しがの仲間 217号

退職手当組合と交渉
市町は既に国改悪後の水準!


「1月1日実施は制度の運用上からもなじまない」

 滋賀自治労連は12月11日、滋賀県退職手当組合に加盟する栗東而・日野町・豊郷町と共に退手組合交渉を行いました。今村委員長は11月22日提出の要求書に基づき、「退職手当は賃金の一部であり交渉事項であること、国と地方では実態が異なること、大津市など年度内実施なしの回答が出されていること、少なくとも年度内実施は止め協議を継続すること」などを求めました。
 退手組合の中村事務局長は「職員・家族・地域経済への影響もあり、1月1日実施は制度の運用上からもなじまない」として、年内決定は事実上困難であることを回答しました。ただ、改悪の内容については「国とのバランスはこれまでも大前提で、財源の問題もありそこにはいかざるを得ない」と国並み引き下げ改悪の必要性を示唆しました。
 参加者からは市町は2700万円というような国・県の支給水準に届いてないと訴えが出され、局長は23年度定年退職は約2157万円(勤続32・9年)、勧奨退職は約2473万円(勤続33・3年)の実績を明らかにし、水準的には改悪は必要でない実態も明らかになりました。局長は「他市の状況も見て、構成団体の職員に不利にならないようにしたい」とも述べ、退手組合議会は2月に予定されていることから、構成団体との調整を踏まえ条例提出までに再度交渉することを確認し交渉を終えました。

退職手当削減実施は4月1日に
大津市労連、副市長交渉で前進


「市労連との関係も大事にしたい」と副市長

 大津市労連は11月30日、副市長交渉に持ち込む中、前日の総務部長回答を前進させる「実施時期4月1日」の回答を引き出し、来年3月定年退職者について従来どおりの支給率を確保しました。
 部長交渉では「根拠となる人事院調査の問題点、衆議院解散当日に選挙対策として法案を通したこと、年度途中提案では選択肢がない」などを主張し、国・県準拠では了承できないとし再交渉を要求してきました。
 副市長は大枠は国に準ずるとしながらも「1月からの改訂はあまりにも急であり、他の中核市でも判断は分かれている。今日まで築いてきた市労連との関係も大事にしたい」として前進回答を行いました。
 大津市労連の要求前進は県内各自治体での交渉を大きく励ますものです。

大津市労連最終回答の調整率・実施時期
期 間                    調整率         最大支給月数
現行                     104/100         59.28月     
H25年4月1日〜26年6月30日     95.5/100         54.435月  
H26年7月1日〜             87/100          49.59月

消防キャラバン

 滋賀県消防職員連絡会は現在、滋賀県自治体労働組合総連合(濫費自治労連)と共同で、「消防キャラバン2012」に取り組んでいます。
 この取り組みは、同じ自治体の仲間である消防職員の賃金・労働条件等について情報交換を行い、その要求の実現や改善に向けて協力して行きたいとの思いから始まりました。過去2回実施していますので、今回は通算3回目のキャラバンになります。
 この間、甲賀広域行政組合消防本部(12月5日)、湖南広域消防局(12月13日)、東近江行政組合消防本部(12月14日)と懇談し、7消防本部中3消防との懇談が終了。これから来年の1月末にかけて、残る4消防本部との懇談を目指します。

個人請願総行動
35人が切々とスピーチ


 滋賀自治労連も参加する県民要求実現実行委員会主催の個人請願総行動が12月4日、県教育会館で行われました。
 この取り組みは滋賀県民の思いや要求を前進させるべく毎年恒例となっていますが、その法的根拠は日本国憲法第16条の「請願権」とそれを具現化した「請願法」であり、誰でも平穏に国や自治体に対して法律や制度の改正などを請願することができるという国民の権利です。
 折しも総選挙の公示後で多忙な時期ではありましたが、60人超の市民や労働者が参加し、請願行動に先立った意思統一集会では、@大津いじめ事件と条例化問題(全教)、A高校統廃合反対(高教組)、B年金削減反対(年金者組合)、C原発再稼働反対(ばいばい原発住民連絡会)、D青年の雇用確保(民青)、E消費税増税の中止(滋商連)、FTPP参加反対(農民連)などについて各団体から決意表明が行われ、「団結ガンハロウ」で意思統一を図りました。
 続く請願行動は2会場に分かれて行われ、35人がそれぞれの思いや願いを切々とスピーチし、県の各部局担当者に請願しました。
 滋賀自治労連は、「大飯原発の即時停止と原発即時ゼロを求める請願」、「再生可能エネルギーの爆発的普及を求める請願」、「地域主権改革と地方自治破壊に反対する請願」、「自治体非正規職員の雇用と労働条件の安定を求める請願」、「公契約条例をつくり循環型地域経済の振興を求める請願」の5項目にわたり請願し、他団体・個人からも「野洲養護学校の分校や増設ではなく新設を求める請願」や「特別養護老人ホーム待機者の実態把握と解消のための増設を求める請願」など、切実な声が響きました。
 また、共通請願691筆、非核滋賀県宣言の制定を求める請願署名4.620筆が県に届けられました。なお、今回の請願行動を受けた県の回答は、2月5日に行われる予定です。

