滋賀自治労連2004春闘統一要求で市町村振興課長交渉

賃下げ狙う基本給への「地域給」導入には反対
サービス残業の根絶へ具体的事例で指導を

 滋賀自治労連は、春闘統一要求書にもとづく重点7項目での市町村振興課長交渉を、15日に行いました。サービス残業や、メンタルヘルス対策の要因となっている長時間過密労働の問題では、春闘時の滋賀自治労連「要求アンケート」結果などを示して、改善への対策を求めました。交渉内容の要点をお知らせします。

@基本給への「地域給」導入に対して、キッパリ反対を

【自治労連】自治体と関連職場に働く労働者の賃金・労働条件の改善。特に今年の人事院勧告に反映させるため、小泉首相が内閣官房に指示した基本給に「地域給」を導入することについて(全国を十一ブロックに分け俸給表に差をつける)どう考えるのか。市町村振興課長として、地域経済と公務労働者の暮らしを守るとの立場から反対の意思表示を。
【課長】まだどのような方向か明らかでない。国の状況を直視し、市町村に助言し、必要に応じて国に対しても意見を申し上げる。
【自治労連】人事院は、「地域給」導入の調査(民間賃金調査)にあたって、その対象から全国展開の大企業をはずし、地場の中小企業を比較の中心に置くことで、地方公務員の賃下げをすすめようしている。公務員賃金に東京と地方別の「地域給」が導入されると、地方公務員の賃金を引き下げるとともに、地域経済のランク付けを下げることにもつながり、地域経済をいっそう疲弊させる。
 政府は、「地域給」を導入することで地域の実態に即した賃金体系にするとしているが、これまでも賃金に、地域事情を反映させるために、都市部の調整手当や地方では寒冷地手当の措置があった。これを廃止したり改悪しながらの「地域給」は結局賃下げを目的としたものでしかない。 
 また、政府は「三位一体改革」「04年骨太方針」との関係で、人件費の削減努力のたりない自治体に対しては、いっそう地方交付税を削減するなどの方向を出している。これでは、賃金決定の原則である「生計費原則」を崩し、賃金決定に「地方交付税」をおどしに使うもので、これまでの人事院勧告制度は必要でなくなる。賃金の「地域給」導入をいうなら、いっそ公務員の労働基本権を回復し、自治体ごとに労使交渉で賃金決定することの方が合理的だ。

A寒冷地手当の見直し、改悪は地域の生活実態に基づき反対を

【課長】これもまだ、内容の具体的な方向が伝わってきていない。
【自治労連】大阪にある人事院近畿事務局との交渉で、「冬季に車のタイヤをスノータイヤに変えることを知らなかった」というお粗末な答弁もあった。寒冷地手当の削減は、湖北を中心とする自治体の交付税減額にもつながる。改悪には反対すべき。

Bサービス残業・不払い労働の根絶へ、具体的事例で指導を

【自治労連】朝の朝礼、ミーティング、ラジオ体操など8時半前出勤が強要されている。労働法制上からもこうしたケースは、違法との具体的事例による指導を。
【課長】適正な対応をお願いしているが、今後、具体的事例も示して、課長会議などで指導する。

C長時間過密労働をなくし、自殺や労働災害の根絶を

【自治労連】大津市では、今年に入り現職死亡が4人あった。根絶へ努力を。
【課長】時間外勤務の縮減、年休の計画取得、適正な人員配置などを助言し、メンタルヘルス対策も重要であり、県や市町村共済の制度や研修など活用してほしい。

D「三位一体改革」、「指定管理者制度」、地方財政と公的責任の擁護を

【自治労連】「三位一体改革」と、04骨太方針による市町村財政への影響額はどうなっているのか。また、合併で長年勤めた臨時職員の雇い止めが出ているが、これは任用の範囲でなく、労基法上の反復雇用で、一方的解雇は法違反だ。
【課長】04年度ベースの試算で、地方交付税減額75億円、臨時財政特例債の減額87億円、逆に増額は所得譲与税の21億円(差し引き141億円の減額)と把握している。雇い止めの指摘の事例は、問い合わせる。

 民主的な公務員制度確立へ、自治労連は、憲法とILO勧告に沿った改革を国に要請するよう要求し、三菱自工のリコール問題などをとりあげて、民間企業における人事評価制度を批判しました。

