暮し・平和・自治
全国自治研集会in滋賀全国から2000人参加
憲法を生かした社会を

 9月27〜28日、大津市のびわ湖ホールを中心に第12回地方自治研究集会.m滋賀が開催され、県内外から両日で2000人を超える参加で賑わいました。
 集会初日の27日、華々しくオープニングを飾ったのは「日野曳山まつりばやし」でした。勇壮で迫力満点のパフォーマンスが、1000人超の会場全体を魅了しました。集会では「宇宙から考える地域と日本」と題し、日本人初の宇宙飛行士・秋山豊寛さんが講演を行い大好評でした。続いての模擬討論では「安倍総理の応援団」「維新系の首長」と「住民代表」「学者」などの間で、憲法、沖縄、福島、自治体の役割などについて激論が交わされました。証人として、発言した藤澤日野町長は、憲法と住民自治で発展させてきた平和な「戦後」を新たな「戦前」にしてはならないと訴え大きな拍手がわき起こり、「日野町の住人になりたい」との参加者のツイートも会場に表示されました。
 集会初日の夜には、3つのナイター講座と青年企画が盛大に取り組まれました。青年企画には全国から130人の青年たちが参加・交流しました。青年層の運動の力強い広がりが実感できました。
 二日目は27の分科会が大津市、草津市、近江八幡市、日野町で開催されました。

27の分科会で白熱討論


第2分科会

〜農林水産業を守り、食の安全を確保する〜 滋賀県立大学名誉教授の小池恒夫さんを助言者に迎え、生産者、農政関係者、教育関係者、自治体職員など23人が参加し、TPP問題をはじめとする食の問題、これからの農政のあり方などについて討論しました。

第26分科会

〜グリーンツーリズム体験と自律の町づくり交流〜 16名の参加があり、日野町の自然と歴史を生かした町づくりを体感し、学習と交流を深めました。

 第26分科会は前夜の農村家庭への宿泊から始まり、受入家庭での暮らしと文化に触れ、心のこもった交流で夜も更けていきました。
 翌日の全体交流会では農村生活体験の取組報告、また、近江日野商人と日野の町並みについての講演や町屋保存と町づくりに対する取組報告がなされ、参加者は熱心に耳を傾けました。
住民が主体となった町づくりが進められるそんな気風が感じられた分科会でした。

第27分科会

〜びわ湖環境クルーズと近江八幡の歴史的町並みを生かす町づくり〜 全国から41人、報告者とスタッフを合わせて50人の規模となりました。
 びわ湖の環境、漁業を生業としている沖島、びわ湖内湖西の湖、復活させた八幡堀と近江八幡の歴史的景観を、めいっぱい学び楽しんだ分科会でした。

第7分科会

〜再生可能エネルギーを活用し、豊かで持続可能な社会へ〜 地域と無縁の大企業が突然やってきて強引にメガソーラーなどを設置するようなやり方ではなく、地域住民が参画・議論し、みずからの意思決定を経て地域に根差した発電施設をつくっていくことの重要性を、ドイツやデンマークなどの先進事例から学びました。

和田武(日本環境学会会長)
 日本全国津々浦々で市民や地域主体が発電の取り組みをして、日本のエネルギー生産の供給から消費に至るまで、市民がエネルギーをコントロールする時代がくればと思います。そうなれば、単にエネルギーの変革だけではなく、大きな社会変化を起こせるでしょう。そこが重要です。
私は、再生可能エネルギーは民主主義を内包しているとよく言いますが、市民が取り組むことで、社会に様々な好影響をもたらせるので、今回の自治研を契機に大きな発展ができることを期待しています。特に滋賀には、過去の住民運動の歴史を見ても分かると思いますが、自治の力、住民の力、それだけの潜在性・可能性があると思っています。写真中央
遠藤由隆(緑ねっとプロジェクト代表)
 今までの国・地方・市民の再生可能エネルギーに対する取り組みを多方面から検証し、国・地方・市民の連携による内発的な発展、公正な社会経済の発展、地域間競争から地域間連携への転換、地域の公共性の紡ぎ出し、住民が意思決定にかかわる民主主義など、内実的なエネルギー政策となるよう共に進化していきたいです。参加して、各地域の取り組みを学び、大変参考になりました。写真左
池本未和(湖南市役所 地域エネルギー推進課)
 「湖南市地域自然エネルギー基本条例」に基づき、市民や地域主導による地域の自然エネルギーを活用した取り組みが進み、域内経済が循環し、地域が活性化するよう、普及、啓発、支援等に取り組んでいきます。
 日本の各地域でも再生可能エネルギーを活用した市民や地域の取り組みが拡がればと感じました。写真右

奔流

▼実りの秋がやってきた。我が家にそのことをまず知らせるのは、家の敷地角に植えてある一本の粟の木である。木の周りはコンクリート水路や置石で囲まれ、枝は道路へはみ出ている。構えてから約30年になるが、これまで台風で大きな枝が折れて道路に散乱したこともある。しかし、田舎ということもあり特に周りの苦情もなく歳月を経てきた▼この一本の木が、一度も肥料を与えたこともないのに毎年、立派な実をつける。この時期になると小学生の通学路に面しているので、どこからともなく子どもが集まり、木の枝下の舗装された道路や水路を探しての栗拾いが始まる。中には、棒を持ってきて落下前の殻斗を落とす元気な子や、針のいがをさわって騒ぐ子など、一本の木が遊び場となり和やかだ▼自然の恵みは、物を得るだけでなく季節を彩り生命がつくりだした結晶がなんとなく心を豊かにしてくれる。スーパー食品売場に行くと栗も当然並んでいるわけであるが、値札をみると松茸とは桁が違うがそれなりの値段で、何より消費税額の表示には秋の味覚もさめてしまう▼この消費税は1989年から始まり、今年4月からは8%。2010年までに国民は総額約223兆円を納め、一方で法人税は約208兆円減税された。その中でも世界のトヨタ自動車は、法人税ゼロとなっている。輸出に使用する道路や港湾を国民の血税でつくらせ、利用しながら社会的還元をしていないのだ。文句を言いたいのは私一人だろうか。

