地域医療まもろう
近畿自治体病院交流集会in 滋賀

 近畿自治体病院交流集会が6月14日〜15日、琵琶湖グランドホテルで、近畿各府県から220名の参加で開催されました。県内からも県職組、大津市労連を始め病院職場、県民ら70名が参加しました。
 記念講演は「崩壊する日本の医療制度−日本の医療制度の問題点と解決策−」をテーマに本田宏さん(埼玉県済生会栗橋病院副院長)が行いました。
 「正しい情報がなくては、医療崩壊が加速する」と警告し、医師不足問題でも、根本原因は「偏在」でなく「絶対数が不足している」と述べ、日本の医師数26万人は人口当たりで世界六三位、OECD加盟国平均からはなんと14万人不足、このままでは2020年にはOECD加盟国中最小となる見込みと分析結果を示しました。「今こそ医療者はもちろん、国民も情報を共有し、医療崩壊阻止のために立ち上がる社会的責任がある」と集会参加者に力強く呼びかけました。
 二日間の講座や分科会を通じて、「公立病院改革ガイドライン」は、政府の医療費と医師の抑制政策によって起きた医師不足による診療体制の減少や診療報酬の引き下げと、三位一体改革による地方財政の危機には抜本的な対策も立てず、病院経営のみを強調し、住民サービスの切り捨てや自治体病院の統廃合・廃止により、その街に住み続けることができなくなるという新たな困難も生じていることが近畿各地の取り組みで明らかになりました。自治労連が提起している「いのちと地域を守る大運動」を参加者一人一人が職場・地域で推進することを決意して集会を終えました。また、交流会では、県職守山支部が一年かけて練習を重ねてきた「フラダンス」が披露され参加者からは拍手喝采をあびました。滋賀自治労連は、集会を享見るために奮闘しました。
 県内でも、医師不足や病院再編問題で、社会保険滋賀病院や国立滋賀病院、湖北総合病院等でおき、病院を守る運動がおこっています。滋賀自治労連としてもともに運動に頑張ります。

憲法・地方財政で市町訪問し要請

 滋賀自治労連が参加する県労連と「憲法を守る滋賀共同センター(代表委員・玉木昌美弁護士)」は、5月を全国憲法月間として取り組みました。
 琵琶湖一周の宣伝キャラバンでは、「憲法改悪に反対し、第9条を守り、平和のために生かすことを求める署名」の推進を呼びかけ、5月27日と28日を中心に彦根、愛犬管内を除く全県下21市町を訪問しました。
 訪問では、憲法と地方財政での首長懇談の実現、後期高齢者医療制度や地域医療を守るための医師・看護師確保などで要請しました。
 各市町では、部長や課長のみなさんが出迎えて下さり、財政や地域医療の問題で状況を聞き意見交換をすることができました。地域医療について、医師不足の実態や、県が広域的な立場での「役割をはたしてほしい」などが話されました。
 なお、要請に基づく懇談が、6月16日に藤澤直広日野町長との間で行われました。

藤沢日野町長と懇談

 藤澤町長との懇談には、憲法を守る滋賀共同センター代表委員の玉木昌美弁護士と松本利寛滋賀自治労連委員長、県労連から今村伸治事務局長、日野町職労の吉澤増穂委員長ら6人が参加しました。
 最初に松本委員長が昨年からの憲法問題での首長懇談の経緯にふれ、今回の懇談の設定について謝意と、憲法と9条をめぐる状況などを述べました。
 藤澤町長は、憲法と9条への問いかけに対して、日野町の昨年の憲法施行60周年事業や、毎年8月の地区労主催の『平和のつどい』への参加などを紹介し、特に職員のみなさんには、常々、憲法遵守義務にもとづいて、『全体の奉仕者』として、町長のためでなく、町民のために仕事をしてほしいと話していると応じました。そして、最近、クラスター爆弾の国際条約に日本政府が同意したが、核兵器など軍事費全体の削減にも目を向けてほしい。いま町民のみなさんの暮らしは、後期高齢者医療制度など本当に大変な問題が多く、軍事費より暮らしを優先する仕組が必要。国際的にもこんなに厳しい時に、「地球丸」がケンカしていていいのかと言いたい。など、平和と町民の暮らしを守る思いを語りました。
 軍事費より暮らしという町長の話を受けて、玉木弁護士は、名古屋高裁が4月に出した自衛隊イラク派兵の違憲判決文を紹介し、国や自治体の財政事情が厳しいなかでも、軍事費に意見がでないのは問題と指摘しました。そして、高裁判決の意義は、国のこれまでの主張やテロ特措法の立場からも、自衛隊機の米兵空輸が戦闘行為の後方支援として立派に戦争参加であり、違憲と断じたこととして、地方からもこうした世論を高めてほしいと要請しました。この他、「三位一体改革」のもとでの地方財政や、地方自治を考える上での県の役割や道州制などにも話が及び和やかに懇談しました。

