しがの仲間 251号

職場を基礎に要求実現と憲法・地方自治守る運動を
滋賀自治労連第52回定期大会


 滋賀自治労連は10月29日、第52回定期大会を草津市内で開催し、各単組・組織から50人が参加しました。
 冒頭、開会のあいさつで清水庄次執行委員長は、安全保障関連法(戦争法)をめぐる一連の流れに触れて、「住民生活を守る自治体労働者の役割が一層求められている中、職場を基礎に要求実現の運動と憲法と地方自治を守る運動を全組合員参加で進めよう」と呼びかけました。
 大会にあたり、自治労連本部の松繁美和副委員長、荒田功近畿ブロック議長、瀧上正昭滋賀県労連議長らから来賓のご挨拶をいただき、また全国21の自治労連地方組織から激励と連帯のメッセージをいただきました。
 議案では2014年度経過報告で1年間の活動を総括するとともに、2015年度の運動方針ならびに役員体制を確立。質疑討論でも7単組3部会11人の代議員より発言があり、積極的な討論と交流をおこないました。また、向こう一年を見据えた大会宣言では、住民の命と暮らしを守る立場で憲法と地方自治に基づいた地域づくりを進める運動を「滋賀自治労連の特別な任務」と位置づけ、諸要求の実現と組織の強化・拡大、次世代育成をめざして、全力で取り組むことを確認しました。

新役員紹介
執行委員長    清水庄次     滋賀県職
副執行委員長   小川治彦     大津市労連
〃           小林正樹 栗東市職
〃           東秀一      自治労連近江八幡市職
〃           福田文彦     日野町職労
書記長        市田秀樹     栗東市職
書記次長      神原裕寿     大津市労連
財政部長      根本智       滋賀県職
執行委員      山形和幸     滋賀県職
〃           井﨑好宣     大津市労連
〃           濱田博文     栗東市職
〃           岡井健司     日野町職労
〃           玉木凡      自治労連近江八幡市職臨嘱
〃           石居良司     豊郷町職労
〃           佐伯英樹     栗東市体協職組
〃           田中恵子     栗東市社協職組
〃女性部      正木ますみ    滋賀県職
〃青年部      奥山泰世     大津市労連
〃現業評      奥村友之     滋賀県職
会計監事      江口辰之     大津市労連
〃          菊地智子     日野町職労
〃          深尾佳奈女    自治労連近江八幡市職

最賃・公契約・公務員賃金のセットで改善を

 午前中は一旦議事を休会し、自治労連本部の松繁美和副委員長を講師に、「正規と非正規が力を合わせて要求実現と組織拡大を」と題して情勢学習を行いました。学習会では、全国の非正規で働く地方公務員が2012年総務省調査で60万3582人にものぼり、とりわけ女性の割合が74・2%を占めており、不安定雇用と低劣な賃金労働条件に置かれている問題を確認しました。
講師は、「私たちは今こそ、男性と女性、正規と非正規、地域手当の有無、最低賃金等の地域間格差などの『差別』の道ではなく、『最賃』『公契約』『公務員賃金』のセットで改善運動を進めよう。この3セットは、一つでも欠けるとどれも進まない。この運動は『国民の権利』ではなく、『公務公共労働者としての責務』です」と、自治労連の役割を発揮していくことを呼びかけました。

戦争法案に続く憲法無視 給与法案の提出なし
臨時国会見送り


 安倍内閣は、立憲主義に反する戦争法案強行に続き、憲法53条を無視する臨時国会見送りの動きとなっています。総務省は臨時国会が開かれず給与法案が可決しなければ、地方が先行するのは許されないと圧力をかけています。自治体は国と対等であり、労使合意を尊重し賃金改善を速やかに行うべきです。

一人でもメンタル不全者が出れば、管理責任の追及を
メンタルヘルス学習会を開催


 滋賀県自治体労働組合共闘会議は10月17日、大阪労災職業病対策連絡会の藤野ゆきさんを講師にメンタルヘルス学習会を開催しました。
 メンタルヘルス問題が深刻化している背景として、かつては周囲の支え合いによって就労していた人が、人員削減や業務量の増加・複雑化、成果主義の導入等によって職場の包容力が低下したことにより、邪魔な者かのように浮上してきたことや、職場の問題なのに事業主の責任が問われず、メンタル対策が「個人まかせ」になっている問題が指摘されました。

受け入れ職場の配慮(ルール)を明確にしよう

 また、「職場は仕事をする場所であり治療をする場所ではない」という立場から、職場で病気の人や復帰者を受け入れる際は配慮を明確にするルールが大切であり、職場の中で具体的に求められる「配慮すべきこと」を明確にし、上司が職場全体に適切に伝えることが重要としました。

労働組合の役割、何度も言い続けることが大事!!

