憲法改悪反対!地方自治を守ろう!
社会的な賃金闘争や県民要求の実現へ共同を かけ込み合併や財政攻撃に反撃を!
05春闘方針を決定 滋賀自治労連第32回臨時大会

 滋賀自治労連は2月8日、臨時大会を草津市内で開催し、05春闘方針などを決めました。また、「滋賀憲法九条の会」呼びかけ人、弁護士で元彦根市長の獅山向洋氏による「憲法問題を語る」をテーマにした講演【二面に要旨】を聞きました。

05春闘の情勢はきびしいだけではない

 今春闘をめぐる情勢は、春闘の言葉そのものを死語にしようとする財界などの攻撃がありますが、日本の大手財界は、トヨタ1社でも年間1兆7千億円と空前の利益を上げ内部留保を増大させています。賃上げばかりか、下請け単価の改善で中小企業労働者の賃上げも十分可能です。また、働くルールを確立し、サービス残業の廃止、年次有給休暇の完全取得などを行うだけで436万人もの雇用の確保が可能です。
 一方、自治体労働者をとりまく環境は、人員不足や長時間労働による心身の健康破壊、サービス残業などの権利侵害が進み、これに市町村合併や指定管理者制度、三位一体改革などによる地方自治と財政破壊によって、かつてない厳しいものとなっています。同時に、「公務員制度改革」による物を言わない公務員づくりが狙われていますが、こうした攻撃は、結果的に住民の暮らしをいっそう困難に陥れることとなり、国民世論との矛盾をますます大きくするものです。

職場からのたたかいを土台に運動の前進を

 採択された滋賀自治労連の春闘方針の具体的な課題は、@「賃金底上げ、最低賃金引き上げ、パート・派遣労働者の均等待遇実現」などの社会的な賃金闘争の推進 A「憲法の改悪に反対し、憲法九条を守ることを求める」県民過半数の署名獲得など、県民要求実現の共同のたたかいを前進させる Bかけ込み合併や「指定管理者制度」などの自治体「再編・市場化」とたたかい、自治体の「公共性」を守る運動の推進 C05春闘のたたかいと結合して組織の拡大・強化。自治労連共済の拡大に本格的にとりくむ、ことをかかげています。
 大会の方針討論では、「サービス残業をなくす職場巡視活動をおこなった。3月末を前に突然の合併の動きだが住民自治を守りたい」(安土町職)。「職場で憲法九条の会を結成した。資料やグッズなども活用し広めたい」(県職)、「確定闘争では一定の踏ん張りができた。合併対策も強めたい」(大津市労連)。「町財政問題の取り組みを組合として強化したい」(日野町職労)。「新市が発足したが仕事は大変。自治労連に結集し頑張りたい」(安曇川町職)など、春闘での当面する課題や04賃金確定闘争の教訓で積極的な発言がありました。

第10回滋賀地方自治研究集会
 合併、地方財政、平和問題で運動交流

 滋賀自治労連、滋賀自治体問題研究所、滋賀県職の主催で2月19日、大津市内で開催した地方自治研究集会には、自治体職員、学者や研究者、地方議員など70人が参加しました。
 基調講演では、本多滝夫龍谷大学教授が「自治体再編と地方自治の未来」をテーマに、今日の合併の動きと、新自由主義的国家再編の下での道州制の役割などについて報告しました。 分科会は、@自治体再編・財政問題 A住民運動の交流 B平和問題の三つが設けられ、全部で27本のレポートが提出されました。各分科会では、3月末のかけ込み合併の動きや自治体財政、各地でわきあがる住民運動、憲法九条改悪反対の運動などを交流しました。
 自治体再編・財政問題の分科会は、昨年10月に発足した湖南市、甲賀市、野洲市の地方議員よりレポートが出され、合併前の推進派の宣伝とは逆に、旧町々で行われてきた福祉や医療、教育関係のきめ細かなサービスが切り捨てられ、逆に財政が厳しくなっている状況が明らかになりました。竜王町の地方議員からは、「自律の町をどうつくるか」というテーマで、議員と職員が一体となって全国の経験を学んでいることや行政改革についての報告がありました。日野町職労からは、「三位一体改革」による05年度日野町予算の状況について、県職からは、合併によって発足した新市の福祉事務所業務の問題や、「國松県政の評価」、「三位一体改革」の05年度県予算への影響について、それぞれレポートと報告が行われました。
 住民運動の交流の分科会は、新幹線栗東新駅建設、日野町と湖北町における合併反対、志賀町と栗東市における産廃建設反対、豊郷小の校舎保存、稲枝中学校の給食存続の各住民運動から7本のレポートがあり、公共事業のあり方や住民参加について交流しました。 また、平和問題の分科会は、滋賀県庁における有事体制の動きや、県関係職員でつくる「九条の会」の取り組みについて、あいば野の状況や「ピースウォーク」など10本のレポートが出され、平和を守る運動や研究を強めることが確認されました。

