しがの仲間 259号

すべての労働者の賃上で地域経済の立直しを!
「大津市人事・給与構造改革案」は白紙撤回を!
        生涯賃金1200万以上引き下げに


 市労連が実施した夏期要求交渉(6月)において市当局から、多くの職員の大幅給与削減につながる「大津市人事・給与構造改革案」が提案されました。改悪内容の軸は、非管理職層の最高号給の引き下げと主幹級(5級)の廃止による給与水準の大幅引き下げです。管理職に昇任しないと給与水準が大きく低下する制度に変えることで、管理職への昇任意欲の向上につなげるという、到底認められないものです。市労連はこの間の交渉で、労使合意なしに強引に実施しないことを強く申し入れています。
 人事・構造改革提案に至った経緯は、市当局が2014年度に実施した職員意識調査(コンサル委託)の結果、職員の望む声として「非管理職の給料が管理職の給料を上回る構造を見直すこと」という意見が多かったことが発端となっています。
 しかし、その意見に対して、施策方針では「管理職の制度改正や処遇改善に期待や関心がある」と分析をしています。職員意識調査に答えた職員は、給与削減による方策を決して望んではいません。職場の期待を裏切る許されない改悪提案といえます。
 市当局は、この改革を「昇任意欲を向上させ、頑張ったら報われる、モチベーションを上げていく制度としていく」と言いながら、一方で「ポスト管理を徹底し、昇任枠を抑制する」と説明します。
 組合が意識調査の結果・分析と方策の矛盾点を追及すると、「ラスパイレス指数や財政問題などの課題がある」と回答し、総人件費削減が目的の背景にあることは明らかです。
 「給与制度の総合的見直し」を実施していることから、今も現給保障の経過措置中であり、地域手当が上がらない大津市は民間給与水準の維持ができていないことは、市当局も認めています。
 職員一人ひとりの生活を顧みない、削減ありきの提案は、絶対に受け入れられるものではありません。また、この改悪が実施されてしまうと、県内他市町にも大きな影響を及ぼす可能性も強く、滋賀県全体の問題として運動を強めていくことが必要です。

格差拡大の16人勧

 人事院は8月8日、国家公務員の賃金を0・17%引き上げる勧告を行いましたが、生活実態からみれば、生活改善には程遠い水準です。しかも、「現給保障額」を引き上げないことから圧倒的多数の職員の賃上げはゼロであり、地域手当のない市町では、これによる改善もありません。中央と地方の賃金格差を一層拡大させ、地方の民間賃金と地域経済を一層冷え込ませることにもなります。総務省による地方自治体への押し付けを許さず、県人事委員会に「水準調整」を求めるとともに、県内全ての公務公共労働者の賃上げを実現しましょう。


人間らしく暮らせる賃金の底上を

 県労連・滋賀春闘共闘は、8月10日草津市内で最低賃金シンポジウムを開催し、全労連の井上久事務局長を招いて「なぜ、いま最低賃金なのか」を学習しました。
 アベノミクス・グローバル経済から転換し、地場産業と中小企業を支援しながら最低賃金を大幅に引き上げる地域循環型経済への転換をめざして、「全国一律最賃の実現を」のアクションプランに踏み出すことを確認しました。

最賃788円では暮らせない引き上げ求め宣伝・デモ行進

 滋賀自治労連は8月3日、県労連・滋賀春闘共闘の大津駅前での最賃宣伝に参加し、「最低賃金を1000円に」「ブラック企業をなくそう」と県民に訴えました。
 また、滋賀の若者憲法サークル「しーこぷ。」は7日、炎天下の草津市内を「賃金を上げるためみんなで声を上げよう」とデモ行進し、最低賃金引き上げの運動が市民・県民運動にも広がっています。10日に開かれた滋賀県の最低賃金審議会では、県労連の山元大造事務局長が出席し「最低生計費調査から月22万円・時給1500円が必要」と意見を述べましたが、中央の目安通り24円引き上げで788円と答申されました。全国一律最賃制の実現を求める声を一層強くする必要があります。

