しがの仲間 237号

許せない「給与制度の総合見直し」勧告
プラス0.3%勧告も来春以降は大幅な賃下げに
ベテラン層4%の賃下げ


7年ぶりの0・3%改善も物価上昇3・2%に消える

人事院は8月7日、給 料表0・3%の引き上げや、一時金0・15月改善の勧告を行いましたが、物価上昇3・2%にも届かない実質賃下げとなります。さらに、公民問わず全労働者からの大きな反対の中、来年4月以降の賃金について生涯賃金を大幅に引き下げ、地域間格差を拡大し滋賀経済に54億円ものマイナスが試算される「給与制度の総合見直し」の勧告も行いました。

安倍首相は「2%の賃上げ」と報告

 今年4月に遡っての勧告は、@初任給2000円引き上げ、A月例給を平均晋引き上げ、B一時金0・15月引き上げ、C自家用車利用者等の通勤手当の改善等となっています。安倍首相は雑誌「文藝春秋」でアベノミクスによって「2%を超える賃上げ」などという調査を紹介していますが、公務員賃金については物価上昇3.2%にも及ばない水準となります。これでは、ますます消費は落ち込み日本経済全体も冷え込んでしまいます。

滋賀経済に54億円のマイナス効果

 閣議決定を受けた人事院が公務員賃金の引き下げを意図した「給与制度の総合見直し」は、ベテラン層を狙い打ちにした4%もの賃下げと、その原資を東京・霞ヶ関の地域手当引き上げに回す内容が中心となっています。例えば大津市では給料表の引き下げが2%としても、国の地域手当は10%のままとなっていますから、まさに2%の賃下げとなります。来年4月大津市内の民間賃金が2%も下がるという根拠や見込みは全くなく、公務員賃金を引き下げその生活を破壊すると共に、民間賃金をさらに引き下げ、地域経済を疲弊させることにつながります。県内でのマイナス効果は54億円とも試算されています。

地域経済守れ!!暮らしを改善する賃上げ実現を

 県職・高教組・全教による地方公労三者は、9月1日に県人事委員会に対し、国の「給与制度の総合見直し」に追随しないこと、物価上昇に見合う生活改善の賃上げなどを求めて要求書を提出し秋闘をスタートさせます。大企業が空前の利益を上げている中、最低賃金の引き上げ・すべての労働者の賃上げでその暮らしの改善と日本経済の転換を求める運動を大いに拡げましょう。

青年職員の将来設計を狂わす大幅な賃下げに

 来年4月以降に実施とされている「給与制度の総合的見直し」は、図表のとおり生涯賃金が大幅に下がるため、高齢層だけが影響を受けるわけではなく、青年・壮年職員の将来設計も大きく狂わせます。また、給料表の引き下げは、市町によって較差がある「国の地域手当」ではカバーできません。

9月19日 19:00〜14人勧学習会
 草津まちづくリセンター202


第12回地方自治研究全国集会in滋賀
9月27日〜28日(土・日)
いかそう憲法、つくろう安全・安心にくらせる地域、日本を


 昨年10月に現地実行委員会を立ち上げ、これまで4回の会議(本番までもう1回予定)を開催し、歓迎行事や現地分科会、そして滋賀独自事業の内容等を検討してきました。当実行委員会は、県内諸団体や関係団体に加え、滋賀自治労連と共闘する草津市労連などにも参画いただき、多種多様なメンバーで構成しています。
 日野祭聡子や地域物産展をはじめ、魅力的な現地分科会やナイター講座など、盛り沢山の内容でみなさまをお迎えします。
自治体関連職員のみなさまには、仕事にいかせる貴重な体験の場として、また一般市民の方や学生の方にも様々な分科会をご用意しました。

9月27日全体会開場12:00
 開会12:45〜17:00
会場=びわ湖ホール・大ホール
 福島で原発難民となった元宇宙飛行士が語ります。
 宇宙から考える 「地域と日本」
 秋山豊寛(あきやまとよひろ)さん
 日本人初の元宇宙飛行士、農民、ジャーナリスト
基調フォーラム 憲法をいかす地域、日本をどうつくるか?
ナイター講座17:30〜19:00
暮らしの基盤を確立し、安全・安心で 環境にやさしい地域をつくる  岡田知弘(京都大学教授)
人間らしく生きるために、社会保障を充実する 芝田英昭(立教大学教授) 
暮らしを支え、自治を育て、住民本位の自治体をつくる 二宮厚美(神戸大学名誉教授)
9月28日 25の分科会・2つの現地分科会を開催


