勤務体制に不安が9割 労働組合つくれず無権利状態 県下の消防職員へのアンケートで判明

各紙が報道大きな反響 ショッキングな実態

 滋賀県内の消防職員有志でつくる県消防職員連絡会と滋賀自治労連、消防職員の全国組織・消防職員ネットワークの三者は8月31日、県内の消防職員を対象に行ったアンケート結果を記者会見で公表しました。
 結果では、「出動消防車の定員基準5人に対して出動実態は2〜3人、これでは消火できない」「慢性的な人員不足で消火や救急活動に支障が出ている」「50歳を超えれば退職しない理由を書かされる」など、物が言えない消防職員のショッキングな実態がいっぱいです。住民の安心・安全にとって重要な問題であり、各紙が大きく報道するなど反響をおこしていますが、問題の背景には、消防職員の無権利状態があります。
 消防職員は、憲法が定めた労働基本権が完全に剥奪され、労働組合の結成も禁止されています。
 現在、ILOなど国際的な批判を受けて、職員の処遇の安定・向上を図るべき消防職員委員会が各消防署で設置されていますが、目的に沿って機能しているとする人が13%とわずかで、機能していないとする人が64%を占めています。こうした状況を改善するには、自由にものが言える職場環境をつくるために欠かせない労働組合設立の団結権の獲得と、当面は滋賀県消防職員連絡会などの自主組織の強化が必要となっています。

全消防本部の職員から回答

 アンケートは、滋賀県消防長会作成の会員職員録をもとに、県内すべての消防署の非管理職と思われる職員に対して一、〇二三通を封書で送り、県内すべての消防署(湖南広域行政組合、甲賀広域行政組合、東近江行政組合、愛知郡広域行政組合、彦根市、湖北地域、高島市の各消防本部ならびに大津市消防局)の職員から予想を超える137通の回答がありました。自由回答記載欄には、137通のほとんどの方から記載をいただきました。
 火災出動時などの基準を下回る出動人員等に対して、不安を訴える人が多く(不安56%、少し不安39%)、休暇の取得もままならない(取得しにくい54%、取得しにくいときもある45%)など人員不足が常態化していることを示し、職員の労働条件では、時間外や休日手当などが適切に行われず、非番召集に対するストレスの訴えなどがあります。
【主な自由回答欄の意見等は2面に抜粋掲載】

  滋賀自治労連第37回 定期大会
日 時 2007年9月26日10時開会
会 場 ピアザ淡海・県民交流センター

第29回 自治労連定期大会
 ー各地のたたかいが元気にー

 8月20日〜22日の3日間の日程で、神戸市内で開催された自治労連第29回全国大会に参加しました。
 大会の冒頭、駒場忠親中央執行委員長から、7月の参院選の結果に示された国民世論が政治を動かす劇的変化を作りだしたことに確信を持って「新しい変化をさらに前向きに確かなものにするために奮闘しよう」と挨拶がありました。
 初日には、栗東市社会福祉協議会職員組合など全国8単組の新規加入が承認され、全国での仲間の広がりを実感しました。
 質疑・討論では、発言を求める挙手(うちわ)が威勢良くあがり、熱心な討論が交わされました。滋賀の松本利寛執行委員長からも、当局に対して財政問題についての要求書を提出した単組での取り組みを紹介しながら、自治体が抱える財政問題に対して自治労連として全国的な運動の強化を提起する発言がありました。  様々な取り組みを通じた経験に裏打ちされた、自信に満ちた発言の数々に圧倒されながらも、これまでの私たちの運動に確信を持ち、これからの運動展開への展望を拓くものとなりました。   (県職 嶋林)