神戸で第58回自治体学校 滋賀から3名参加

 第58回自治体学校が7月30日から8月1日の3日間、神戸市内で開催され、滋賀自治労連から3名が参加しました。
 2日目に神戸市外国語大学で開かれた分科会「公務の非正規化は住民サービスに何をもたらすか」には80名の参加があり、非正規雇用や住民サービスの民間委託化について議論が交わされました。
 滋賀自治労連は、「指定管理施設で働く公務公共関連労働者と労働組合」と題して報告。指定管理施設の労働者や制度に関心を持つ各地の市議会議員などから多くの質問や発言がありました。
 10月1日・2日には「第13回地方自治研究全国集会in茨城つくば」が開催されます。研究集会には積極的な参加が期待されています。

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猛暑のなか想いつなぐ

 8月は、県内でも、各自治体や団体が平和に関わる式典や写真展などを積極的に開催します。滋賀自治労連や各単組・組織でも、住民の命と暮らしを守り、「自治体労働者は二度と赤紙を配らない」との思いから、各団体や地域住民と協力し、反核・平和の運動を積極的に推進しています。安全保障関連法の施行や憲法改正の動きをめぐり、自衛隊員が海外で命を落とすリスクや、日本がテロの対象として狙われる不安が高まってきているときだからこそ、滋賀自治労連は引き続き、憲法を守り、いかす立場で反核平和の運動に取り組んでいきます。

核のない世界、住民の命と暮しをまもる自治体を
第39回自治体労働者平和のつどいin広島


 原水爆禁止世界大会2日目の8月5日に、全国から98人が参加する中、自治労連の独自企画の「第39回自治体労働者平和のつどいin広島」が広島市内で開催されました。
 つどいでは、広島市長・長崎市長からのメッセージや、広島県原水爆被害者団体協議会理事長で被爆者の佐久間邦彦さんの記念講演と3人からの特別報告を受け、「戦争する国づくり」を許さない闘いと結合して、核廃絶世論を職場・地域からひろげていくことの行動提起がされ、参加者全員で平和の取り組み・戦争する国づくりを阻止する運動をさらに進めることを確認しました。

反核平和マラソン 総勢52人がリレー

 今年も反核・平和マラソンが8月9日に開催され、ライダー、サイクリング、ウォーキングなど4つのコースにのべ52人が参加しました。
 マラソンとライダーの参加者は、朝9時に長浜市役所を出発後、それぞれのコースに分かれて各自治体に平和行政の推進などを要請し、温かい声援を受けながら県内を南下。大津パルコ前で再び合流し、夕方5時に県庁に到着しました。
 サイクリングは高島市役所を午前11時頃出発し、午後4時に大津市役所でウォーキング参加者と合流後、県庁に到着しました。県庁では、4コース合同の集会と県への要請を行い、ノーモア広島・長崎・福島、反核平和への思いを交流しました。

日野町反核平和のつどい 草の根の運動広がる

 「2016日野町反核平和のつどい」が8月5日、日野町の松尾公園で開催され、日野地区労の一員として、日野町職労からも多くの組合員が参加しました。
 「非核日野町宣言の碑」「非核平和の塔」前での開会行事では、被爆・戦後71年、憲法公布70周年を迎えた今年、米国のオバマ氏が現職大統領として初めて広島祈念公園を訪問するという出来事がありましたが、一方で世界唯一の被爆国である日本政府は、国連総会での「核兵器禁止を求める決議」に棄権するなど、核廃絶に消極的な姿勢を取り続けていることなどが報告されました。
 後半は隣接する林業センターに場所を移し、滋賀民報社記者の平野御稔さんを講師に「近畿最大の軍事基地・饗庭野 その危険な実態」の演題で講演が行われ、取材を通じて自衛隊饗庭野演習場で行われている日米共同訓練で派兵のための市街戦訓練が行われていることなどを学び、「核兵器のない世界の実現」、「平和憲法を守り、安保法制(戦争法)の廃止」に向けた草の根の運動を広げていくことが大切であると再確認しました。

みんなの声

◎ リオ・オリンピックが盛り上がりを見せており、競泳に、柔道に、体操に、日本人選手のメダルラッシュが続いていますが、見応えがあり、楽しい毎日です。
(日野町職労 齋藤篤志)
◎ 今年の夏はかなり暑く、順調に水稲が生育しています。
(滋賀県職 川上耕平)
◎ 暑すぎる今年の夏。子どもも指導員も熱中症に注意しながら、なんとか乗り切っています。
(大津市労連 森田照美)
◎ 夏本番!息子たちと家の断捨離をしてまだまだ進化中。やっとスッキリ!
(自治労連近江八幡市職 中川浩子)