奔流

 今年の原水爆禁止世界大会で「語り部」の話を聴いた。広島から山陽線で36分の西条駅がある。駅前は旧宿場として本陣もおかれ、現在では酒蔵のまちとして見所があり歩く楽しみがある。駅前通りは歴史を感じる酒蔵が並び、蔵前では湧き出る井戸水の案内板や勺が置かれ味見をすることもできる▼しかし、この地からも「原爆のきのこ雲」が確認されたと言う。原爆投下の惨状後に救援で広島市内に入った「入市被爆者」の今も続く後遺症、2世被爆、原爆認定訴訟の訴えがあった▼被爆や終戦記念日を迎え、新聞各紙の当時の体験者の声や記録の特集記事が目を引く。来年の被爆70年までの特集を打ち出す新聞もある。歴史が忘れられ、悲惨な戦争記憶が薄らぐのに歩調を合わせたように押し寄せる秘密保護法制定、集団的自衛権容認、沖縄辺野古への国家権力による基地建設強行の動きは、日本が戦争する国に移行する危機を映している。こうした中で各紙が一部紙を除き、原爆や戦争の体験を報道して核兵器廃絶や不戦の姿勢をとる良心に敬意を表したい▼平和を維持するには憲法9条とともに原爆や戦争とは何か。実体験を語り継ぎ平和の尊さを解き明かすことが大事だ。けっして古い歴史話でなく憲法9条を守る土壌となるものだ▼いま被爆体験者が高齢化を迎え亡くなる中で、「語り部」に続く「語り継ぎ」が大切だと想う。はだしのゲンの表現が過激と問題視されたが、後遺症で今も続く体験者の「地獄」はそれ以上だ。

-------------- 2面 -------------------

核兵器廃絶求め
集団的自衛権の行使容認反対!安倍内閣は閣議決定を撤回せよ!核兵器は廃棄せよ!

 安倍内閣・自公政権は7月1日、集団的自衛権の行使容認の閣議決定を強行しました。しかし、その後に行われた滋賀県知事選挙でも自公推薦の候補者が破れたように、平和問題や原発問題などを筆頭に、いま国政への不信感と平和を希求する願いが国民の中で急速に高まっています。滋賀自治労連は、こうした流れも受け、核兵器廃絶署名の推進や、広島で開催された原水爆禁止世界大会への参加、毎年恒例の反核平和マラソンへの参加など、反核平和運動に積極的に取り組んでいます

14反核平和マラソン・ライダー・ウオーキング
スポーツは、平和とともに

 滋賀自治労連も参加する反核平和マラソン・ライダー・ウオーキングが今年も8月6日、開催されました。今年は新たに、高島市役所から県庁までのサイクリングコースが開催されました。
 マラソンとライダーは朝9時に長浜市役所を出発して、それぞれのコースに分かれて各自治体や平和祈念館などを訪問し、平和行政の推進等を要請しながら滋賀県庁を目指しました。マラソンコースは、「原爆の火」を灯し続けて今に伝える本覚寺に献花をするため立ち寄り、お寺の皆さんに歓待頂きました。
 また、マラソン隊とライダー隊は草津市役所で合流後、大津パルコ前に立ち寄り、滋賀県平和委員会や滋賀民医連が行っていた平和宣伝・署名活動にも参加しました。ウオーキング隊は、平和の体験話を傾聴し、大津市役所から滋賀県庁を目指しました。
 サイクリング隊は倒木によりJR湖西線が遅延していた関係で30分スタートが遅れるハプニングに見舞われましたが、県庁前での閉会セレモニーが終わった直後に無事到着しました。
 参加者は、要員も含めて55人でした。強い日差しが射したかと思うと豪雨に打たれるという不安定な天気の中でしたが、大きな事故もトラブルもなく、今年も無事に幕を閉じました。
 スポーツを通じて、「反核平和」「集団的自衛権の行使容認反対−・」「平和を守ろうー・」の想いを力いっぱいアピールして、ゴールの滋賀県庁まで完走しました。

NPT2015へ
2014原水爆禁止世界大会に参加して


 今年の原水爆禁止世界大会は、全国から海外代表を含め6千人を超える人が参加しました。滋賀からは25人が参加しました。一番の特徴は、来年は被爆70年をむかえますが、同じ年に聞かれるNPT(核不拡散条約再検討会議)を「核兵器廃絶への決定的な転機」にしようと、来年4月27日からのニューヨーク国連本部への行動参加が呼びかけられました。
 また、今年は、マラヤ・ファブロスさんが呼びかけた、国際青年リレー行進が初めて行われ、私の娘も滋賀県内の通し行進を行いました。私も来年は定年退職ですから、第10分科会(反核「平和の文化」)では、『東京1広島の平和行進を行う!』との決意表明をしてきました。この分科会は、すべての人に発言してもらおうと、最後に全員輪になって、『私は核兵器をなくすため〇〇〇を行う!』とすべての人が発言する画期的な分科会となりました。
 来年はNPT会議直後の広島・長崎での世界大会となります。この記念すべき年に、みなさん、ぜひ平和行進や世界大会に参加して、お会いしましょう。(西田重好)

みんなの声

◎もうすぐ夏休みが終わる‥・。宿題が終わるか心配しているのは、子どもではなく親の方です‥・。私も子どものときはそうだったかな。
 日野町職労 坂田直子
◎今年の天気は変ですね。近江米の出来が心配!
 滋賀県職 松本輝雄
◎東近江に行ったとき、なんと暑さが日本一のときだったので、とても暑くてサウナ状態でした。
 滋賀県職 T
◎娘が受験生のため、今年は泊付の旅行はしません。その代り、家の中や近くで気分転換してあげられたらいいなと思っています。
 滋賀県職 中山智之
◎本当に暑い夏で、ついついビールを飲みすぎてしまいます。早く冬がこないか待ち遠しいです。
 大津市労連 村山功
◎毎日暑くていやになりますが、日が暮れるのが早くなっているのを感じると、寂しくもなります。勝手なものですね。
 大津市労連 水口静子