しがの仲間 205号

2011自治体キャラバンを通じて住民要求が前進

 滋賀自治労連など労働組合や住民団体でつくる県民要求実現実行委員会による自治体キャラバンが、今年は日月1日から17日まで全19市町を訪問して行なわれました。
 自治体キャラバンは、住民要求の実現を市町に要請し懇談するものです。今年の特徴的な要求は、3月日日の東日本大震災と原発事故を通じて「脱原発・自然エネルギーへの転換」を求める要請でした。更に、他の課題では、TPP参加問題、子ども子育て新システム、県立高校の統廃合、ヒブワクチン等の公費助成による接種、子どもの医療費無料化、中学校給食の実施、住宅リフォーム助成などで、首長や市幹部のみなさんと率直な意見交換が行われました。

脱原発・TPPなどで各首長が率直な意見を表明

 原発問題で愛荘町の村西町長は、福島の事故を考えると隣の福井原発の再稼動は許せないと表明しました。北川甲良町長は、TPP参加反対を表明し町の54%を占める美田を守るとの想いを語りました。また、野洲市の山仲市長は、既存の民営化方針を見直し、子ども園と学校給食は、直営化を堅持したいと語りました。民営化などによる財政効率化のみが「市民の声」との風潮があるなかで、行政の責務と役割を考える上で注目すべき動きです。
 自治体キャラバン行動のまとめの会議で、住民団体の参加者からは、「昨年始めて要請した公立の小・中学校での学校教室へのエアコン設置が大きく進んだのが印象的。自然エネルギーや公契約条例、住宅リフォームでもかみ合った懇談ができるようになってきた」などの感想がだされていました。

教室へのエアコン設置を

 公立の小・中学校教室へのエアコン設置では 「H24年度中に行う」(野洲市)、「来年6月までに設置」(竜王町)、「今年は中学に設置。来年は小学校に」(多賀町)、「学校教室への設置は来年度完了」(愛荘町)、「H25年度完了を目指す」(東近江市)、「今年度に設置した」(近江八幡市)、「設置済み」(豊郷町)など、約半数の自治体で設置済み、あるいは予定しており、大津市も「検討を始めている」と回答しました。

日本のTPP参加問題で

 「市内損失は約50億円で問題」(近江八幡)、「農村景観や水資源など国土保全の立場からも問題」(米原)、「基盤産業の農業損失は推定42億円。現状では反対」(高島)、「町面積の54%を占める農地美田を守る」(甲良)、「工業面もあるが反対」(多賀)など反対多数。県南地域も「慎重を求める」など意見が出されました。

子ども子育て新システムは

 今回のキャラバンでは全体的に、「まだ中間段階の報告しか出されていない。全容が明らかになっていないので、国の動向を見てから対応したい」など国の動向しだいという消極的な姿勢が目立ちました。
 その中で、野洲市の山仲市長は、「安心安全が行政の責務。民営化方針を改め、平成27年度までに公営のこども園を5園建設し、正規保育士の増員を図る。学校給食は直営を堅持したい」と回答しました。

再生可能な自然エネルギーの促進を

 「小水力の試算結果はマイナスのため、当面太陽光の利用を促進したい。キロワット当たり市独自に2万円の商品券を助成」(東近江)、「新しい公共施設等に太陽光を検討」(米原)、「福井原発の再稼働は反対。太陽光パネル助成が100件を超えた。今後は町内約6000世帯中1000件を目指す」(愛荘)、「市民と協同で市内通貨の収益を利用して、自転車置場の屋根や琵琶湖畔に太陽光パネルを設置している。住宅の断熱効果事業への助成も推進」(野洲)、「CO2削減と絡めて、低燃費車購入者を対象に軽自動車税3年間免除。消費電力の少ないLEDに取り替える場合、半額を助成(上限は3千円)」(竜王)、「庁舎の古いエアコン等を熱効率の良い物に取り替え、35%電力消費を抑えた」(日野)、「小水力の試算をしたところ、実現可能と判断。予算や水利権等の課題は残る」(甲良)、「市が掲げる【縁の分権改革】で、太陽光の市民共同発電所を市内3か所に設置」(湖南)など、積極的な回答が得られました。