住民の声を聞く町政に 日野の町が好き
住民が主役へ全力をつくす藤澤直広さん

 日野町長選(七月六日告示、十一日投票)を前に十八日、「ふるさと日野を守る会」推薦の藤澤直広(ふじさわ なおひろ)氏(48)=無所属・新=が出馬表明しました。このなかで藤澤氏は、「住民の声を聞き町政をすすめることが地方自治の原点。日野の町を思う町民のみなさんの熱い思いでここまできた。住民が主役の町をつくるために全力をつくします」と決意を語りました。
 藤澤氏は、県職の副委員長として奮闘するとともに、居住地の日野町で合併の是非を問う住民投票を求める住民団体の事務局として、2年間に二度の直接請求や議会請願など一連の大運動をリードしてきました。十七日の守る会幹事会は、藤澤氏の擁立を全員一致で決定しました。藤澤氏は、この決定に応え、県職員を辞しての出馬となりました。
 滋賀自治労連は、住民本位の自治体建設と、日野町におけるこの間の住民運動などの経緯を踏まえ、執行委員会で藤澤氏の推薦を決めました。

核兵器廃絶などを訴え県内を国民平和大行進とピースリレーが合同行進

 東京から広島へ。国民平和大行進(原水協、自治労連など)と、ピースリレー(生協など)の二つの合同行進団が16日、長浜市内で岐阜県から滋賀県にバトンタッチされ、21日まで県内を行進しました。

小さくても頑張る労働組合

合併後の労働条件で交渉 社福労・水口社協パートヘルパー分会

 合併による10月の甲賀市発足とともに水口・甲南・信楽・甲賀・土山各町の社協も統合(合併)されます。
 パートヘルパーは、土山社協以外の4町社協に在職していて、合併すると約80人のパート・嘱託ヘルパー体制となりますが、パートヘルパーの労働組合と就業規則があるのは水口社協だけです(正規職員は「自治労」)。
 5月26日の団体交渉では、社協合併による労働条件の変更等については、労使合意を前提とすることを要求しました。
 これに対して、当局からは、@社協合併の作業と課題の状況についての説明があり、A賃金・労働条件については現行を下回らないよう考えている、B年休は新社協へ繰越措置するなどの回答がありました。
 水口社協では、分会活動の影響で未組織の看護師職にも有給休暇が付与される変化も生まれています。

特殊勤務手当2000円新設で妥結 自治体一般セラム分会

 セラム分会は、県立小児センター内の受託業者(株・セラム)に働く二人の女性が、昨年10月に組合員の要求をうけとめない「自治労」組合(ユニオンショップ協定締結)に嫌気がさして脱退、自治労連に加入して分会を結成しました。 
 昨年来から6回目となる24日の団体交渉では、@組合要求に基づく前回交渉で提示された特殊勤務手当新設(二千円)での合意。A組合員の従事する業務実態に見合った賃金問題についての継続交渉を確認して妥結しました。(二千円の特殊勤務手当は一部の自治労組合員にも波及しました)
 この間の自治体一般セラム分会のたたかいは、「自治労」が多数を占める職場での少数組合でも、たたかって要求を前進させる自治労連の値打ちを示しました。

今年の夏 in 滋賀 自治労連第26回定期大会 開催要項・ポスター等完成

 全国大会は、大津プリンスホテルを主会場に、事前大会 8/21(土)・22(日) 本大会8/23(月)〜25(水) が開かれます。本紙上で公募しました大会キャラクターは、琵琶湖ではねる小鮎をイメージした図柄の「BIWAKOAYU」(海老原豊氏作品・県職)と決まりました。

県民の関心高まる 新幹線栗東新駅建設問題

 新幹線「栗東新駅」建設計画の再検討を求める滋賀県民の会が主催する学習会が、3日に草津市内で開かれました。関西大学の安部誠治教授が「JR東海の経営戦略と栗東新駅問題」をテーマに豊富なデーターをもとに講演。一日の利用客を一万人とした需要予測や利便性向上の点で疑問があるとしました。また、駅舎建設費の240億円と周辺整備費の約700億円は巨額すぎるとし、「びわこ空港で懲りたはずではないか」と指摘しました。
 再検討を求める県民の会は、「駅頭署名を中心としたこの間の活動では県内どこでも関心が高く県民のムダ使いやめよの期待を感じる」として、7月県議会に第一次請願署名を提出するのをはじめ、引き続き署名活動を続けながら各地域でも学習会を取り組み、運動を強化することにしています。