しがの仲間 第192号

働く者と地域経済に多大な打撃2010人事院勧告

矛盾だらけの不当な人事院勧告
 人事院が8月10日に行った2010勧告は、2年連続の「トリプルマイナス勧告(基本給▲0.19%、56才以上▲1.5%、一時金▲0.2月)という不当な内容です。不当勧告に対する怒りが職場に広がっていますが、改めて勧告の問題点や不当性について見ておきたいと思います。

第1点 民間の賃上げを反映しないマイナス勧告

 今年の民間労働者の賃上げの状況は、左表は、今年の春闘結果を各集計団体毎
に賃上げ額、率を示したものですが、何れも1.5〜1.9%程度の賃上げとなっています。この賃上げ率には、定期昇給分が含まれますから、国家公務員の定期昇給率‖%を差し引いたとしても、0.4〜0.8%程度の賃上げとなるはずです。人事院の▲0.19婆というマイナス勧告は、民間の賃上げ状況を反映しない、政治的な圧力に基づくマイナス勧告という不当な内容といえます。さらに、今春闘での民間の「一時金.ボーナス」の平均妥結状況は、年4.39ケ月(連合平均)で、0.2ケ月のマイナス勧告は民間の状況を正しく反映しない不当な勧告です。

第2点 年齢による賃金カットと合わせた不当なW削減

 56歳以上の年齢によってのみ「1.5%の賃金カット」という手法は、役職や資格が同じであれば同一給料という「職務給の原則」に反するものです。また、賃下げの給料表を勧告した上に、さらに年齢でカットを加えるW削減は、各自治体が実施している「独自カット」と同じ手法で、公務員の給与決定制度からも違法不当なやり方です。さらに、人事院が主張する「民間で実施」という口実も、民間企業の僅か16%でしか実施されていません。

第3点 矛盾だらけの「不利益遡及」

 給与構造改革で現給保障を受けてきた人も含めて「年間調整」と称して、過去にさかのぼって給与を減額する「不利益遡及」という不当な勧告を行いました。しかも、遡及の内容も、俸給法のマイナス分と56歳以上のカット分の総額をマイナス改定された職員と現給保障者で全て返還させる仕組みで、0.28%という遡及返還率の数値も、その仕組みも全く不当で、正当性のないものです。「不利益遡及」を実施させないことが重要です。

第4点 株安.円高の中、地域経済をいっそう疲弊させる

 今回のトリプルマイナスの勧告では、まだ下げ足りないと民主党政権が「勧告を上まわる賃下げ」を検討しています。しかし、株安.円高が進行し景気の先行きが厳しくなっている中でのマイナス勧告や勧告値切りはいっそう国内消費を減退させるものです。
 この10年間で61万円もの賃下げ、さらに9.4万円もの賃下げは、地域経済にも、そして職員のモチベーションにも深刻な影響を与えるものです。

2010賃上げ状況   賃上槙(円)   賃上率(%)
春闘共闘集計        5,771     1.89
連合集計           4,805     1.67
厚生労働省集計      5,516     1.82
日本経団連大手      5,886     1.86
日本経団連中小      3,824     1.52
人事院勧告         ▲ 757   ▲0,19

人事院勧告の概要
■ 平均年間給与
    ▲9.4万円引き下げ
■ 官民格差
    ▲0.19%(757円)
■ 56歳以上、かつ行一6級以上1.5%カット
■ 一時金0.2ケ月引き下げ、年間3.95月
■ 0.28%の率で「不利益遡及」、12月の一時金で返還
■ 月60時間超の超勤算定に日曜を算入

自治労連第32回定期大会 in広島

 自治労連は8月21日〜24日にかけて、第32回定期大会を広島市内で開催。濫費から31名が参加しました。
 大会初日の昼休みには、「保育の民営化を許さない運動」と「核兵器の廃絶を目指す運動」の先頭に立つ広島市職らしく、「子どもたちへの想い」や「平和への願い」をこめた唄と踊りで、全国からの参加者たちをもてなしました。
 また、二日目の昼休みには、元広島自治労連副委員長の免田裕子さんから、「自らの戦争体験」と「労働組合への想い」が切々と語られ、「(核兵器廃絶の)バトンは渡し ましたからね」と、参加 者たちを優しく包み込み ました。
 新規加入組合の承認で は、7単組85人が新たな仲間として満場の拍手で迎えられました。三日間の大会を通じて、70名の発言があり、滋賀からも2名の代議員が発言しました。
 大会2日目、滋賀県職の藤本さんが、「組織拡大」と「繋がり作り」を目指した新たな取り組みとして、「独身者交流会」について報告しました。手探りで始めた「交流会」ですが既に3回実施し、軒並み好評と組織拡大への期待を語りました。「今後、組合に加入した職員が素敵な出会いに恵まれ、ゴールインするカップルが誕生することを願っています」と、夢のある内容でした。
 大会3日目には、滋賀自治労連の松本委員長もマイクを取りました。「知事選後の県の行革方針は、6月に管内閣が打ち出した『地域戦略大綱』をそのまま県版に移し替えたような中身だ。義務付け.枠付けの見直し、権限移譲が推進されて行けば、地方では仕事は増えるが財源は確保されない。過去の三位一体改革が再び全ての自治体に押し付けられる危険性がある」と警鐘を鳴らしました。また、滋賀県職を含めた7府県職会議が、全国知事会の事務局とこれらの問題や消費税増税の問題で懇談をしたことが報告されました。そして、滋賀自治労連では、10月の自治体キャラバンでは、この地域主権改革の問題を正面に据えて推進して行くと述べました。

