しがの仲間 194号
見えてきた滋賀県内のすがた

2010自治体キャラバン 県民要求実現の運動

 10月25日から11月5日にかけて取り組まれた「2010年自治体キャラバン」が終わり、県内の状況が見えてきました。県民要求実現に向けて、今年も良いキャラバンが出来ました。関連して、滋賀自治労連は独自に「自治体に働く臨時・嘱託職員の雇用条件等に関するアンケート」を作成し、各自治体に協力を要請して来ました。拡大する自治体非正規労働者の労働条件や、千葉県野田市で既に導入されている『公契約条例』に関する内容で、来月中旬を目処に集計をまとめる予定です。以下、懇談された主な内容を報告します。
教育  学校の耐震では、ほとんどの自治体で完了または推進中でしたが、その一方でエアコンの設置については、大きな自治体になるほど予算が大きな障壁になっていることが明らかになりました。県立高校統廃合問題では、賛成する自治体はなく、安易な統廃合に批判的な声と、県の動向を見守るという意見が集中しました。
農業  米価暴落と輸入自由化の問題について、「国の動向を見守る」という意見と「国に要望や意見を申し入れる」という意見に分かれました。地産地滑については、既に多くの自治体の学校給食等で実施・拡大されています。
地域経済  住宅リフォーム助成金など地域経済興しでは、8500万円の予算を組んで実施した近江八幡市を始め、長浜市、彦根市、高島市、豊郷町などで実施・延長された反面、以前は実施していたが現在は実施していない、あるいは今後の検討課題と回答する自治体もありました。また、ユニークな一例として、竜王町では「町プレミアム商品券」を発行して地域経済活性化を図っています。
医療  小・中学生の入院費無料化を既に実施しているまたは今後検討する自治体が約半数を占め、ワクチン(子宮頸がん・ヒブワクチン・小児肺炎球菌)の補助金創設については、既に導入している長浜市や豊郷町を始め、「県内の動向を見て前向きに検討する」という自治体が半分弱でした。今後の運動次第といった感じです。
地域主権改革 「国の動向を見てから」という意見は少数で、「国には責任がある」(大津市)、「人材が確保されなければ困る」(高島市)、「権限だけではなく、財源確保も求める」(彦根市)、「一律の押し付けで財政基盤が満たされなければ困る」(長浜市)、「地域間格差の拡大が心配。交付税確保を要請」(米原市)、「ナショナルミニマムは重要。財源と仕事で要望」(守山市)、「社会保障は国の責任で行うべき」(日野町)、「財源と定員数で懸念」(竜王町)、「基礎自治体の現状を踏まえた権限移譲と地方交付税の堅持を求める」(豊郷町)といった不安の声が多数を占めました。

自治振興課長交渉
滋賀自治労連秋期年末要求
 滋賀自治労連は11月24日、「2010年秋季年末統一要求書」にもとづく県自治振興課長交渉を、賃金、労働条件、非正規雇用の問題を中心に行ないました。主なやり取りは次のとおりです。
【組合】賃金、労働条件は自治体の労使交渉を尊重せよ。
【課長】公務員賃金は地公法24条にもとづき生計費原則、近隣団体との均衡などをもとに決るが労使交渉が尊重されるものである。こうした立場から県として適切に助言している。
【組合】安心して働き暮すために生計費の原則がもっとも重視されなければならない。
賃金、労働条件で県から市町へ過度の助言などがされないよう強く申入れる。
【組合】独自の賃金カットを止めるよう市町に助言すること。
【課長】賃金カットは首長の判断でされている。財源不足を理由とする賃金カットは正道ではないと考える。税財源の充実など国に対する働きかけが求められている。
【組合】財政制裁をもとにした地域手当の引き下げ押しっけはしないこと。
【課長】特別交付税などを利用した財政制裁はあってはならない。県も国に申し
上げている。
【組合】自治体に働く非正規労働者の賃金・労条件改善と安定した雇用対策をとること。
【課長】賃金、労働条件は4月の総務省通知などを踏まえて、類似団体の初号俸適用、通勤手当支給など適切にされなければならない。
【組合】時給⊥000円の要求は生活保護費との比較においても低い要求だ。自治体ワーキングプアをなくすため県として自治体に働く非正規職員の実態把握を行なうとともに、改善にむけた県独自の研究会も立ち上げるよう要請しておく。
【組合】今年の4月に高島市は168人の臨時職員をいっせい解雇したが、背景に昨年4月の総務省通知への不理解があった。この総務省通知は、通知文の標題を読んで字のごとく臨時職員も含まれるということではないか。
【課長】…(臨時職員も対象となることについて組合の主張を肯定)…【組合】同じような解雇騒ぎがおきないよう市町への助言を徹底してほしい。

