しがの仲間 252号

秋季確定闘争 生活給の引き上げは職場の切実な要求
国は地方に介入するな 労使合意で要求実現を



 2015年秋季年末確定闘争も終盤を迎え、各単組・組織では職場要求を前進させるべく粘り強い交渉が取り組まれています。しかし、国政で臨時国会が開かれない中、各自治体が国の動向に束縛される動きとなっています。物価の上昇に加え、10月からは年金の一元化にともない地方公務員共済の掛金値上など、生活給への負担が増大し、実態のある賃上げは職場の切実な要求です。滋賀自治労連は引き続き、みんなで要求、みんなで運動、みんなで実現の立場で、全単組での要求書提出と職場要求の前進を追及します。

滋賀県職

組合 「職場の声を受け止めた人事評価制度に」
当局 「職員間に差をつけることが目的ではない」


 今年度の確定交渉において最重要課題であった人事評価制度の16年4月からの導入について、県職員組合は職員の8割が「士気の高揚に繋がらない」としたアンケート結果などを力に、職場のチームワークを破壊するような評価制度は導入すべきでないと当局に迫りました。
 交渉では当局から「人材育成と士気の高揚に繋げる制度としたい」「職員間に差をつけることが目的ではない」「現在の特別昇給は意のある制度」との考えが示され、職場の声を踏まえた制度となるよう協議していくこととしました。

大津市労連

人勧に基づくプラス改定と全ての嘱託・臨時職員の賃金底上げを勝ち取る


 大津市労連は、正規・非正規併せた全ての職員の賃金水準改善や人員体制の充実、人事制度の問題などを重点課題に、11月に3回の総務部長交渉を実施しました。
 市当局の最終回答では、今年の人事院勧告のプラス改定(実施は国の改定後)と併せて、全ての嘱託・臨時職員の賃金・報酬単価の改善が示されました。(臨時保育士、嘱託児童クラブ指導員、嘱託家庭児童相談員は単価大幅増)
 一方で、病休制度等にかかわる処遇改定が実施されることや今年度から導入された係長級昇任試験の受験率の問題、中学校用務員の配置基準の見直しなど、多くの課題も残されており、引き続いて職場の声を力に要求を訴え実現していきます。

知事に要求書を提出

 滋賀自治労連は11月25日、知事あての「2015年滋賀自治労連秋季年末統一要求書」を滋賀県市町振興課に提出し、「国の動向に拘束されることなく、労使合意と地方自治の原則に沿って速やかに決定するよう、各自治体に助言をするよう」要請。その他、「県内すべての自治体で地域手当を支給することの妥当性」や「評価制度の賃金や人事への反映については労使合意が必要であること」などの要求項目も含め、12月中に回答・意見交換の場を設定することで合意しました。

市長会への要請・懇談

【市長会回答要旨】要請の趣旨はよくわかるが、なかなか難しい問題だ。
 基本的には、各自治体の首長の判断や、住民の理解のもとで決定されるべきことと認識している。
 ただし、国が決定したあとは、臨時議会を開くなど各自治体で速やかな対応がされるのではないか。

町村会への要請・懇談

【町村会回答要旨】おっしゃることはその通りだと思う。特に地域手当の問題では、応募が減るだけではなく、職員が翌年に別の自治体を受けなおして逃げていくという声も聞いており、単に賃金の問題ではなく人材確保の面からも大変。前回の要請書も町長会議に出したが、今回の要請も次回の町長会議に出して伝える。

