滋賀自治労連第三十一回定期大会
憲法九条を輝かせよう 住民と共に地方自治まもる共同の運動つくろう

 滋賀自治労連は10月7日、草津市内で定期大会を開催しました。04年度運動方針と財政方針、秋期年末の闘争方針、財政検討委員会の設置などの議案を採択し、新役員を選出しました。
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 大会あいさつで辻義則委員長は、「憲法改悪を許さない正念場のたたかい」を強調。さらに、滋賀自治労連が1年間のたたかいをとおして、住民と共同した運動で果たした役割について、合併や新幹線栗東新駅建設計画の再検討を求める運動、開催断念に追い込んだ「ワールド・マスターズ・ゲームズ」の招致問題など具体的に解明。自治体労働者が持つ使命として自らの暮らしと住民の繁栄をめざす運動をいっそう広げることを呼びかけました。
 運動方針では、憲法改悪を許さないたたかいを正面に据えながら、「三位一体改革」や「指定管理者制度」導入など、地方自治への攻撃が強まるもとで、住民の暮らしと地方自治を守る共同の運動を広げ、6千人の滋賀自治労連建設を決めました。また、公務員制度改悪や地域給導入を許さず自治体労働者と関連労働者の権利と生活を守る秋期年末にむけたたたかいを意思統一しました。
 大会の討論では、合併問題を契機に民主町政を誕生させた日野町や、町長リコール請求をすすめている湖北町の経験、自立の町づくりをはじめている安土町の状況などが報告されました。また、栗東市職からは幼稚園職場のサービス残業を改善させたたたかい、青年部の組合員からは、低賃金の実態から人事院は「賃金引き下げの機関」になっているという指摘と青年層の賃金改善に向けたたたかいの強化を訴える発言などがありました。
 大会では滋賀自治労連の13番目の単組となる滋賀自治体一般ユニオンの加盟が正式に承認されました。
 大会参加者は、さまざまな困難や攻撃はあっても、地域や職場の運動をつうじて局面を変え、そこに労働組合の値打ちがあることを確認し、最後に、服部喜由副委員長の閉会の挨拶と団結ガンバローで奮闘を誓いました。
 選出された新五役は次のとおりです。
委員長=辻義則(県職)
副委員長=内田康雄(県職)、服部喜由(大津)、西村嘉城(栗東)
書記長=今村伸治(豊郷)
書記次長=山田善春(大津)
財政部長=古道清(日野)

 大会の中で、武永淳滋賀大学助教授の「憲法9条の二十一世紀」と題する講演が行われました。
 戦争について、19世紀帝国主義の「無差別戦争観」から今日の「国際連合」結成のなかで「武力行使は違法」が常識となった歴史を紹介。
 いま、9条を持つ日本国憲法が現代立憲主義の本流として世界から注目されているとして、最近の9条空洞化の危険な流れに警鐘を鳴らし、住民の福祉を守る自治体に働く労働者への期待と、平和運動の強化を呼びかけました。

滋賀自治体一般ユニオン
「竜王」分会の2人 不払い残業代金220万円支払いさせる

 泣き寝入りせず相談してよかった 

 今年8月に竜王町内の民間会社に働く2人の労働者から、滋賀自治労連に相談が入りました。相談内容は、Aさんが「7月初めに退職したが、2月・5月・6月の賃金を払ってくれない」、Bさんは「工事施工した後の集金ができないのはお前の責任だと言われ社長から約400万円を弁償するよう言われている」ということでした。また、民間会社のことだが相談にのってもらえるかということでした。

誰でも入れるのが自治体一般ユニオン

  滋賀自治労連には、民間労働者も加入できる「滋賀自治体一般ユニオン」のあることと、問題解決には裁判や、労基局など行政機関に相談するより、労働組合法と労働基準法にもとづいて労働組合として団体交渉する方法が、解決が早いことを説明しました。
 その結果、退職扱いのAさんと現職のBさんの2人で「竜王」分会を結成しました。すぐに、会社への要求書を検討すると、Aさんには賃金未払いを請求することは当然ながら、解雇予告手当の請求権があること、Bさんへの会社側の未集金を理由とする弁償請求は、全く根拠のない違法行為であるばかりか、この会社の残業はすべて「サービス」であることがわかりました。

学習し、要求書提出7回の交渉等で解決

 民間事業所の労働組合は「労働組合法」で保護され、会社は団体交渉に応じる義務があること、不払い残業代の請求権は労働基準法で2年前に遡り有効であることなどを学習し、残業代の未払い額を、タイムカードを会社に提出させ計算しました。
 当初、社長は不誠実な対応でしたが、7回の団体交渉などを重ねる中で、賃金不払いとなっていた3ヵ月分(2月・5月・6月)と7月分の一部、一月分の解雇予告手当を全額支払いさせ、満額ではありませんでしたが、2年前に遡る残業の不払い額として、220万円の支払いを15日に受け取り妥結しました。当然、Bさんが請求された違法な弁償請求も支払い義務なしで解決しました。
 AさんとBさんは、「たいへんな問題で、どうなるかと心配していたが3ヵ月足らずで解決し、滋賀自治労連に相談してよかった」「これまで、会社では泣き寝入りして辞めていった人が多かったが、しんどいことがあってもたたかう労働組合の値打ちがわかりました」と話しています。