-------------------- 2面 ---------------------

反核・平和マラソン・ライダー・ウォーキング 平和への誓い新たに8月9日

 毎年恒例の「滋賀反核平和マラソン・ライダー・ウォーキング」を8月9日、滋賀自治労連、滋賀県労連、新日本スポーツ連盟などが参加する実行委員会が開催しました。
 早朝の長浜市役所前では、マラソン参加者とライダー参加者の合同出発式が行われました。その後、マラソンは、彦根市役所→本覚寺→近江八幡市役所→野洲市役所→守山市役所→草津市役所を経てパルコ前を目指し、ライダーは、米原市役所→豊郷町役場→東近江市役所→日野町役場→甲賀市役所→栗東市役所→大津市役所を経てパルコ前を目指しました。
 両者は予定通りパルコ前で合流しました。一方、JR唐崎駅前広場を出発したウォーキングは、大津航空隊跡→旧大津海軍航空隊→大津市役所→大津陸軍飛行兵学校跡を経て、同じく滋賀県庁を目指しました。
 午後5時、マラソン、ライダー、ウォーキングの三者は定刻通り県庁前で合流し、無事に閉会式を迎えました。ゴールの滋賀県庁はもちろん、途中で立ち寄ったすべての自治体では、反核平和の要請文をランナーが朗読し、自治体当局に手渡しました。これに対し、各首長からは、それぞれ温かい激励のメッセージ等が寄せられ、毎年恒例のこの取り組みを、今年も大成功で終えることが出来ました。
 道中、手を振って声援してくれた人々と子供たちの笑顔。あるいは、マラソン初参加の若者の笑顔と大健闘。そういった宝物が爽やかに光る、素晴らしい反核平和マラソンでした。


滋賀自治労連 突撃インタビュー

井沢 多郎(いざわたろう)35歳。京都生まれで大津市在住。栗東市役所 入庁七年目。二児の父。趣味はフットサル。大好物は『海ぶどう』。おきプロで出会った衝撃と感動が、末だに忘れられない

Q組合加入のきっかけは
 職場に入って人脈を広げるためにいい機会だと思い加入しました。仕事だけでは作れない人間関係が出来たのが嬉しいですね。
Qこの仕事(電算)の楽しい時ってどんな時ですか?
 もちろん、他の職員さんの笑顔が見れた時ですね。私の仕事は部分じゃなくて全体を見る仕事ですから、失敗するとしっぺ返しも大きいんです。だからこそ、上手くまとめ上げた時は達成感がとても大きいですね。
Q組合をやっていて良かったと思うことは?
 様々な人との出会いです。
Q新採職員や若い世代へのメッセージをお願いします
 自分自身が心がけていることは、「やらない後悔より、やって後悔すること」です。新しいこと、知らないことに直面すると、尻込みして行動出来ないことは誰にでもあると思います。そんな時は、この言葉を胸に、まず行動することを心がけています。その場に留まり思い悩むより、自分が行動することで状況が打破される。新たな視点・考え方が見えて来ると信じています。結果が芳しいものでなくても、自分が決断して得られたものなので、気持ちの切り替えがスムーズです。そう考えるだけで、前向きな気持ちが持てる自分を良しとしています。
Q将来の夢は?
 家族ともども健康でいられることですねー・

みんなの声

◎またまた基本給や手当が減給になるとか。市民のため心身共に懸命に働いているというのに。とはいえ、仕事を辞めるわけにはいかず、不満はつのるばかりです。
 津田礼(大津市労連)
◎今年の夏は本当に暑いです。おかげで自宅のエアコンはフル稼働。ついでに電気代もウナギのぼり、早く秋がきてほしいです。
 白井宏明(大津市労連)
◎反核のつどいも雨でした。日野町では、レトロな街で昔の道具など店先に展示しています。是非、日野町へおこし下さい。
 藤居千代(日野町職労)
◎今年初めて支部の魚つかみ大会に参加しました。子どもたちは大ハシャギで、又来年もと言っていますので来年もヨロシクお願いします!!
 大石祐嗣(県職)