいつ見ても元気な人です。
 現在、県庁の情報統計課に勤務する吉田さんが入職したのは、一九八〇年で、「自治体に働く全国婦人交流集会」が始まった年です。「当時の県庁は、女性の主査もほとんどいなくて、女性はみんなお茶くみ・庶務係という状況で、<CODE NUM=0324>なぜ<CODE NUM=0325>ということで運動が始まったのかな」「給与や旅費説明会があると青い制服のオンパレードでした。なぜ女性だけに制服が押しつけられるのかを考えるきっかけにしようと、県下の市町村や農協から五〇着もの制服を集めて、フッアションショーのようなこともしました。」
 現在では、あたりまえのこととなっている育児休業や産前八週間の制度は、「当時の自治体に働く婦人の全国交流集会に参加する中で、大阪・京都・横浜など全国の仲間から学び、運動が始まりました。特に育児休業実現の時は、子育てがおわった女性も自分の事のように頑張っていただいたことが忘れられません」と、全国の取り組みと一緒に要求運動が進んできた歴史を振り返り、子供が病気の時に、制度化されたばかりの看護休暇が利用できて嬉しかったと言います。
 吉田さんの住んでいるところは、京都市北区で五山の送り火で有名な船山形の麓です。家族は夫と高一から小一までの女三人・男二人ということで、「ようやく、保育園と一六年間にわたるつきあいが終わりました」と幼児期の子育てが一段落したようですが、現在は「子供の要求がまちまちで困っています。家族みんなでスキーにでも行けばあっという間にお金もなくなりたいへんです。好きな映画は、時間がなくレンタルでテレビ鑑賞」とのことで、子育てに仕事、組合運動にと頑張る毎日です。

どこでも誰でも月額15000円 時給100円の賃金引き上げで県下の首長へ要請書
議会には失業対策解雇規制法制定と年金改悪反対の請願書提出

 滋賀県自治労連は、二月二九日に二〇〇〇年春闘統一要求書を国松知事に提出するとともに、県下五〇市町村の首長に対して「深刻な不況を打開し地域経済の再生を図るために、国・地方自治体の不況・雇用対策の充実を求める要請書」を送りました。
 また、市町村議会での請願書採択をめざして、年金支給の六五歳までの繰り延べに反対することなどを内容とする「社会保障としての年金制度の充実を求める請願書」と、過大なリストラに反対する「失業対策の強化、労働者保護法と解雇規制法の制定を求める請願書」を市町村議員宛てに提出依頼しました。

みんなの声
◎この間、息子(五歳)と娘(一歳)の三人でクッキーづくりをしました。二人は型抜きをとっても喜びました。焼き上がったクッキーの味は最高でした。
(栗東町職・斎木真奈美)
◎大津市民病院でも二千年対応で職員の出勤がありましたが、何事もなく新年をむかえました。
(大津市労連・白須誠義)
◎私も三〇代に足を踏み入れたばかりです。先日、子供も生まれこれからますますモノ入りです。安定生活が送れるような待遇獲得をめざすためにも力をお借し下さい。
(滋賀県職・近藤博次)
◎「グローバルスタンダード」などという一方的な価値観を礼賛するのではなく「日本的なもの」の中に見いだせる素晴らしい側面を再構築できる時代にしたいものです。
(栗東町職・松村浩)
◎いつも「しがの仲間」をありがとうございます。映画、ひとを楽しみにしています。一月七日に七草がゆ一月一五日に小豆がゆならぬ焼き餅入りのおぜんざいを、職場に出店されている喫茶店のママさんよりいただきました。六五〇円での採算度外視での日替定食などお願いした手前、せいぜい利用しています。一月四日号の「がんばる」で、羽山さんの手記の中のお父さんの詩はよかったです。
(大津市労連・巌田正之)

単組新役員紹介

安土町職員組合
 委員長   井上 剛司
 副委員長  松井 和彦
 書記長   嶋川 明夫
 書記次長  深尾 朋広
 財政部長  大橋 則夫

栗東町職員組合
 委員長   今村 浩三
 副委員長  松村  浩
  同    南  博
 書記長   青木ひふみ
 書記次長  小林 正樹
 財政部長  柳  孝広