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第3分科会

〜循環型社会形成と環境問題 ゼロウェイストをめざして〜
 自治体におけるゴミ問題について問題提起があり、住民のみなさんと共同してゴミ等に対する意識を変え、地域環境を守る運動につなげることの大切さについて学び合いました。
各地域の報告では、滋賀からは大津市・真野北部土地改良区の汚染土への取り組みや高島市・鴨川流域の放射性チップの不法投棄問題などで報告がありました。

第6分科会

〜原発被害の救済と稼働中止、原発ゼロをめざして〜
 原発再稼働中止と原発ゼロの世論が巻き起こる
中、全国各地から36人が参加。自治労連福島県本部中央執行委員長からは、現地での除染作業の進行状況や汚染レベルの見直しについて、住民の不安が報告されました。安心して暮らすことができる社会をつくるために、国民全体で議論を進めていくことの重要性を確認しました。

第8分科会

〜地域から憲法をいかし、戦争しない国をつくる〜
 大阪経済法科大学・丹羽徹教授を助言者に迎え、参加者30人で開催されました。安倍政権が憲法改悪で「戦争する国づくり」をしていると問題提起が行われ、各参加者からのレポート報告、活発な討論と意見交流が行われました。

第9分科会

〜現代の貧困・セーフティネットについて考える〜
 ホームレス支援の現場から、自立支援法についての問題提起があり、生活保護の正しい運用についての提案が行われました。

参加者の感想から

◎基調フォーラムは、工夫されていて面白かったし、日野町の藤澤町長の話は感動的でした。翌日の分科会に参加した仲間からも熱心に議論されたと聞いています。
 (草津市労連 服部英亜)
◎古堅さねよしさんのお話を聞きました。沖縄が本土上陸の捨て石にされました。捨て石作戦で米軍54万人、日本軍11万人(少年兵もいました)。校長先生のお話で「あなたたちは生き延びなさい」。当時は自決が普通だったので不思議に恩いました(それが当時の感覚)。歴史を知り、固定観念がおかしいとか間違いに気づくようにしたいです。学童保育をするものとして、大人の決めたルールに従うだけでなく、自分たちで考え相談して新しいルール等がつくれるというような経験をすることが大事。そういうような指導をしていけるようにしたいです。
(大津市労連 鶴島美和子)
◎よりよい職場を築いていくのに、いい材料にしたいです。職場の和気あいあいとした雰囲気づくりが大事。組合参加と職員同士の意思疎通が大事。出来るだけ組合活動に参加していきます。
  (栗東市職 谷村徹也)
◎おきプロに参加して成長したことを、みんなに伝えたくて参加しました。
 (日野町職労 浦田重嗣)
◎私は、今回は秋山さんの講演を聴かせて頂きました。目からウロコの話ばかりで、本当に楽しく引き込まれ、立って聴いていても疲れも知らず、あっという間の大変有意義な時間を過ごさせて頂きました。特に、宇宙から見た地球の美しさは手に取るように解り、本当にこの美しい地球を後世のためにも守らなければと真剣に思いました。
 最近は皆が日々、家庭のことや仕事のことで忙しく、環境問題や政治問題に目を向けにくい環境にあると思います。私もこれからも、もっと子ども達や後世のためにも、原発問題や消費税問題にも目を向け耳を傾けていきたいです。秋山さんが仰るように、「アカンことはアカン」と言える大事さを身に染みて思いました。本当に素晴らしい講演をありがとうございました。
 (彦根愛知犬上広域行政組合職組 寺田哲哉)

みんなの声

◎最近、天気予報がちっとも当たりません。このクロスワードパズルもちっとも当たりません。何とかしてくださーい。
 (滋賀県職 長坂幸一)
◎今年も大雨が多く、水防待機での出役がありました。
 (滋賀県職 星野南)
◎今年の夏はどしゃ降りが多く、本当に不安を感じました。温暖化がこれほど怖いとは。環境について考えていかなければなりません。
 (大津市労連 津田礼)
◎このクロスワードパズル、小学6年生の息子が毎月楽しみにしていて、持って帰ると喜んでやってくれます。図書券当たって、息子にプレゼントしたいです。
(大津市労連 水口静子)
◎久しぶりにクロスワードを解いてみました。当たれば孫に絵本でも買いたいです。当たりますように・・・
 (近江八幡市・藤松友子)
◎「収穫の秋」。毎週、実家の田んぼの稲刈りです。美味しいお米が沢山作れました。
 (日野町職労 岡村弥生)
◎今年は秋がはやいです。過ごしやすくてうれしいです。読書に食欲に秋は行きたいところ、食べたいもの、読みたいものがいっぱいです。
 (近江八幡市 下口千晶)
◎すっかり秋の気配を感じます。食欲の秋、私の食欲がコワーイ。
 (近江八幡市 乾美恵子)