地域手当10%、遡及削減なし、など
勝ち取る賃金確定闘争

最終盤まで粘り強く奮闘

 賃金確定闘争の終盤になりました。県職員組合は各支部での昼休み集会、高教組などを含め5千名を超える署名を集め、職場の怒りを結集しながら交渉を重ね
てきました。
 これらの取組みの結果、青年層に押し付けられようとしていた昇給運用の改悪を撤回させたほか、休暇制度などでいくつかの貴重な前進も勝ち取りました。賃金カットや地域手当については、職員に「新たな負担を課さない」を基本に交渉が続けられています。
 大津市労連は交渉などを重ねるなかで、地域手当10%、遡及削減なし、中途採用者の主任昇任基準の改善、臨時嘱託職員の病気休暇対象者の拡大、保育園臨時用務員の嘱託職員化の方向など成果を勝ち取りました。
 日野町職労など遡及削減はさせなかった、賃金カットを止めさせたなど成果を上げています。

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フットサルで交流
 滋賀自治体共闘は11月19日、自治体労働者フットサル大会をラフォーレ琵琶湖フットサルコートで開催しました。県職、栗東市職、草津市労連、自治労連近江八幡市職、和歌山の橋本市職の5チーム40名が秋空の下、リーグ戦10試合の熱戦を繰広げ、交流しました。仕事のことも、歳も忘れて、フットサルを楽しみ、優勝は県職チーム、準優勝は近江八幡市職チーム、3位は栗東而職チームで、全参加チームに豪華且膏翠か贈られました。

「地域主権改革」で公的保育なくす勤き
すべての職場・地域で学習会を

 「保育所ふやして待機児をなくしてほしい」「誰もが安心して子育てできる環境を」という要求は住民の切実な願いです。また、子どもたちに豊かな保育と、安心して仕事に専念できる保育の職場環境は、保育士の願いです。
 しかし民主党政権のもとで、「子ども・子育て新システム」が検討され、国と自治体が責任を持つ福祉から保育を外し、保護者の自己責任で事業者と契約する「託児サービス」に変質させる内容が検討されています。福祉から保育を外す動きは、「地域主権改革」にあります。
 「地域主権改革」は、地方への権限委譲などをかかげていますが、端的にいうと国の役割を軍事や外交等に限定し、社会保障などは、企業が参入しやすいように市場化したうえで、自治体と住民に丸投げするものになっています。そして、社会保障の市場化の一番手に、保育・子育てがあげられています。
子ども・子育て新システム 「新システム」による自治体の仕事は、児童福祉法によるこれまでの「保育に欠ける子ども」を保育所に入所させなければならない義務から、「保育の必要度の認定と、保育や子育て予算を分配するだけ」に変わります。また「新システム」は、認定された保育時間を超える保育や給食費は全額自己負担にする方向を示しています。保護者の収入格差によって保育が決ります。
 保育の安心・子どもの未来のため、保育の公的責任を守れ!の運動をおこしましょう。

みんなの声

◎民間より安い給料なのに、どうしてマイナス勧告がでるのか、良くわからない。
    大石祐嗣(県職)
◎4ケ月の子供の泣き声で4時に起こされますが、その後の笑顔に一日のエネルギーをもらえます。我が家の太陽です。ちょっと早起きですが…。
     河合貫至(要東市職)
◎あっ〜い夏が終わったと思ったら、あっという間に冬の足音が聞こえてきました。今年も後わずか。年々、一年が短くなります。
     渕上真理子(大津市労連)
◎気候が不順で、風邪をひいてしまいました。やっぱり元気が一番!身体をきたえて冬にそなえます。
     山中和美(日野町職労)
◎もうすぐ団体交渉があります。人数の少ない組合ですが、自治労連さんに助けて頂き、前進できる事を願います。
     瀬古春美
    (水口社協パートヘルパー分会)
◎エコ生活甲でママチャリ物色中です。上の子供2人が、自転車に乗れるようになったからなのですが、安いのは1万円〜。普通のタイプが2万円くらい。
ちょっと良いのは3〜4万円。微妙な価格差に決められず、迷っています。
    小野真二(大津市労連