「格差社会」を正す「もう一つの世界は可能だ」の運動を広げる

新年あけまして
おめでとうございます。
 昨年は、「ワーキングプア」に「偽装請負」など働き方の規制緩和が「新たな貧困」を生み出し、「格差社会」の矛盾が様々な形で吹き出した1年でした。
 新しい年は、この「新たな貧困と格差社会」を生み出す社会のあり方を正す運動を大きく広げたいものです。
 既に、世界では、新しい世紀が始まった2001年に、この流れを大きなうねりとする運動が始まっています。
 01年の1月にブラジルのリオ・グランデ・ド・スール州の州都、ポルトアレグレで「第1回世界社会フォーラム」という、世界中の様々なNGOや著名な個人が参加するフォーラムが開かれました。
 この「世界社会フォーラム」は、新自由主義に基づく規制緩和の促進で「富」が一部の国々や一部の人々に集中するグローバリゼーションではなく、「もう一つの世界は可能だ」をスローガンに、貧困や差別・戦争や環境問題など、今地球規模で問題となっている諸問題を自由に議論し、公正・公平な社会と新しい世界秩序を築く市民レベルの運動として発展しています。
 04年にはインドのムンバイで12万人が、翌年の05年には、再びブラジルのポルトアレグレで15万人が参加する大規模な国際市民フォーラムが開催され、さらにヨーロッパの各国を始めカナダ、アメリカなど世界各地に広がっています。
 そして、こうした運動を背景に今、ブラジル・アルゼンチン・ベネゼイラなど南米やラテンアメリカで世界社会フォーラムが掲げる「公正な社会」をめざす新しい政権が次々に誕生しています。
 「世界社会フォーラム」の発信地となったブラジルのリオ・グランデ・ド・スール州は、ご存知のように滋賀県の姉妹州です。
 そして、その州都であるポルトアレグレは、ブラジルの政治革新と社会運動の中心を担う都市として有名です。この街は、市の予算を議員だけで決定するのではなく、何を優先するのかを含め「市民参加型」の予算づくりを始め、徹底した「参加型」の行政運営を進めている地域です。だからこそ「世界社会フォーラム」の運動の発信地となったのです。
 一方、リオ・グランデ・ド・スール州の姉妹県である滋賀でも、昨年、全国から「滋賀ショック」と言わしめた、県政の大きな転換を作り出す県民の運動が生まれました。
 新しく誕生した県政は、「格差をちぢめる地域社会」をめざすとして、「富める者は益々富み、貧しいものは益々貧しくなっていく社会は、犯罪の増加など社会発展にとって問題が多すぎます。行政は、こうした格差を埋めるために、あらゆる努力をするべきです。」という基本政策・マニフェストを掲げています。
 今年は、県議会選挙を始めとした一斉地方選挙、さらには7月の参議委員選挙です。「格差社会」を縮めるどころか、格差をさらに拡大する政治の流れにストップをかける絶好のチャンスです。
 姉妹州のブラジル・リオ・グランデ・ド・スール州が、「もう一つの世界は可能だ」のスローガンを世界に発信したように、滋賀の地から「もう一つの日本は可能だ」をスローガンに「格差社会」を正す運動を、全国に発信する運動を大きく広げ、「格差社会を正す」ことが出来る県政となるよう、政治の流れを大きく変える運動をさらに進めたいと考えます。

2007年1月 滋賀自治労連執行委員長 松本 利寛

迎春

 余呉湖は、賤ヶ岳の合戦で有名な山々に囲まれた周囲約6kmの小さな湖で「鏡湖」とも呼ばれています。秋は色づく山を、冬は雪化粧した山々を湖面に映します。この余呉湖をかかえる町を昨年は、町長の「核のゴミ最終処分施設」の誘致表明で激震が走りました。そして豊かな自然と近畿の水源としての余呉を守ろうと住民たちが立ち上がり、勉強会や町始まって以来の署名運動が展開されました。署名数はわずか二週間あまりで町民の過半数を超え、誘致の断念が表明されました。

要求の実現と結んで組織の拡大強化を

 自治労連は1月13・14日、京都市内で第19回組織集会を開催し、滋賀自治労連から9人が参加しました。
 集会では、自治体リストラや合併での自治体再編や非正規労働者が増えるもとで、たたかう自治労連の役割がいっそう強まっているとして、要求の実現をはかる組合組織の拡大強化などで交流しました。