秋季年末闘争
「現給保障の継続、不利益不遡及」などで前進

 2011春闘の結果、民間の賃金水準が引き上げられているにも拘らずマイナスの給与改定と、これを4月に遡及して適用するとともに、05年の給与構造「改革」時に約束された「現給保障」の廃止まで迫る人事院勧告のもとで進められている秋季年末闘争で自治労連の各単組の奮闘が続いています。
 大津市労連は、11月16日の交渉で、@マイナスの給与改定を4月に遡及しない。A「現給保障」の制度は存続させる。B嘱託職員の給与を改善する。C55才超の1・5%減額は実施しない。などの回答を引き出しました。特に嘱託職員の給与については、全ての嘱託職員の報酬を大幅に引き上げさせると共に、児童クラブ代表指導員について報酬月額に新たな加算を勝ち取りました。
 日野町職でも@マイナスの給与改定を4月に遡及しない。A「現給保障」の制度は存続させる。という回答を引き出し、また近江八幡而職でも給与改定を4月に遡及しないを確認しています。
 滋賀県職・県職労連では、当局の財政事情を口実にした「独自カットの拡大」の提案に対して、職場集会や「怒りの声」を組織する運動を通じて、「労使合意を図ることに最大限の努力を尽くす」とした総務部長の回答を引き出し、12月以降の「再交渉」を確認して、「独自カットの廃止・地域手当の引き上げ」などの要求前進をめざした賃金交渉を継続させて奮闘しています。

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東近江の西沢市長
地労委の和解協定書に反し実質的協議を拒否
東近江・臨時嘱託支部の就労と補償問題で

 昨年3月末に東近江市が長年勤めた嘱託職員らを解雇。その際の団交に市長が出席せず不誠実交渉を繰り返したとして、滋賀自治労連・東近江ユニオン臨時嘱託職員支部が不当労働行為事件として申立、県労働委員会で争われてきました。
この事件の和解が8月1日に「組合と市長が組合員の就労と補償問題で直接協議する」ことを確認して成立しました。
 和解にもとづく協議が、11月9日18時から19時半まで行われ、市から西沢市長、代理人(弁護士2人)などが出席。組合は、解雇された組合員6人と松本県自治労連委員長ら役員4人が出席しました。
 市長は、協議冒頭で組合要求の就労あっせんや退職金などの補償は出来ないと回答し、「今日は而責任者として直接回答し説明するために協議に出た」などと発言し、「説明だけでは協議にならない」と組合が主張すると、「和解書には協議の上、結論を出すなどとは書かれていない」「現在、訴訟で係争中でありこれ以上発言できない」などと和解書の「協議」を実質的に拒否しました。
 組合は、和解内容をねじ曲げる西沢市長の信義違反に抗議し、今後もたたかう決意を固めました。

滋賀自治体管理職ユニオンが定期大会

 県や市町で働く管理職員でつくるユニオンの第9回定期大会が、11月18日に草津市内で開かれました。大会では、「地域主権改革」や公務員制度改革などのもとで地方自治と住民福祉を向上させる諸課題の取り組み、組合員間の交流を深める活動方針を決めました。またユニオン発足以来、活動を享見てきた山口剛委員長(大津市)と鈴木雅信書記長(豊郷町)が勇退し、新役員を選出しました。
【新四役紹介】
委 員 長  今村浩三(栗東市)
副委員長 中江靖浩(東近江市)・高岡良三(日野町)
書 記 長  古道清(日野町)
会   計 林秀一(近江八幡市)

みんなの声

◎ 最近我が家の屋根に太陽光発電システムを設置しました。環境にやさしい生活をめざして、がんばりたいと思います。
    (深尾佳奈女・自治労連近江八幡市職)
◎ 先日、研修で長浜市を
訪れました。資料と共にいただいた観光マップには、まだ行ったことのないすてきな場所がたくさん紹介されていました。今度はぜひ、プライベートで、ゆっくり楽しめたらいいなぁ…と思っています。
    (斉木真奈美・要東市職)
◎ 1年中、行事に追われているような気がします。けれど、ひとつひとつの行事をこなすのに精一杯で心から楽しんでいないようにも思います。もっと子どもたちとの時間を大切にクリスマスも、お正月も、その他次々やってくる行事を楽しみたいと思います。
    (津田礼・大津市労連)
◎ 11月に入ってあちらこちらで文化祭がはなはなしく開催されています。出品作品を見てすばらしいできはえにびっくりしています。
    (藤居千代・日野町職労)
◎ クロスワードパズルいつも楽しみにしています。気分転換にちょうど良いです。
    (荒川真美・甲賀社協パートヘルパー分会)
◎ 前回の当選で戴いた図
書カードで、醗酵を題材にした漫画本を購入しました。現在、「ふなずし」の歴史について研究していて、今夏、初めて実際に「ふなずし」も漬けました。できあがりが楽しみです。
    (櫻井信也・滋賀自治体一般ユニオン)
◎ 県ではまた地方機関の再編が行なわれます。近年再編が繰り返されていますが、本当に良い方向にむかっているのか不安です。
    (西本新・県職)
◎ ボランティアで市民検診の受付を手伝いました。普段顔を会わす機会があまりないのですが、この日は一度に4人も同級生に出会いなつかしく、同窓会気分でした。
   (久田恵美子・県職)