--- 2面 -----------------------------------------------

「戦争する国」への道は許さない!県内各地で署名、宣伝
憲法改悪反対運動交流会から

 2月21日夜、滋賀県職員会館で、憲法改悪を許さない運動に取り組んでいる3地域の「9条の会」、10団体約30人が集い、運動の経験交流や今後の取り組みについて懇談しました。
 「草津市民の会」では、3(憲法制定)・9(9条)・23(安保条約)の日に署名宣伝しながら、市民とのふれあいがしやすい第一日曜日の午後に大行動を展開しています。
 2月6には、34人が参加し、リレートーク(13人)で150筆以上の署名も集まり、みんなに元気が出ています。「甲賀・湖南の会」では、発足3か月で160人の会員獲得、「近江八幡市民の会」は県で一番に発足しました。現在会員400人で、増加中、目標は1000人。9条が変えられ、自衛隊が完全な軍隊になれば、昔の軍隊のようにいばるようになることを懸念する。「軍隊は決して国民を守ってくれないことは、沖縄戦や関東軍でもはっきりした」と戦争体験をふまえて話されました。
 医療関係機関や福祉保育労では、9条とともに25条を暮らしに生かす立場で9・25日に定期的に署名宣伝活動にとりくんでいます。女性団体や業者団体は戦争のために消費税の引き上げは許さないと、9条署名を訴えています。また、旧の今津町で、戸別訪問して署名をまわったところ、自衛隊員を家族にもつ女性はイラクへの派兵が現実のものとなり、たいへんに心配していることが語られました。
 全教・高教組は教育基本法の改悪は憲法改悪の露払いと位置づけ、セットで組合員に署名と全国集会への送り出しカンパを訴えています。近く、県選出の国会議員(現在2人)とも懇談を予定しています。
 「滋賀県職員の9条の会」は、公務員として「憲法を守る」と宣誓して入庁し、暮らしと職場に生かそうと奮闘しています。長浜の職場では昼休み学習会に46人が参加して盛り上がりました。職場での宣伝と外向きの署名の2段構えで運動を強化する方針です。
 滋賀自治労連全体でも、署名数は2000弱で、組合員数にも達していません。いま、「国民保護計画」の策定を通じて「戦争への道」を歩もうとするうごきが強まっています。自治体労働者が「二度と、赤紙を配らない」決意を込めて署名、宣伝活動を強めましょう。

「憲法を語る」獅山向洋氏 【臨時大会での講演要旨】

 私は、1940年の生まれで終戦時はまだ5歳前でしたが、空襲で彦根市の上空に飛来したB29爆撃機を見ながら避難した記憶があり忘れられません。戦前の日本は、軍拡化のなかで経済封鎖など国際社会の中で孤立し、無謀な大戦に突入した歴史の教訓があります。現在、国内で言われている北朝鮮の拉致問題に対する経済制裁の発動ついては、拉致は許されない行為ですが、経済制裁で北朝鮮を追い込むことは、平和社会にとって危ういことです。かつての日本と同じことにならないかという点と、それが現在の平和憲法改悪の流れに利用される恐れがあり心配です。
 憲法改正の動きが強まっているが、その中心は9条の改悪です。この動きに対しては、“9条を守れ”だけの訴え方では、本質を突いた訴えにはならない。自民党内でも9条をめぐって異論の出ている集団自衛権の発動を許すのかどうかが問われている。これは国の“交戦権=戦闘行為”にかかわる重要な問題であり、そこにするどく迫る運動が大切ではないか。私は、人間は感情的な生き物であり、感情的になって行動することが多いと思うが、戦争をしない国にするためには、必要な時には理性に基づいて、たとえそれが少数派であっても勇気を出して行動しなければならない時がある。今がそういう時であり、北朝鮮問題なども感情的に流されてはならない。
 そして、改憲勢力が国民投票に持ち込もうとするのであれば、二度と戦争をする国への企てができないよう、国民投票でキッパリした審判を下しましょう。

みんなの声

◎暑さ寒さも彼岸まで・・・春が待ちどおしいですネ!
(藤居千代・日野町職労)
◎合併問題が心配!
(大堀友紀・豊郷町職労)
◎この冬は暖かく、雪も降らずに通勤も楽だなぁと思っていたのに、年末からの雪、雪、雪!うれしくって仕方ないのは、1歳8カ月の息子だけ!
(竹中亜耶・栗東市職)
◎昨年は、日本では集中豪雨、地震とまさに「災い」の年でした。そして、年末にはスマトラ沖地震が・・・。今こそ「活き金」としての税金による支援が必要ではないでしょうか。一日も早い復興を望みます。
(近藤博次・県職)
◎体のためにずっとマラソンをやっています。2月、3月に目標としていた“フルマラソン”に出場します。3月の丹波ささ山マラソンで何とか、自分の納得できるタイムを出したいです。
(村山功・大津市労連)
◎家の犬は17歳になりました。昨年の夏から急に衰え、夜泣きをし紙オムツをあて娘が介護しています。まるで私たちの将来の姿をみるようです。
(小河みち子・大津市労連)
◎正月過ぎに子供が一人で立ち上がるようになりました。まもなく歩き始めると思いますが、これから成長していく我が子のためにも、世界平和を願わずにはいられません。
(松村正博・栗東市職)
◎1月12日に雪が降りましたが、電車にゆられながらふと気付きました。野洲川以南は積もっていないのに、以北に入るととたんに積雪が!北と南ではこうも違うものですね。
(中山智之・県職)
◎今月(1月)の記事を読んで「憲法九条に反して・・・この国が国際的に孤立を深めています」という記載が気にかかりました。“孤立”というのは、今まで意識したことがなかったですが、読んで気づかされた気がします。これは深刻な問題と思います。今後、もう少しくわしく記事に載ることを期待しています。
(勝山年宏・栗東市職)
◎大地震のため新婚旅行がモルジブがニューカレドニアに替わりました。(瀬戸口健・大津市労連)