しがの仲間 190号

国も地方も政治変えよう

 滋賀県知事選挙と参議院議員選挙は、7月11日投票です。昨年8月の総選挙後、鳩山内閣が退陣して民主党連立政権はじめての国政と、知事選挙となります。今回の選挙の争点を探ってみました。

◎日本国民だけ貧しくなった10年間

 「強い企業を育てれば日本経済は強くなり、いずれは家計や中小企業にも及んでいく」といって、大企業への税制優遇や雇用の規制緩和などが行われました。この「構造改革」路線の結果、大企業は史上最高益を更新し、一九九七年から二〇〇七年までの10年間で大企業の内部留保(溜め込み利益)は142兆円から229兆円に1・6倍増加しました。
同じ期間、雇用者報酬は6・7%減り、日本の国内総生産(GDP)の伸び率はわずか0・4%でした。
 世界の主要7カ国(G7)で、他の6カ国は雇用者報酬を2割から7割増やし、GDPは3割から7割増やしました。先進国の中で、日本だけが経済成長の止まった国、国民が貧しくなった国なのです。

◎大企業は社会的責任を果たせ

 一昨年末からの派遣切りや下請け切りが、景気悪化に拍車をかけました。大企業は、経費削減によって、収益を回復しつつありますが、失業や中小業者の経営は、深刻な状況が続いています。派遣法の抜本改正が焦点となりましたが、国会提案された政府の改正案は、派遣労働をなくすのではなく固定化させる大穴法案でした。(派遣切りされた労働者は近畿最高の6080人。有効求人倍率も最低レベルの0・46倍。大型小売店が近畿で最高となり、小売店舗は廃業が続いています)

◎大企業の過剰な内部留保を労働者・国民にまわせ

 いま必要なことは、労働者を安上がりで使い捨てにする「労働者派遣法」を抜本改正し、「正社員が当たり前」の社会にすることです。大企業に雇用を守る社会的責任を果たしてもらうことです。大企業優遇税制を見直し、大企業の過大な内部留保を社会に還元することが必要です。そのことが、国民消費を回復させ、大企業の将来の利益にも繋がるのです。

◎大企業の負担は重くない

 財界は「日本の法人税率は高い」と主張しています。たしかに表面税率だけをみると、日本は地方税を含めて約40%です。しかし実際の企業の負担は、研究開発減税や外国税額控除によって平均30%前後になっています。日本経団連会長の企業である住友化学の法人課税の実際の負担率は約16%です。
 企業の公的負担は税金だけでなく、社会保険料の事業主負担もあわせてみる必要があります。日本の大企業の税・社会保険料負担はフランス、ドイツの7割から8割程度です。
 大企業や富裕層に利益に応じた負担を求めることは、財政再建の上でも、経済の発展のためにも、格差を是正する上でも必要なことです

◎知事選で広域連合・道州制が急浮上

 今回の知事選挙の争点の一つになっています。知事選三人の主張は三様です。テレビ討論などで、現職は「広域連合賛成」、前自民県連会長は「道州制賛成」、県労連が推す「明るい滋賀の会」の前議長は「広域連合・道州制ともに反対」です。

◎滋賀県の福祉・医療・教育は

 県の乳幼児や障害者の福祉医療の予算削減が毎年、大きな問題となってきました。教育では、小中学校の「35人学級」実現と、高校の統廃合が知事選挙の大きな争点になっています。(乳幼児死亡率は滋賀県は全国のワーストワン。病院数も全国45位。小中学校の教育予算も全国43位です)

◎エーッ!?消費税10%増税

 国も地方も財政難。消費税10%増税が大きな争点になっています。民主、自民、多くの新党が増税派です。(消費税導入22年間で国民から集めた消費税総額は228兆円。これに対して大企業などの法人税減税などによる消えた税の減収額は約208兆円です)

公務員制度改革学習会

 滋賀自治体共闘は6月8日、自治労連柴田英二副委員長を講師に「公務員制度改革」学習会を開催しました。「公務員制度改革」は自公政権の憲法改悪・地方自治破壊、国の形を変えようとする流れの中から始まり、民主党政権も基本的に同じで、民主党の「地域主権」は地方自治を構造改革にさらすものであること。民主党の「地域主権改革」は憲法で保障する生存権に関わる行政サービスを地方に丸投げし、地域住民の自己責任とするものであること。財界が「究極の行政改革」として実行を迫る道州制を視野にすすめてられていることが最初に明らかにされました。改憲と結びついた「公務員制度改革」を許さず、民主的公務員制度と労働基本権回復の運動の具体化が必要であること。人事院勧告制度が廃止されたもと、労働協約締結権下でのたたかいの準備、組織強化拡大で職場を代表する労働組合をつくることが大切であることも話されました。大津市労連や草津市労連から人事評価制度のたたかいの報告がありました。

第21回自治体労働者滋賀県スポーツ大会・野球大会

 第21回自治体労働者滋賀県スポーツ大会・野球の部が6月17日・18日の両日、草津グリーンスタジアムで開催されました。
 大会には、大津市労連、草津市労連、栗東市職、近江八幡市職、日野町職の5チームが参加しました。第一試合で、近江八幡市職が日野町職を6対8で制しました。第二試合は、大津市労連が2対0で勝利しました。第3試合は、第一試合の勝者の近江八幡市職と草津市労連が対戦し、2対3で草津市労連が接戦を制しました。
 大会二日目は、大津市労連と草津市労連で優勝戦が戦われました。初回、大津が2点を先制し、3回裏には草津が1点を返しましたが、次第に雨足が強まり、5回雨天コールドで大津市労連が優勝しました。近畿大会には、大津市労連と草津市労連が出場します。

