しがの仲間 208号

職場と全国の運動が知事を動かす
議員提案の給与改悪条例に
知事が再議表明、条例は否決へ!?


 労使交渉をないがしろにする県職員・教職員・警察職員への「議会による一方的な給与削減はやめよ」と、全国でも例のない今回の事態に対して、全国から県議会議長と県当局への要請FAXなどが県内外の自治体労働組合から、490通寄せられました。また、議会審議にともない全会派への要請や、県職などによる県庁中庭での緊急昼休み集会などが取り組まれる中で、マスコミでも大きく報道されました。

引き下げ根拠は薄弱、知事に「再議」求める

 3月県議会で自民党会派は、「県の財政改革に対する本気度」を問うとの趣旨の代表質問を行い、「職員給与のさらなる削減」「地域手当の廃止・期末勤勉手当の削減」から退職手当と時間外手当の削減、住居(持屋)手当の廃止などを求めました。
 その後、自民党は県提案の地域手当6%への引上げに対して、現行の5・7%に据え置く給与改悪条例案を議員提案して可決させました。
 県職は、県議会の一方的な改悪条例に対して、憲法や地方公務員法の精神を踏みにじり、長年にわたって築かれてきた労使関係を根本から破壊する異常事態として、憤りを感じ、強く抗議すると表明しました。
 知事に対しては、改悪条例が可決された3月23日、法の趣旨を守るとともに、今回の議員提案の条例改正には予算との関係においても、5・7%根拠を含め提案理由はきわめて薄弱であるとして、「再議」を求める要請書を提出しました。
 知事は3月26日、「再議」にかけることを表明しました。
【解説】「再議」は、地方自治法の規定で、首長が議会可決された議案の審議のやり直しを求める制度です。再議にかかった議案の可決には、通常の議会の過半数ではなく、3分の2の賛成が必要になります。今回のような議員提案による賃金削減が行われれば、労使交渉は意味のないものとなります。また、団体交渉権が保障されている現業職員等の場合には、不当労働行為事件となるものです。

自由法曹団が意見書「議会は主体ではない」

 今回の自民党会派による引き下げ条例案に対して自由法曹団滋賀支部(玉木昌美支部長・県内23人の弁護士加入)は、「議会は労使間の直接の当事者でなく、権限の行使については抑制的であるべき等の問題を指摘した意見書を出しました。
 意見書は、仮に勤務条件に関する議員提案するにしても、議会にて、参考人や労働者代表を呼んで審議するなど十分慎重な審議が必要であるとしています。
 また、公務員は憲法28条の労働基本権が制限され、その代償措置として「人事委員会勧告」制度があり、知事や議会は、その尊重義務を負っているから、これを無視することは「尊重義務違反」になるとしています。さらに意見書は、県では過去10年間に人事委員会の勧告を越える「給与等の削減」が行われ、その中で平成18年に制定された地域手当7%の実現に、当初3・5%から出発し、順次支給率を上げてきた中で、それを引き下げる条例は「期待権侵害」にあたると指摘しています。

春闘またっだ中

 2012年春闘は、官民総がかりによる内需の拡大を促す賃金引上げは、雇用確保が大きな要求となり、政治状況との兼ね合いで、命と暮らしを守る震災復興、原発ゼロ・自然エネルギー転換、消費税増税反対などの課題が焦点となっています。

採職員歓迎の準備すすむ

 新規採用職員を歓迎する準備が始まっています。滋賀県職は4月6日に歓迎会「WITH・YOU」、大津市労連は4月27日にボーリング大会、日野町職労は4月25日にボーリング大会、栗東市職は歓迎集会など、各組合で歓迎行事が計画されています。

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大津市労連が定期大会
 大津市労連は3月3日、第51回定期大会を開催し、約一二〇人の参加で成功させました。
 大会では、現給保障制度の継続や不利益遡及を阻止したこと、嘱託・臨時職員の賃金改善など運動の成果を確認しました。討論では、「働き続けるためにも組合活動は大事、組合員を増やしていくことが必要」「企業局から震災の復旧へ、のべ一〇〇名が従事し、あらためて仕事への誇りを感じた。ガス事業は公営で守っていきたい」など発言があり、春闘の取り組みや組織拡大にみんなで力を合わせていこう!と執行部提案の方針が承認されました。
選出された新役員
執行委員長   山本 等
副執行委員長 小川治彦
         川嶋重信
         近藤健司
         西田重好
         河村香織
         神原裕寿
書記長     中森 淳
書記次長    田智行
財政部長    江口辰之

県職が新役員選出

 県職は3月16日に行われた役員選挙の結果、次の新役員を選出しました。
執行委員長    瓜生昌弘
副執行委員長  蒲原良高
          杉本 高
          清水庄次
書記長      児玉 崇
財政局長     林清 隆
会計監事     小出喜洋
           森口康子
           枝本隆史

滋賀自治労連突撃インタビュー

中道寿宏(なかみちとしひろ) 近江八幡市産業振興課職員。入庁8年目33歳。近江八幡市在住。元滋賀県自治体労働組合共闘会議の青年部長で、青年部を支えてきた立役者の一人。持ち前の真面目さと強い責任感はピカ一。大好物は丼モノで、「ごはんの上に物が乗っていると食が進んでたまらない」とのこと。
Q.仕事のやり甲斐は?
 職場の仲間同志でお互いをフォローしながら、チームワークで大きな仕事を達成して行くことに、やり甲斐や楽しみを感じています。
Q.組合加入のきっかけ、加入して良かったことは?
 加入のきっかけは、組合活動に興味があったからです。良かったと思うことは、職場や職域を越えて、他の自治体で働く同じ世代の青年たちと広く交流できたことです。
Q.将来の夢は?
 イタリア人の国際交流員との交流を通じて、イタリアに強く惹かれました。イタリア語をもっと勉強して、いつかイタリアに旅行したいですね。

みんなの声

◎皆さん毎日、バタバタと忙しく、そして楽しく働いています。利用者さんに「ありがとう」って言われるのが最大のごほうびです。
 溝越順子(水口パートヘルパー)
◎私たちの組織は介護保険事業を占める割合が大きく、今日の介護保険の改正で不安とがんばらないといけない気持ちとで複雑な毎日が続いているところです。
 前川由佳(栗東社協職員組合)
◎職場で50代以上の方に風邪が流行。(ひとこと)原発パレードがんばって下さい。
 伊藤岳史(大津市労連)
◎別れの春です。今の職場で4年共にがんばってきた先輩が3月末で卒業されます。40年以上公務員として奉職し無地卒業を迎えられる先輩お疲れさまでした。
 久田恵美子(県職)
◎ようやく春めいてきました。東北の震災から一年、ニュースでしかわかりませんが少しずつ復興が進みかけている様子で、どうかあきらめず前を向いて一歩ずつ進んでいただきたいと応援します。日本の国民全員が応援しています。あきらめず進んで下さい。
 木田いよ子(大津市労連)
◎毎年の日枝神社の祭りが4月4日ですが、その日の為の花のぼりの作成で忙しく字(あざ)全体が、いったいとなってがんばっています。大阪での花博にも展示したことがあります。4月4日の祭りは、一度組合の方も見に来ていただきたいと思います。
 藤居千代(日野町職労)