しがの仲間228号

国強要のカット廃止などで要求前進
13賃金確定闘争


 国が強要したカットの廃止、55才昇給停止反対など重要課題が山積する今年の秋季年末闘争も山場となっています。滋賀自治労連は自治体共闘としての意思統一・交流集会を11月13日に栗東ウイングプラザで開催した他、各単組では学習会・集会・当局交渉が行われています。
 大津市労連では11月19日に第二回目の総務部長交渉が行われ、賃金カットの年度末終了を確認したほか、嘱託・臨時職員の待遇改善についても前向きな回答が出されています。
 一方、市外在住職員の住宅手当廃止・通勤手当改悪の提案が出されていますが、職場からの怒りの声で「強行は考えていない」との回答まで押し返しつつあります。
 滋賀県職も11月20日の交渉で、11年続いた独自カットも含めカット全廃を勝ち取り、子育て・母性保護・私傷病休暇などで「前向き検討」の回答も出されています。一方、両組合とも55才超職員の昇給停止、昇格時の昇給幅の抑制などは提案撤回に至っておらず、ねばり強い闘いが続いています。
 雇用と年金の接続については、各単組の到達点が様々であるため、滋賀自治労連として市長会・町村会に対し、①使用者責任による年金との接続、②フルタイム、短時間の選択制、③年金+短時間勤務を超える賃金水準確保、④現職同様各手当の支給などを最低基準として制度設計するよう要請しています。

各単組の動向

 栗東市職は11日、文書回答を受け、市の集中改革プラン問題を軸に、55歳昇給停止、再任用導入などで交渉を詰めていきます。自治労連近江八幡市職は、住居手当の存続、幼稚園現場の時間外支給、病院の夜勤回数改善を重点要求にしています。日野町職労は、すでに2回の交渉を実施、55歳昇給停止は先送りの方向が出ています。豊郷町職労、彦根愛知犬上広域職組は25日の週に交渉が行われます。

市町振興課長
交渉賃金労働条件は自主的主体的決定を


 滋賀自治労連は11月15日、「2013年秋季年末統一要求書」による県の市町振興課長交渉を行い、見解を質しました。概要は次のとおりです。
1、賃金・労働条件は関係法と労使合意を尊重すること。
(県)地公法24条の各種統計、生計費等を考慮し、人勧を基本に各市町で自主的に対応すべきもの。職員団体の交渉は地公法にもとづくもので、県は交渉のあり方について指導の立場ではない。
(組)交渉のあり方(労使合意)について指導・介入する立場でないことを確認しておく。
2、国が強要した平均7・8%賃下げについて、職員が受けた損害額の補てんを市町に助言すること。
(県)県は補てん等を助言する立場ではない。国には県としても反対意見をあげてきた。
(組)国に準じて実施しなかった団体に対する、さらなる賃下げ強要はすべきではない。
(県)各市町が決めたことであり情報は伝えるが、それ以上のものではない。
3、国が実施した55歳超職員の昇給停止などの高齢者賃金抑制を押しつけないこと。
(県)昇給昇格見直し、現給補償などは、各市町の自主的、主体的な判断であり、実際、各市町で対応や実施状況は異なっている。
4、自治体自らが、ただ働き・サービス残業の根絶を
(県)残業時間の支払いは当然すべき。また適正な労働時間管理は労基法等で求められている。
5、指定管理者制度による職員の雇用破壊、賃金・労働条件の切下げはしないよう市町に助言すること。
(県)制度はコスト削減等の手段でない。単なる価格競争の入札とは異なるので運用で改善すべき。労働法制の順守や、雇用労働条件への適正な配慮が求められる。6、年金と雇用の接続へ制度確立などを市町に助言すること。
(県)僅々の課題と認識している。各市町の実態や課題を整理して、問題解決できるところは前向きに進めたい。
(組)滋賀自治労連の「年金と雇用の接続に関する要請書」を提出する。市・町長会にも提出した。検討してほしい。
 ※他に人事評価制度、臨時職員等の賃金・労働条件、労働環境・労働安全衛生等の見直し改善、メンタルヘルス問題などでやりとりしました。

STOP!!秘密保護法

 滋賀自治労連も参加する「憲法を守る滋賀共同センター」は15日夕、今国会での成立が狙われている秘密保護法案に反対する立場で、「膳所駅前での緊急集会→パルコ前までのデモ行進」を展開。各労働組合や民主団体、司法関係者ら約50人が参加しました。また19日夕には、大津駅前でも宣伝行動を行いました。
 宣伝行動では、ビラを受け取った市民(40代女性)から、「サインするやつ(おそらく署名のこと)はないの?私もコレはこわいと思っています」と、寒風を吹き飛ばすような元気をもらう場面もありました。