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13国民春闘 雇用安定・貸上げで景気回復を

賃金・雇用と景気は

 日本の労働者の平均賃金は1998年から低下し続け、3人にひとりが非正規労働者に追いやられています。自治体労働者の賃金も2006年から実施された「給与構造改革」による平均4.8%引き下げや、今年の退職金大幅引き下げなどで状態悪化が続いています。自治体に雇用される非正規労働者の労働条件は、ほとんど改善されず年収が150万円前後のワーキングプアのままです。これで、消費税が8%(2014年4月)10%(2015年10月)と引き上げられれば生活悪化が深刻となり、消費不況で景気は更に低迷します。

景気悪化の原因は

 今日の景気悪化の大きな原因は、派遣労働に代表される非正規雇用の増大と、中小企業への発注単価の切下げによって、大企業だけが一人勝ちしていることです。最近10年間で資本金10億円以上の大企業の内部留保(利潤)は、90兆円増えて260兆円を超えています。本来は、このだぶついている資本を社会に還元すべきですが、財界・大企業は、いっそうの非正規化と賃金抑制による利潤確保を狙っています。その方法として、公務労働者への攻撃を強め、公務労働者の賃金が下がれば、それをテコに次は民間労働者の賃金を引き下げる負の連鎖が行われています。

春闘の対決点は

景気回復の状況とは、自動車や電気製品などの輸出の外需産業が伸びることではありません。国内経済が元気になる景気回復のためには、国内消費が伸びなければなりません。そのためには、なんといっても雇用が安定し、買い物をすることができる賃金の引上げが必要です。賃上げの原資は、財界・大企業が貯め込んだ260兆円超の内部留保です。この一部を労働者、中小企業に還流させればいいのです。13国民春闘の最大の対決点は、財界・大企業の一人勝ちの経済を続けさせるのか、それとも雇用の安定と賃上げによって内需拡大による景気回復を図るかにあります。

滋賀自治労連のたたかい

 住民奉仕の公務・公共労働者の立場に立って、自らの労働条件の改善と、住民のみなさんの生活防衛と向上を一体のものとして頑張ります。内需拡大による景気回復を前面に、生活できる賃金確保と労働条件改善、時給千円をめざす最低賃金の引上げ、雇用確保をめざします。メンタル対策などの環境整備を重視します。安全安心社会の実現へ、原発、TPPなどの問題で住民との共同運動を進めます。

年末・年始手当などで交渉

甲賀社協パートヘルパー分会

 自治体一般・甲賀社協パートヘルパー分会は12月4日、12確定闘争の団体交渉を実施し、組合員ら5人が参加しました。
 おもな要求項目は、@正規職員との均衡から時給を⊥00円アップすること、A夏と冬の年2回一時金を支給すること、B通勤手当を支給すること、C年末年始の勤務に時給⊥000円を加算すること、D退職金制度を創設すること、E業務縮小を理由にした雇止めは行わないことです。
 これに対して、社協は「利用者が訪問入浴・介護から離れ、宿泊付きの介護施設へと移行していく大きな流れの中で、開所以来初の赤字決済に至った。また、国から支給されていた
介護職員の処遇改善交付金も終了し、財政的に大変苦しい」としつつ、@「当面、毎年10円ずつ時給を上げていく(上限は⊥00円=10年)」、A「支給できないし、年度末一時金も今年は支給できない。ただし、年度末に一定の収益がでた場合は検討する」、B「正規職員とは責任等の度合いや配転の有無などが違うため、改正労契法20条に抵触するのか疑問。しばらく世間の動向を見たい」、C「昨年通り、時給に700円を加算する」、D「事業規模が200人超のため中退共は使えない。10年超の方には、表彰制度で対応している」、E「雇用を守るよう最大限努力する」と回答しました。
組合側は、「人材育成とモチベーションの維持向上が人を育て、社協を発展させる原動力」と強く訴え、年度末までに再度の交渉を申し入れることでこの日の交渉を終えました。

彦愛犬広域行政組合職組

 彦根愛知犬上広域行政組合職員組合は、この間、臨時職員組合員の雇用を守るために粘り強い団体交渉を展開しています。当初、9月末で雇止めされる予定でしたが一定跳ね返し、来年3月末まで雇用をつなぎました。