貧困・生活危機打開へ自治体キャラバン

 原油や穀物、原材料の高騰がつづき、次は世界的な金融危機が外需頼みの日本経済に深刻な影響を与えています。
 滋賀自治労連や民主団体で構成する県民要求実現実行委員会は、今年も10月20日から31日にかけて県下26市町(米原・長浜市は11月)をまわり、福祉・医療、教育、業者の営業、地方自治に関わる34項目を要請し懇談しました。
 市町では、どこでも事前の要望書の回答が用意され、特に今年は、物価高騰など住民の暮らしが大変な中で、立場は違っても「住民福祉では、一致できます」など、行政との対話がはずんでいます。
 多賀町では町長が、「子どもや人口が減っている。安心して子育てができる町づくりへ、来年度は中学生までの医療費を無料化したい」と表明しました。
 栗東市は、国保加入者などの特定検診の実施時期が、11月末までとなっていましたが、キャラバンの後、要請に応える形で、来年3月末まで延長されることが
明らかになりました。
 また高島市では、景気悪化のなかで、これまで商工会まかせであった事業者向け支援策などについて市独自で説明会を開いていることが紹介され、湖北地域の各町からは、長浜市と合併すると修学旅行費補助(小学生⊥万円、中学生2万円など)や、決め細やかな住民検診などのサービスがなくなる危険性があるなどの率直な意見もだされました。

 個人請願総行動で県に訴え37人が要項書を読み上げる

 個人請願法という法律があり、第5条は、「請願は、官公庁において、これを受理し誠実に処理しなければならない」とされています。
 この法律を生かしての県に対する総行動が11月6日に行われました。総行動は、県庁周辺を歩く昼休みデモで始まり、午後の請願行動には、785通の請願書が集まり、このうち37人が県の担当部局に対して、請願書を読み上げて手渡しました。
 滋賀自治労連からは3人が請願書を読み上げました。
 大津市労連は、来年4月からの中核市移行にともない県補助金の削減・廃止が予定され、中でも保育所関係予算について子育て支援や少子化対策から削減しないよう求めました。
 栗東市文化体育振興事業団職員協議会は、指定管理者制度の導入、活用にあたり、労働者の雇用および賃金や労働条件をしっかり確保し、サービスの質が低下しないよう監督、指導すること、医療・教育・文化など本来行政が直接その公的責任を負うべき施設については制度を導入しないことなどを求めました。
 また、滋賀自治労連・自治体一般からは、県内の小中学校給食が民間委託への流れが強まっており、行政から調理現場が見えず、給食の質の維持・向上に行政が、直接責任が持てなくなっていることを指摘し、学校給食法の「義務教育諸学校における教育の目的を実現するため」の趣旨にそった豊かな学校給食の実現を求めました。

生活と権利を守れ08年未闘争へ全力

 財政危機や物価高騰などの中で、自治体や関連職場で働く労働者の暮らしや健康もたいへんな状況になっています。基本賃金も県や日野町でカットが継続され、栗東市でも新たに賃下げ提案が予想されます。こうしたなか「生活と権利を守れ!」「働きがいのある職場を!」と、切実な組合員の要求を背景にした賃金確定の交渉が各単組で行われています。滋賀自治労連と、草津市労連などと構成する滋賀自治体共闘会議は、11日に草津市内で学習交流会を開くなど取組の強化をはかっています。(ウラ面に関連記事)

---------------------------------- 2面 --------------------------------

各単組が確定交渉−職場の声を総結集−

 08人事院勧告が8月にだされましたが、これをもとにした自治体の賃金・労働条件を決める確定交渉が11月より本格化しています。
(県職)県当局は、財政難と国の合理化介入に屈して、県職員のスト権剥奪の代償措置としての自らが設置する県人事委員会勧告も無視して、「人勧は実施しない」「賃金カット継続」「給与制度改悪」「リフレッシュ休暇廃止」などを提案。各支部で集会を開くなど、これを許さないたたかいを展開しています。
(大津市労連)17日に総務部長交渉を行い、来年4月から地域手当は9%(現行7%)へ、勤務時間15分短縮などの前進回答があり、一方で夏期休暇日数の削減提案(現行8日を6日に)がありました。
(栗東市職)財政再構築プログラムによって、人件費総額5%削減が出され、栗東市職は10月29日に全員集会を開きました。市職は組合独自の財政分析などすすめプログラム見直しを要求しています。
(日野町職労)11月11日の町長交渉で妥結。基本給3%独自カットは継続となりましたが、課長補佐級への任用、幼稚園担任の嘱託職員の基本給改善、職員採用、リフレッシュ休暇などで前進しました。
(豊郷町職労)10月10日に勤務時間短縮、退職にともなう職員採用などで町長交渉。現業職員1名の正規採用の回答をえました。
(彦根犬上広域行政職労)11月7日から勤務時間短縮、年末年始勤務問題を中心要求に交渉継続中。
(自治体一般関係)各組合が交渉中、日野町嘱託支部(11月5日)、高島市臨時職員支部(10月24日)、近江八幡支部(11月13日)。守山支部は組合員集会(11月19日)(社会福祉関係職労)甲賀社協パートヘルパー分会は組合員集会(11月21日)

初めての団体交渉

 日野町嘱託職員が、自治労連・自治体一般支部を6月に立ち上げ、本格的な初めての交渉が11月5日に行われました。要求項目は、@嘱託職員の任命根拠A残業時間の取り扱いB長時間勤務の職員の健康管理C職場施設の改善についてです。
交渉結果は、@地公法にそった任用を検討A残業時間数は一ケ月合計で完全支給B配慮するC施設視察するなど要求が前進しました。

滋賀自治労連が要求書を提出

 滋賀自治労連は、嘉田滋賀県知事に対し、「地方自治・地方財政の拡充」「自治体労働者の賃金・労働条件の向上」などについての要求書を県自治振興課に提出しました。近々対県交渉を実施する予定です

みんなの声

◎今年は柿のあたり年で実家からたくさんの柿をいただきました。甘くておいしくいただき、両親、祖母、そして自然の恵みに感謝しています。
                                     奥谷隆信(高島市職)
◎ポケットの中にはよく変なものが。きっと子どもたちが秋の木の実をプレゼントしてくれたんだと思います。
                                     竹川りょうこ(大津市労連)
◎何年かぶりに連休で東京ディズニーリゾートへ行ってきました。
                                     今井あゆみ(県職)
◎二人の子どもは本を読むことが好きみたいで、静かだなと思ったら絵本を読んでいます。
                                     岩坂浩美(栗東市職)
◎だんだんと寒くなってきました。鍋料理の登場回数が比例して増えてきました。今は種類も貝材もびっくりする程豊富ですね。
                                     南出真理子(日野町職労)