しがの仲間 202号

第33回自治労連定期大会
住民本位の震災復興と公務労働の重要性を確認
  労働協約締結権の回復に相応しい組織と運動の強化を進めよう
  この秋、公務員制度・定年制度・賃金カット阻止で大きな運動を


 第33回自治労連定期大会が8月20から23日まで静岡市で開催されました。滋賀からも県職・大津・栗東・近江八幡・日野・豊郷・栗東文体などの各単組から事前大会も含めて延べ30人が代議員として参加しました。
今年の大会では、東日本大震災の復旧・復興に向けた各地の取組みや福島原発事故を受けて「脱原発と自然エネルギーへの転換」を求める各地の運動の交流と討論が活発に行われました。また、民主党政権が進める国の責任を地方に転嫁する「地域主権改革」を許さない闘いや、公務員賃金・一時金の「カット法案」の廃案をめざす取組み、さらに「労働協約締結権」を踏まえ労働組合の質・量共の強化についても各地・各単組の豊かな経験交流が行われました。
 また、自治労連運動の強化・拡大の取組みについても、自治体や関連職場に働く臨時・嘱託職員の新たな組合作りや市立病院が丸ごと自治労連加盟を実現した取組みなど、各地の豊かな運動の経験交流を通じて組織拡大の運動を励ますものとなりました。
 滋賀自治労連からは、原発に頼らず、自然エネルギーへの転換を求める運動として「福井原発の再稼動の中止を求めて仮処分申請を行った住民運動についての報告」と、「公共サービスに対する国の責任をあいまいにし、規制緩和と権限委譲で市・町の業務を一層拡大する地域主権改革に対する取組みや、国の出先機関の原則廃止と関西広域連合等への委譲問題について、自治労連の更なる運動の強化を求める」発言を行いました。
 滋賀自治労連の各単組も、今大会を通じて各地・各単組の経験に学び、この秋の賃金確定の闘いや住民・職場要求に実現の運動に力を注ぐ決意を新にする大会となりました。

解説
 原発再稼動の禁止などを求める仮処分の申し立ては、全国で初めて、原発立地県以外で行われました。再稼動の禁止を求める仮処分のこの申し立ては、現在、定期点検で停止中の関西電力の原発7基を対象にしたもので、その申請理由で一度「事故が起これば、琵琶湖が放射能汚染で壊滅的な打撃を受け、」関西の人口の4分の1が飲料水を失い、「健康被害は計り知れない」とし、「本訴の確定を待っていては、大地震で取り返しのつかない被害を受ける恐れがある」と述べています。
 再稼動を差し止めることができれば、「全国全ての原発が来春までに定期点検に入り停止できる」と弁護団長の吉原氏が話しています。【滋賀民報が報道】
 原子力保安院が発表した福島原発事故で放出された放射性物質は広島型原爆の168倍。「福島原発事故直後、メルトダウンを起こした原子炉の核物質が再臨界状態になった」というアメリカのNRCが発表したデータはそれを裏付けています。それがまだ収束のめども立たず、汚染水を増やしながら冷やし続けなければなりません。政府の発表では、立ち入り禁止区域では、除染しなければ20年は立ち入ることもできないといいます。
 こうした事故を未然に防ぐには、原発を止めるしかありません。そういう意味では、この「原発再稼動の禁止などを求める仮処分の申し立て」は、原発から脱却し自然エネルギーへの転換を進める上で大きな意義があります

保育を壊す新システム

 現在、保育所の人員配置や施設面積などは、国の基準により定められています。これを廃止してしまう法律が、2011年4月28日の参議院本会議において、日本共産党以外の賛成で可決・成立しました。その結果、来春からは国の保育基準がなくなり、都道府県や政令市、あるいは中核市の各条例に委ねられるようになります。
 滋賀自治労連は、「待機児童の急増は、規制緩和による詰め込みが限界に達している証であり、保育所不足が最大の原因です。今の基準では、食べる、遊ぶ、寝る、の全てが一室で行われている状況で、子どもたちが折り重なるように昼寝をしている保育所も少なくありません。このように諸外国と比べても劣悪な最低基準を、更に引き下げることが可能になるような地方の基準づくりを認めるべきではありません」と、コメントしました。
 なお、栗東市職員組合は、9月9日夕、京都華頂大学の藤井伸生教授を講師に新システムの学習会を開催します。詳しくは滋賀自治労連までお問い合わせ下さい。

原爆投下から66年、核廃絶を求め走る・歩く

 新日本スポーツ連盟や滋賀自治労連なども参加する『滋賀反核平和マラソン・ライダー・ウォーキング』は、毎年8月6日か9日の炎天下で開催されます。これは、「広島や長崎の原爆犠牲者を追悼し、灼熱の炎の中で息絶えた人たちの思いや苦しみに少しでも近づこう。そして、平和の大切さを訴えて走り続けよう」との思いから始まりました。長崎に原爆が投下されてから丁度66年を迎えた9日、反核平和や脱原発を願う市民らが県内外から多数参加。午前9時に長浜市役所を出発し、一路滋賀県庁を目指しました。
 道中、マラソンとライダーは別々のコースに分かれて、各自治体に「反核平和」と「脱原発」を要請。マラソンの一行は、『原爆の火』を今に伝える『本覚寺』(彦根市)に立ち寄り、平和への願いをこめて献花しました。午後5時過ぎ、マラソン、ライダー、ウォーキングの参加者たちは県庁で合流し、反核平和や脱原発の推進などを県に要請しました。