県大会3連覇を達成した栗東市職の仲間たち

 滋賀自治体共闘(議長・藤田雅也草津市労連委員長)主催の自治体労働者野球大会が5月28日、草津グリーンスタジアムで開かれ、決勝戦で栗東市職が安土町職を破り優勝しました。栗東市職が参加する近畿大会は7月1〜2日に京都府宇治市内の会場で行われます。

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安心・安全の街へ甲賀広域消防長らと憩談

 滋賀県消防職員連絡会(江川文男代表運営委員)と滋賀自治労連(松本利寛委員長)は、消防体制の整備による安心安全の街づくりと、消防職員が住民の負託に応えられる労働環境の向上にむけて、消防職場の実態などでの懇談を、県内の消防署を設置する広域行政組合や管理者に依頼して実施しています。
 5月30日は甲賀広域行政組合と、6月4日は湖南広域行政組合との間で懇談を行いました。甲賀広域組合は、事務局長や消防長が応対し、昭和48年に7町で発足してからの広域組合運営としての苦労話や、限られた財政の中で、国の消防整備指針に比べ消防士が100名以上不足し、消防車が定員5名に対して2〜3名乗車になる実態などが率直に話されました。
 また、職員の処遇改善の努力や、地域消防団の活躍や協力体制の説明もあり、国が進める消防広域化にも話が及びましたが、メリットだけの強調では計画はむずかしいなどの意見もだされました。
 湖南広域組合では、次長らの応対で懇談しました。
広域組合からは、一般行政経費が削減される中で、消防職員を現行300人から10年後に330人増とする計画や、時間外支払いなどで努力している説明がありました。早期退職問題では、早期退職希望者には今後の生活で問題がないのかという視点からも対応しているという話がありました。
 二つの懇談の中で県消防職員連絡会と滋賀自治労連は、安心、安全な街づくりには消防体制の充実は欠かせず、いっそうの努力を要請するとともに、そのためにも職場環境では職員が率直に自由にものが言えることが必要として消防職員連絡会の活動などへの理解を要請しました。

県内各地で起きている保育所民営化の動き

 いま、栗東市や守山市、長浜市、安土町、湖北町などで保育所の民営化や指定管理者制度の導入の動きが強まっています。この背景には、小泉構造改革による公立保育所への国の補助金廃止や、「三位一体改革」の名による交付税削減などによる市町財政の悪化があります。
 栗東市は、住民サービスを大幅見直しする「財政再構築プログラム」案とともに、4保育園1幼稚園の民営化及び統廃合計画案を明らかにし、安土町では一つしかない保育園の民営化・指定管理者制度を計画しています。
 滋賀自治労連は、こうした「官から民へ」の流れに対して、5月23日に各単組役員を含む対策会議を聞きました。会議には、滋賀保育連絡会の役員もオブザーバー参加し、保育所をめぐる県内情勢を交流しました。今後の運動では、子どもや保護者の立場にたった保育所のあり方や民営化問題での学習会の開催、滋賀自治労連による「住民アンケートビラ」の発行などを行い、保育の公的責任を守る取り組みを早急に具体化することにしています。

みんなの声

◎梅雨入りし、うっとうしい天気が続いている。気分もすぐれない日が多くなる子どもを連れての外出先もワンパターンになり頭をなやめる。みなさんは、どのようにこの時期を乗り越えておられますか?よいアドバイスがあれば、教えて下さい。

                                                        勝山年宏(粟東市職)

◎先日、我が組合も定期大会を終え、昨年、単組化してから一年が終わったことを振り返っていました。(中略)福祉のあり方は、変化したのはもちろん、働くものとしての課題も変化して、どうしていったらよいのか常にテーマがあるならと思う今日この頃です。

                                                        前川由佳(粟東社協職員組合)

◎昨晩、元サッカー日本代表の中田英寿が世界中を旅するという番組を見ました。紛争や食糧難、そして地球温暖化など、地球規模の課題がダイレクトに伝わってきました。TV番組はメッセージにすぎませんが、考えて行動に移すのは個人の意思です。今日、妻のエコバックを手にして、私も何か環境にやさしいこと、(中略)行動に移さなくてはと自省しました。

                                                        御牧裕二(大津市労連)

◎田植えも終わり、夜になるとカエルが合唱してにぎやかです。

                                                        (日野町職労)

◎中国の大地震、6万人を超える方が犠牲になられ、今なお、被災者の方々が苦しんでおられるニュースを目にするたびに心が痛みます。同じく国でオリンピックが開かれるというのは‥・複雑な心境です。

                                                        甲斐とし江(県職)

◎またガソリン値上げ!休みに子どもたちをどこかに連れて行かないわけにも行かず、困ります。

                                                        東浦光記(県職)

◎まさに「減給」留置のままで、定年退職後も同じ職場でしごとをしています。もちろん組合員として、それなりに、がんばっています。

                                                        川嶋重信(大津市労連)

◎紫陽花に小さなつぼみを見つけました。七変化ともいわれる紫陽花の花。今から花の色が楽しめます。

                                                        松野さとみ(大津市労連)