介護職員・看護師が交流

 滋賀自治労連、医労連、福祉保育労、県労連で構成する滋賀県介護労組ネットワーク(略称:介護ネット)は17日、大津市内で「より良い介護の方法とスキルアップ」~腰痛防止のためのノ―リフト介護(実践編)~を開催し、県内の介護事業所や病院に勤務する介護職員、看護士、ケアワーカー、生活相談員など35人が参加・交流しました。
 講師は日本ノーリフト協会の保田淳子さん(滋賀医大)にお願いしました。
 講座では、前半にパワーポイントを使って「ノ―リフト」について学習し、休憩を挟んで後半は3~4人の小グループに分かれて、身体の動かしやすさ・動かしにくさ(身体移動)を様々な座位で体感しました。また、2種類のリフト(スウェーデン製)も実際に操作・体験しました。 こうした体を使った実践的な内容を通じて、小さな力で無理のない介護の方法や、介護される側(利用者)の気持ちなどを体験しました。 講師の久保さんは、講座の終わりに、ご自身のオーストラリアの介護職場での体験を語り、「職場環境や労働条件を与えられた変えられないものと諦めるのではなく、『変えられない』を変えていくことが大切」と参加者にエールを送り、講演を総括しました。 厚生労働省も今年「腰痛予防指針」を19年振りに改定し、「抱き上げ」は労働者の腰部に著しい負担がかかることから原則行わない方針を明記しています。今後は「抱えない介護」が主流になっていくのではないでしょうか。こうした情勢も見据えて、介護ネットでは引き続き、第3弾を企画・検討していきます。

中央労働委員会が高島市に命令
雇止めで不当労働行為を認定!!

 
平成22年3月末に高島市は、長年勤めてきた組合員を含む臨時職員168名を一斉雇止め・解雇しました。組合(滋賀自治体一般・高島市臨時嘱託職員支部)は、不当労働行為事件として県労働委員会に救済申立をしましたが棄却され、中央労働委員会に再審査申立を行っていた事件の命令交付が11月1日付でおこなわれ、組合が逆転勝利しました。
 中労委は、「臨時的任用職員の再任用の継続、身分その根拠として臨時職員等の再任用に係る総務省通知(平成21年4月24日)総務
省の研究会報告(20年7月)などを引用しています。また高島市が、168名もの臨時職員を一斉雇止めした事実にふれて、『職員側には帰責性がなく、あくまで市側の事情による任用方針の変更は、特に慎重に対応すべきであった』の指摘もしています。
を嘱託職員に変更するなどのA組合員の雇用の維持、臨時的任用職員の年次有給休暇に係る団交は不誠実であり、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であると認定する」として、高島市長に、組合に対して「今後このような行為を繰り返さないようにいたします」とする書面交付を命令しました。

命令で示された判断

臨時・嘱託職員の任用権行使は、市の管理運営事項であっても『これが労働条件ないし組合員の処遇に関連する限り、関連する労働条件・待遇は団体交渉の待遇となる』、『(臨時職員の)再任用を繰り返してきたのを突然変更し、拒否したことからも交渉事項となる』。

全国から高島市に要請
 
解雇された組合員は、「高島市は真摯に反省し、過ちを繰り返さないでほしい」と訴えています。中労委命令に従うよう全国の自治労連組織や県内労組、住民団体などからも続々と高島市に要請FAXなどが届けられています。

子どもたちによりよい保育を!!
          全国から3500人


 11月4日、小雨と時おり突風が吹く中、全国から保育関係者約3500人が、「新制度から公的保育を守るため、地域の運動を広げ、国や自治体に責任を果たさせよう」をスローガンに、東京・日比谷野外音楽堂に集結し、「子どもたちによりよい保育!!11・4大集会」が開催され滋賀自治労連からは4人が参加しました。 
集会後は、銀座通りをカラフルな横断幕やプラカード、コスチュームで「公的保育制度を守ろう」、「認可保育所を増やせ」、「公立保育所をなくすな」などのシュプレヒコールを行いながら、沿道のみなさんにアピールするパレードや、国会議員への要請などを行いました。
 「子ども・子育て支援新制度」は、すでに本紙でも紹介していますが、公的保育の形骸化などの問題点を持っています。滋賀自治労連は、当面の重点課題と位置づけ、学習強化、各市町と議会への要請、独自の宣伝チラシ作製、宣伝行動などを計画しています。積極的な取り組みをお願いします。

みんなの声

◎今年の冬は寒くなりそうです。 
        西村敏治(鴨川流域土地改良区職組)
◎ひとり娘の七五三が無事おわりました。おかげさまで感謝です。
        平松祐子(豊郷町職労)
◎先日、保育部会で「子ども子育て支援新制度」の学習会をしました。多様な施設や事業がつくられ子どもの受け皿となりそうですが、派手ではなくても誠実で平等な公的保育をしっかり守っていきたいと思います。
        辰巳文子(栗東市職)
◎子どもがハイハイをしました。
        山口和人(日野町職労)
◎カットされた賃金が本当に復航の役に立っているのでしょうか。ムダ遣いをやめて返してほしいものです。
        中澤明広(県職)
◎この前まで夏だったのにもう冬が迫っています。もう少し良い季節を楽しみたかったのに。最近、秋と春が短い気がします。
        西本新(県職)
◎新年度予算や何度末に向けた工事発注など大忙しですが、職員団結してがんばっています。
        図子善大(大津市労連)
◎うちとこの娘はアメを食べるとすぐ虫歯になったのでチトセアメは食べさせていません。さすがに七歳の時には食べさせてあげようと思います。
        伊藤岳史(大津市労連)
◎知らない間に(有無を言わさず)賃金は下げられ、パズルの当選人数も減っている。来年からは増税あり、マイホームはほど遠い。
        津田礼(大津市労連)