 みんなで県に個人請願行動
11月18日(木)昼12時県庁前集合
 12:15〜12:45 昼休み県庁包囲デモ
 13:30〜14:00 請願者交流会
 14:15〜15:45 個人請願と交渉

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第7回地方自治研究全国集会開催
日野町の住民運動を特別報告

「いまこそ憲法・地方自治をくらしに生かす大きな共同を」と緊急に、第7回地方自治研究全国集会(主催=21団体でつくる実行委員会)が、10月16〜17日に東京で開かれ、特別報告の中では、日野町の岡本明美さんが「この町がすきやねん」と合併推進の町長をリコールしたことを報告。滋賀自治労連からは8人が参加しました。

自治体労働者の全国スポーツ大会

バレーボール・草津市労連が善戦 茨城県のつくば市で10月7〜9日に開催された全国大会で、滋賀の代表として出場した自治体共闘・草津市労連チームは、予選リーグで盛岡市職労(岩手)、中村市職労(高知)と対戦、善戦しましたが決勝進出はなりませんでした。

介護保険制度の見直し問題で学習会

 保険医団体や県労連、滋賀自治労連、民主団体、個人などでつくる滋賀県社会保障推進協議会(社保協)の「どうなる介護保険」学習会が9月18日に大津市内で開かれ、介護や医療関係者、自治体職員など100人が参加しました。介護保険制度発足5年目の「見直し」では、障害者支援制度との統合、利用料の3割(現行1割)への引き上げ、特養ホーム入所者からの家賃・食費徴収、軽度介護者へのサービス制限などの大改悪が検討されています。

湖北町・リコール運動 町民参加・自律のまちづくりへ

 湖北町では今年2月に雪の舞う中を、「湖北町が1市9町合併に加わることの是非を問う住民投票条例」制定のための直接請求署名運動を展開。有権者の約45%=3095筆もの有効署名が集められました。しかし、町長と議会は「住民投票は必要ない」と、あっさり条例案を否決し、長浜市の水準に合わせるかのように今年度の福祉予算を大幅にカットしました。とりわけ保育料を一気に月額5千円も値上げし、若いお母さんから大きな怒りの声が出されました。
 6月には、浅井町が合併協議から離脱。湖北合併は「1市8町」の枠組みに変わり、「長浜市への吸収合併」の方向が打ち出され、合併による各町の住民サービス低下の流れがますます鮮明になりました。
 そのため、「住民投票の願いを無視し、湖北町民を不幸にする町長はもはやリコールするしかない」と、9月4日から1ヶ月間の町長リコール署名運動がスタートしました。合併推進の議員による「妨害ビラ」の折り込みなどもありましたが、法定数(有権者の3分の1=2390筆)を大きく上回る2886筆=有権者比で40・3%もの署名が集められ、10月6日に町選管へ提出されました。町民の願いと怒りは、姑息な妨害をも打ち破るだけの十分なパワーを持っていたと言えるでしょう。
 2年前の町長選挙のたたかいや住民アンケート、住民投票を求める署名、たくさんのビラの発行や集会、学習会の開催。そして今回のリコール署名運動と、合併をめぐる運動の中で呼びかけに応える町民が一人また一人と増えてきました。この2年間で、壮大な規模での全戸への訪問対話が2回も行われ、一人ひとりの町民が自覚と責任を持って町の政治に向き合う意識も芽生え、「考え、行動する町民へ変わってきた」とも言われています。「町民参加・自律のまちづくり」を展望し歩み続ける湖北町の運動に、今、期待と注目が集まっています。(F)

みんなの声

◎用地マンとして毎日、交渉にがんばっています。
(松浦宏和・県職)
◎京都で行われた「憲法九条の会」の集会に参加してきました。大江健三郎氏の話、「現実をつくりかえていく想像力を持とう」に感動しました。職場でも弁護士さんを招いて「憲法九条の学習会」を11月に計画しています。
(本田恵子・大津市労連)
◎8月に出産し、今は育児休業をもらっています。毎日睡眠不足になりながらも日々成長していく我が子を一日中見ていられるのは、とてもうれしいものです。育児休業制度に感謝<CODE NUM=023B>
(布施ひとみ・日野町職労)
◎夏休みに皆で観た平和のビデオで心痛め心動かせた小学生。広島へ家族で出かけたり、自由研究の題材にした子供達。世界平和をめざす輪を広げようねと願う私。
(木内あい子・大津市労連)
◎はじめて送ります。保育園で草木染めに挑戦してみました。
(辰巳文子・栗東市職)
◎母が俳句をしているので、私も刺激を受けて作ってみようかなと思うこの頃です。
(高野聖子・大津市労連)