 職場の労働条件の改善は、具体的に「どのような不足があるから求める」と、要求の「根拠」を明確にしていくことが重要で、その「根拠」に労働者の健康と命を守る視点を入れる必要があるとしました。

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2015自治体キャラバンスタート

 滋賀自治労連も参加する「県民要求実現実行委員会」は毎年11月上旬から中旬にかけ、地域住民や県民の願いの実現をめざし、滋賀県社会保障推進協議会と共同で「自治体キャラバン」を行なっています。この間、小中学校へのクーラー設置や住宅リフォーム制度の拡大、こどもの医療費無料化の拡大など、毎年少しずつ県民要求を前進させています。
 今年は11月4日(水)から11月20日(金)までの日程で取り組まれていますが、すでに懇談が実現した自治体の中で、特徴的な前進面を報告します。

◇原発事故、冬季は避難困難

【多賀町】原子力災害が発生した場合の避難計画の実現可能性は疑問。とりわけ冬季に事故が発生した場合、県外への避難が一番有効だと考えると、国道306号が冬期通行止めになるのは問題。国へ改善を要請している。
【愛荘町】原子炉は再稼働せず廃炉にすべき。県外への避難については、国道421号線がメインになるだろうが、国道306号線の冬期不通は問題と考えるので、多賀町とともに国にトンネルをつくるよう要請している。
【湖南市】2015年4月に「自然エネルギー地域活性化戦略プラン」を策定し、地産地消推進の取り組みとも結合させながら、地域循環型・分散型エネルギー社会の具体化に向けて取り組みを進めている。

◇時給は1040円

【甲良町】雇用が不安定な臨時職員はなるべく減らし、より安定した嘱託職員化を進めている。正規職員と同じフルタイム勤務の場合、月額14万2100円、賞与年間2.4月を時間単価に換算すると1040円程度になる。
◇学童、処遇改善へ
【東近江市】保育士(直雇用)、学童保育指導員(NPOまたは保護者会)に対して、それぞれ市独自の処遇改善のための予算を計上して人材育成と確保に努めている。また、事務一般の臨時職の時給についても、一〇〇〇円は厳しいが現状の800円から一定の改善を検討している。
【近江八幡市】学童保育所指導員の人件費補助としての処遇改善を来年度出来るようにしている。

◇奨学金検討・新設

【豊郷町】これまで奨学金制度はなかったが、給付型の制度を新設し、今年度は3名が利用している。
【愛荘町】若い人たちの大半は、高校卒業後に大学進学などで当町からいなくなる。若い人が帰ってくるような町づくりが必要と認識。人口減少対策の一つとして、今後検討したい。

◇子育て支援で転入増

【多賀町】40歳までの若い人が家を新築した場合、3年間個人資産税を返還している。小中学校の教員加配や図書館の相談員独自配置(委託)など、子育てと福祉が良いので、母子家庭の転入者も多い。保育園が入りきれなくなったので増設が必要。

◇医療費無料化通院にも拡大

【近江八幡市】子どもの医療費の無料化ついては、現在の入院費の小一から中三までに加えて、通院費は非課税世帯を対象に平成28年度に小学生、29年度からは中学生に広げる。障害者の65歳以上の介護保険と障害福祉サービスとの選択適用についても、「実態を見て対応したい」。

自治労連近江八幡市職、臨時職員の通勤手当改善!

 6日の近江八幡市とのキャラバンでは、自治労連近江八幡市職も参加する中、組合員の強い要求である「市の臨時職員の通勤手当の改善」について、「正規職員並みにする」と大きな前進がありました。

みんなの声

◎夏と冬が長くなり、秋が年々短くなっている気がします。短いからこそ、秋を思いっきり楽しみたいです。
(長坂幸一 滋賀県職)
◎仕事で手話にふれる機会がありました。これをきっかけに、せっかく興味をもった手話を少し学び身につけられたらと思いました。
(津田礼 大津市労連)
◎いつも楽しく頑張っています。
(谷 芳子 大津市労連)
◎スーパームーンの次の日、仕事帰りに見た少し欠けた月がとてもきれいでした。「パーフェクトじゃなくてもすてき。明日もガンバルゾ」と思いました。
(辰巳文子 栗東市職)
◎昼間は暑い日もありますが、涼しくなって体調を崩されている方が多い印象です。老若男女それぞれ生活に大変さがある昨今ですが、健康に過ごせることの大切さをつくづく感じています。
(前川由佳 栗東社協職組)
◎8月当初の連続猛暑や長雨にまいり、稲刈りのタイミングが遅れ、野菜の高騰にびっくりです。やっと明日から取りかかれ、ほっとです。
(中川浩子 近江八幡市)