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痛ましい事件を二度と繰り返さない

障害児家族心中事件調査

 昨年末の12月4日、養護学校に通う姉妹とその父が心中するという、痛ましい事件が起きました。
 新聞等では、障害者自立支援法や養護学校寄宿舎廃止の問題などによる将来不安が引き金にとの報道がされました。住民の幸福追求権を保障する立場にある自治体労働者として断腸の思いであり、あらためて父娘のご冥福をお祈りさせていただきます。
 今、国民生活は国・地方を通じた財政危機を口実に市場主義による自由競争・自己責任論により、暮らしを守る施策が剥ぎ取られ、格差社会が拡大する一方です。滋賀自治労連は、このような中で最も守られなければならない立場の人たちから痛ましい事件を二度と発生させたくない思いを胸に、自治労連近畿ブロックと全教滋賀との共同で、12月25日と27日の二日間にわたって、日野町福祉課と八日市養護学校の協力を得て現地調査と関係者との懇談を行いました。
 現地調査、懇談からは、最も身近な町福祉課や養護学校が限られた支援施策の中で連携し対応していたことや、娘の成長を喜び一緒に暮らしていきたいと願う父娘の姿を垣間見ることができました。
 そして真相は不明ですが、新聞報道にあるように障害者自立支援法による新たな負担増や、養護学校寄宿舎が廃止されると父子家庭での養育が困難になる問題で、将来への不安を募らせたことが誘因になっていたことが推察できました。また、12月県議会で県は「障害者自立支援法への補完措置の周知不徹底による」と答弁しましたが、県の現状認識は、現場の状況を正しく把握していないことが判明しました。
 根本的な課題としては、県が広域的役割を重視し、真のノーマライゼーション確立のために一人ひとりの障害者の状況に応じた総合的な支援施策の確立と、縦割り行政の弊害を克服して総合的な調整機能を確立すること。ならびに、最も身近に接し、施策を展開する市町への財政支援を強化・確立することだと考えられます。
 1月9日には、保護者から寄宿舎存続を求める1万人余の署名が県知事に出されましたが、知事はこれまでの県教委の再編方針と経緯を追認する姿勢にとどまっています。
 滋賀自治労連は、これらの調査結果に基づき、関係の住民団体とも交流を重ねながら、行政施策として何をしなければならないのか、自治労連の提起する「見直そう、問い直そう、仕事と住民の安全、安心」の運動の一環として、県の障害者福祉・教育の充実を求める運動を展開していきます。

合併後の職場要求で高島市職労がアンケート実施

 高島市職労、高島病院労組、管理職ユニオン高島支部準備会の三者によるアンケートが取り組まれ、「評価制度への賃金の反映は公正さの保障がない」「合併による財政危機の責任者は誰か」「短期間の異動は説明責任を」「支所機能の将来展望を」「組合の存在感を」などの声が寄せられています。

みんなの声

◎今年こそ今年こそはと@宝くじA大そうじB家計管理Cウォーキング、こんなこと子どもに言えやしない!せめてこのポッコリお腹だけでもなんとかしたい。
                  西村誠(県職)
◎今年こそは、くじけず前向きに頑張ります。
                  寺村益美(日野町職労)
◎今年も家族や職場のみんなが元気で楽しく過ごせますように。
                  夏原千鶴(日野町職労)
◎お正月に娘一家とスキーに行ってきました。二泊三日で行くとさすがに子ども達の上達は早い。滑れなかった下の孫が帰る頃には山頂から滑って降りれるくらいになりました。
                  中島節子(大津市労連)
◎教育基本法が改悪されました。タウンミーティングのヤラセは最悪です。
                  竹内勝人(豊郷町職労)
◎お正月は家でダラダラしていました。ゆっくりできて幸せでした。
                  笹尾麻美子(県職)
◎4月には我家の長男が社会人!まだ子供と思っていたのに考えると自分も年をとってきたものです。
                  横井幹彦(県職)
◎憲法九条が変えられようとしている中、未来をかけた、たたかいが問われる年になるでしょう。
                  西田重好(大津市労連)
◎私にはサンタは、来ませんでした。クリスマスプレゼント代わりに、図書券をお願いします。
                  太田和宏(栗東市職)