県民要求実現 個人請願総行動 共通項目431請願
こどもを放射能から守る請願署名7550筆


 滋賀自治路連も参加する県民要求実現実行委員会は12月7日、個人請願総行動を行い、約50人が参加しました。本行動は、11月に取り組まれる自治体キャラバンを締めくくる取り組みとして例年この時期に取り組まれており、県内各地の組合や団体、市民が職場や地域の要求を持ち寄り、県に対して要請を行いました。
 これは憲法第16条(請願権)を具現化した「請願法」に基づいた取り組みで、同法第5条に「適合する請願」は「これを受理し誠実に処理しなければならない」とあり、今回の要請に対する県の回答は、来年1月下旬~2月上旬の予定です。
 滋賀自治労連は、「原発再稼働反対」「自治体正規職員を増やし、非正規職員の処遇を改善すること」「公契約条例の制定」「指定管理者制度の運用改善」の4項目で請願を行いました。また、共通項目での請願は431件で、こどもたちを放射能から守る請願署名は7550筆でした。

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16春闘は賃上げに追い風
最賃アップ、公契約条例制定
公務員賃金改善をセットで進めよう!!
全国から179人
自治労連2016国民春闘 討論集会が大津で開催


 自治労連は12月3~4日、2016年国民春闘討論集会を大津市内で開催。全国各地から179人が参加しました。
 記念講演では、神戸大学名誉教授の二宮厚美氏を講師に、2016春闘の情勢や特徴等について学習しました。
 二宮氏は、「日本人の多くが、新自由主義のもと、今、目の前でしか物事を判断ができない【今ココ主義】に陥っている。かつて日本は、大企業の輸出増大が雇用拡大と賃上げにつながっていたが、この幻想を追い続けているのがアベノミクスの本質だ。経済政策で輸出大企業を優遇し、法人税率の削減を進めようとしているが、現代社会では、こうした輸出企業は多国籍化し、世界各地で海外生産できるので輸出増につながらない」としました。
 そのうえで、「2016春闘は、賃上げの追い風が吹いている。安倍政権と国民の矛盾が、政府・財界にさえ賃上げを言及せざるを得ない状況に追い込んでいる。ただ、公務員賃金については未だバッシング等の逆風も根強い。その最大の原因は貧困。16春闘では、福祉国家的公共部門の再生と拡充で市民を政治的・公共的貧困から救う運動をしていかなければならない。これは公務部門を担うみなさんの役目。奮闘に期待します」と結びました。

自治体共闘のフットサル大会
優勝は草津市労連チーム


 滋賀県自治体労働組合共闘会議(滋賀自治体共闘)は11月28日、フットサル大会を大津市内のあがりゃんせフットサルクラブで開催しました。草津市労連、大津市労連、栗東市職、日野町職労、奈良水道労組など県内外から6チーム70人が参加しました。試合はトーナメント方式で行われ、優勝は草津市労連チーム、準優勝は奈良水道労組、3位は栗東市職チームでした。 なお、滋賀自治体共闘は、「雄琴スパリゾートあがりゃんせ」フットサルクラブにメンバー登録していますので、各単組でコートを利用される場合は、事務局(滋賀自治労連)までお問い合わせください。
 奈水労は昨年も参戦し、2年連続での準優勝。「機会があれば、また来年も来たいです」と、大いに盛り上がりました。

みんなの声

◎ 雲一つない秋晴れの中、従妹の結婚式で久々に多くの親類と会い、楽しいひとときを過ごしました。よい時間をありがとう。お幸せに。
(西本新 滋賀県職)
◎ 無料の橋としては国内最長となる伊良部大橋が今年1月に開通したので、この10月に宮古島を訪問し、レンタバイクで渡ってきました。その日はかなりの強風で、転倒しないよう最徐行で通過。景色を楽しむより恐怖を感じた時間でしたが、それはそれでいい思い出となりました。
(長坂幸一 滋賀県職)
◎ 秋が深まってまいりました。奥さんと娘の3人で山にどんぐり拾いに行きました。
(伊藤一成 大津市労連)
◎ 文学のベストセラーには縁遠く、私はスポーツの秋。
(太田和宏 栗東市職)
◎ 文化祭や芸術祭等、文化芸能の薫り高い時候になりました。空気も頭も冴え渡り、趣味の歌や本職の保育にも磨きがかかれば嬉しいなぁと高望みしています!
(中川浩子 近江八幡市)