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選挙手当を削減するな 県に申し入れ

 参議院選、知事選の選挙事務に従事する職員等の投開票手当等について、「選挙執行経費基準法」の改訂を前提に、やむなく手当などの削減に組合は合意してきました。しかし、国会では法案は廃案になり、手当削減の前提がなくなりました。
 滋賀自治労連は大津市労連、栗東市職とともに、県において予算措置されている知事選挙執行経費の一部を市町に交付し、削減された手当等の経費に充当することを認めることを要求しました。
県自治振興課 積算について、経費基準法の考え方を基に県の単価・予算を組んでいる。国から何の連絡もない現状。国費がどのように下りてくるか分からない。
組合 改訂されていないのだから、現行法の立場で、実施すべきものだ。
県自治振興課 法案を放置したまま、参議院選挙に突入する、想定されないことが起こった。こんなことでいいのかと、問題意識は同じ。
組合 我々は労働条件に基づいて仕事に従事している。選挙事務は約20時間拘束される。要員が確保できなければ、どうにもならない。政府は経費削減のため、改訂を実施しようとしている。
県自治振興課 組合の思いはよく分かる。市町の職員のご苦労は重々によく分かっている。
組合 改訂法案が通っていないのだから、現行法に基づき、予算は是正すればいい。法に基づくのは当然であり、国に対して物申すべきだ。国との関係で返事を願いたい。

滋賀自治労連 突撃インタビュー

中澤 欣也(なかざわ きんや)
入所9年目。31歳。県立聴覚障害者センター職員。滋賀自治労連執行委員。大津市在住。趣味は旅行とギターや三線などの楽器演奏。大好物はシーチキンを使った料理。日々、手話通訳や生活相談担当として滋賀県内を走りまわっている。彼を慕いセンターを訪れる聴覚障害者は多い。

Q.組合加入のきっかけは?
 私の仕事は、生活上の困難を抱えた耳の聞こえない方を支援することですが、行政の方や専門家と連携していくことが大切だと感じています。いろんな業種の方が加入している組合に自分が参加することで、少しでも聞こえない人のことを知って頂き、交流出来ればと思って加入しました。ここまでは真面目な回答ですが、日頃学ぶ機会のないような学習会に参加出来たり、映画が安く観られたり、楽しみがたくさんあっていいですね。

Q.どうして手話を?
 幼い頃から手話というか耳の聞こえない方との出会いがありましたので、コミュニケーションをするのに抵抗はありませんでした。きちんと手話を学び始めたのは大学時代の手話サークルでしたが、活動しているうちにその延長線で仕事になった感じです。

Q.手話を通じて感じることは?
 「コミュニケーションは生きる権利」という言葉があります。聞こえない方の悩みを聴いていると、「病院で薬の説明が分からず飲み間違えた」とか、「地域の人と関係が上手く行かず、災害時に逃げ遅れて危険な目に遭った」など、コミュニケーションが命と直結していると感じています。だからこそ、私の仕事が少しでも聞こえる人と聞こえない人との橋渡しになればと思っています。

Q.組合に加入して一番嬉しかったことは?
 昨年6月のおきプロで嬉しいことがありました。初日の夜、お酒を飲みながらの交流の場で、ひょんなことから手話の学習会が始まりました。今まで自分の仕事を紹介しても聞き流されることが多かったのですが、酔っ払いながらも(笑)、みんなが一生懸命に手話を覚えてくれる姿に密かに感動していました。その後の行程でも、何故か?私には手話を使って話しかけてくれて面白かったです。手話を難しく考えるのではなく、それぐらい軽い気持ちからでも知ってもらえれば嬉しいです。

Q.障害者自立支援法が施設職員の賃金を圧迫?
 自立支援法の下では、利用者の状況によって施設の収入が変動するため安定した支援が出来ません。このため職員(特に非正規職員)の賃金が圧迫されています。

Q.今年の目標は?
 12月の那覇マラソンに出場し、前回は6時間掛かったので、5時間以内で走り切れるようにレベルアップしたいですね!

みんなの声

◎ 8月においっ子が誕生する予定です。自分に子どもがいないのでとても楽しみです。
   いまい あゆみ(滋賀県職)
◎ 6月からサマーエコスタイルとなり、暑がりの私としては、大変助かっています。
   竹内 青一(滋賀県職)
◎ 小1の息子と釣りを始めました。まだブルーギル釣りですが、いずれはブラックバスを釣って琵琶湖に貢献したいです。
   中山 智之(滋賀県職)
◎ ガーデニングが楽しい季節です。手をかけてあげると、ちゃんと応えてくれるように、ステキな花を咲かせてくれます。
   水口 静子(大津市労連)
◎ 雨ばかりで、草がぐんぐんのびて、草むしりが大変です。
   森 等(大津市労連)
◎ 今年はもう暑くならないといけない時季なのに寒く、作物の収穫、値段心配です。
   藤居 千代(日野町職労)