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消防アンケートに寄せられた意見(抜粋)
(1) 勤務体制(出動人員)に関すること ◇国の基準(消防力整備指針:消防車1台5人乗車)には遠い1台に2、3人の乗車が現状で、現場活動を行う場合スムーズに活動が出来ず、安全管理も充分に出来ない ◇要救助者がいる火災では人員がおらず活動体制が取れない ◇同じ広域内で、高規格救急車が4台配備されている市がある一方、1台しか配備されていない市がある。また、救急車では救急救命士が3名乗車もあれば、救命士が0で無資格者を乗せて出動している場合もある。住民に平等なサービスを提供できるわけがない
(2) 消防職員委員会に関すること ◇設立当初は活発に建設的な意見が出ていたが、ほとんど改善されないので諦めモード、意見は出ない ◇委員長=消防長、総務課長では意味がない、係長以下で決めるべきでは
(3) 消防職員の勤務実態に関すること
【休暇等について】 ◇休みが取れない、休めば他人が欠員補充、また上司に文句を言われる
◇上司は自由に取得できるのに対して、部下は正当な理由があっても拒否されることがある
【非番召集の当番制について】
◇職務上やむを得ないと考えるが、現状の人員では誰かが召集に応じられないような場合は、月7〜8回は召集該当日となる
◇召集が多く、酒を飲む時が決まってしまう
◇勤務時間外まで拘束されているようで非常にストレスを感じる
【給与、手当等について】
◇行事などが多く、消防本来の業務・訓練等が実施できず、日常的に時間に余裕がない
◇合併により同期、同年にもかかわらず階級・役職・給与に大きな格差がある
◇給与が低すぎる
【時間外勤務手当て】
◇講習、研修については自主研修としているので非番対応、時間外手当支給対象外、代休無 ◇火災、救急等出動時間が記録されるものは正しく支給されているが、一般事務処理では支給されない場合が多い。日勤者はほとんどサービス残業をしている
◇2時間以上の残業をしているにもかかわらず、総務課長が半分の1時間分しか支給しないことを説明し、半ば強制的に合意させられた。回数は数十回に及ぶ
【勤務評価との関係】
◇自主研修とはいえ、年度末に出席数を公表し勤務評価が上下している
◇受講しなければ昇任等に影響をおよぼすから仕方なく受けている
(4) 退職勧奨に関すること
◇退職勧奨に応じないと、毎年退職しない理由を詳細に書かされ、内容が認められないと消防長や署長から書き直しを命じられ、気に入ってもらえないと受理されない
◇消防長あるいは組織に批判的な言動、行動があれば、その本人を自らがやめていくように組織ぐるみで圧力をかける

豊郷町長と憲 法問題で懇談

自治労連、県労連などですすめている憲法問題での首長懇談が、8月18日に伊藤定勉豊郷町長と行われました。松本自治労連委員長、古道同書記長、丸岡県労連議長、今村同事務局長が参加しました。  伊藤町長は、伯父が戦死しているとして平和の尊さを述べ、現在の憲法論議については、国民のなかでの論議がないなかで上からの思いだけでは問題があるのではないか。また、自衛隊の海外派兵はいつ戦闘行為になるかわからないなどの懸念を示しました。 (この懇談会は、多賀町長、愛荘町長、彦根市長につづいて4人目です)

みんなの声

◎今年はセミが多いと聞いています。家の前の桜の木にもいっぱいとまって、日中はミンミンジージー鳴いています。子どもたちはセミが採れるので大喜びですが・・・。 津田礼(大津市労連)
◎梅雨明けと同時に急に暑くなってまいっています。年々暑さ寒さがきつく感じるようになってきました。年のせいかも・・。 白井宏明(大津市労連)
◎お盆に集中して休みを取るのでお盆明けは気分を変えて仕事にがんばります。 今井雅彦(大津市労連)
◎ふと見上げたらサクラの木の葉の裏に、アブラゼミのぬけ殻がびっしり。これも地球温暖化の影響ですね!(クマゼミの棲息地域も北上しているようです) 野沢淳(東近江ユニオン)
◎三歳の息子にとっては初めてのボーリング。今は靴も16・があり、ボールも5ポンドからある。指穴は5つもあいており、自分たちの小さい頃では考えられない。ガーターにならないようにしてもらうこともできた。 勝山年宏(栗東市職)
◎職員数が少ないので夏季休暇がなかなかとれません。そのうえ昼休みが45分では来客応対しているうちに終わります。早く60分にして下さい。 市橋弘一(県職)
◎組合の企画で伊吹町の「ふれあいの里」に魚つかみ大会に行ってきました。子どもたちも大はしゃぎでした。7月29日の参院選は、予想どおりでした。 東浦光紀(県職)
◎子どもの通学する高校野球部がひさびさにベスト8に入りました。応援に一生懸命の娘をみていると青春を感じます。 北村隆子(県職)