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人事院勧告は9月中下旬、現給保障廃止など表明
被災地はじめ全国の職員の奮闘に応える勧告を


 公務労組連絡会は8月24日、夏季重点要求の実現を求めて、人事院と交渉しました。
 交渉では、公務労組連絡会の野村議長(自治労連委員長)が「被災地をはじめ全国の公務員は、被災者救援、震災の復旧・復興にむけた業務をつづけており、職員の奮闘に人事院がどのように応えるのかが今年の勧告では求められている」として、民間との較差是正にとどまらない賃金改善にむけた積極的な検討を求めました。
 人事院は、8月10日に民間賃金実態調査が終了し、今後、集計作業を進め出来る限り早く勧告を出せるように努力していくこと、官民較差にもとづいて給与・一時金、手当の改善の検討をしていくとしました。この中で、「給与・一時金については、厚生労働省が7月28日に発表した春季賃金改定の状況では、定期昇給分をふくむ賃上げ率は1.83%であり、昨年からほぼ横ばいだ。他の調査をみても、対前年比で-0.01%〜+0.02%となっており、全体的に見ると、定期昇給を維持し、ベアはゼロといったところがうかがえる。いずれにしても月例給、一時金ともに、民間給与実態調査をふまえて判断することとなり、現時点では具体的な話はできない」と回答しました。
 一方、05年度の給与構造見直しにともなって継続されてきた現給保障措置は、来年4月で廃止するとの考えがのべられ、実質的な賃下げにつながることからも、交渉参加者からは引き続き存続を求める声が集中しました。

自治体非正規労働者を守る!! 不当労働行為事件

 高島市職員課主監が証言
 高島市が平成22年3月末に長年、勤めてきた臨時職員168人全員を解雇しました。派遣切りが社会問題となる中で、自治体非正規労働者の全国的にも例のない雇止め事件として注目されました。解雇された滋賀自治労連・自治体一般ユニオンの高島市臨時嘱託職員支部は、不当解雇に対して、大津地裁へ提訴するとともに滋賀県労働委員会に対して、解雇前の2年間の団体交渉が不誠実交渉であったとして救済申立をしています。
 8月11日は、当時の高島市職員課主監に対する証人尋問が行われました。主監は、臨時職員168人を一斉解雇した背景に、複数年勤務した臨時職員の年休加算がされていない問題を組合が労働基準監督署に申告して、その結果、是正勧告指導を受けたことを示唆しました。また、臨時職員の複数年勤務を「再度任用」の手続きで可能とした平成21年4月の総務省通知ついても、「通知には臨時職員は含まれない」などとする高島市独自の間違った解釈を行い、そのもとで解雇が強行されたことも明らかになりました。市職員への証人尋問後、県労働委員会は和解解決に向けた提起を労使双方に行いました。

東近江市との和解成立
 東近江市が平成22年3月末に長年、勤めてきた嘱託職員を解雇した事件の県労働委員会における不誠実交渉を原因とする申立に対する和解が、8月1日に成立しました。和解によって、解雇と補償を議題とする西沢市長出席による労使の話し合いが改めて行われることになりました。しかし、大津地裁に損害賠償請求などを求めた事件は係争中で、自治体の非正規労働者の権利と働く尊厳を守るたたかいとして注目されています。

日野町反核・平和のつどい、原発問題で額集会も

 4日夕刻、日野地区労や日野町職労も参加する実行委員会主催の2011年『日野町反核・平和のつどい』が開催され、地域住民や自治体職員などが多数参加・交流しました。
 第一部では、夕日に染まる茜色の空の下、非核平和の塔が立つ松尾公園で開会行事が行われ、日野町長、原水協、高教組などから祝辞や決意などが表明されました。開会セレモニーの後は、反核平和を願うミニコンサートとパネル展が林業センターホールで開催され、参加者たちは「青い空」・「憲法9条の唄」などを口ずさみつつ反核平和への思いを馳せました。
 第二部では、原子力問題住民運動全国連絡センター事務局長の柳町秀一さんを講師に、現在、国民的関心事項になっている原発問題の安全性をめぐる講演会が公民館で開催されました。夜8時から10時までの遅い時間での開催でしたが、積極的な質疑が多数飛び交い、原子力発電所の危険性が改めて認識された学習会となりました。

ハッピーサマーナイト

 大津市労連は8月5日 、組合員の交流企画、「ハッピーサマーナイト」を開催。35名の参加で美味な中華料理とイントロクイズ、本日のイケメン・イケガールコンテストなど、多彩なゲームで大興奮。暑さや疲れを吹き飛ばす一夜となりました。