解雇自由・派遣拡大など労働法制の改悪を許すな
大変!!公務員制度「改革」にも直結 自治体職場も、どんどん正規職員がいなくなる事態に
 いま国会で、労働者のクビ切りや使い捨てを自由にする労働基準法と労働者派遣法の改悪が強行されようとしています。今でも身勝手なリストラ解雇、不払い「サービス残業」など、法の目をかいくぐってやりたい放題です。さらに、法律が改悪されてしまうと不安定雇用の労働者が増大、地域経済の疲弊もより深刻となります。
 今回の改悪は、公務員制度にも直結します。経済改革特別区域法の「改正案」も国会審議されていますが、労働諸法制の改悪を先取りする臨時職員の「3年間有期雇用」制度などが盛り込まれています。

「地方独立行政法人」で分社化

 同じく提出されている「地方独立行政法人法案」では、水道、病院、保育、公共施設など行政の実施部門すべてが対象となり、その業務が、地方独立行政法人に移行すると、その職員は公務員身分をはく奪され、究極の大リストラとなる、とんでもない内容になっています。
 自治労連は、この問題ですべての職場での学習運動をはじめ、大改悪を許すない世論をつくりだすための新聞広告、全国一万団体への署名要請などにとりくみます。

青年部が平和学習会
ペインティングの反戦メッセージも体験

 5月10日(土)、栗東文化芸術会館「さきら」で、自治体共闘青年部平和学習会が行なわれ、県職・大津・栗東・安曇川・日野の各単組から約30人の参加がありました。
 学習会では、県職大津支部書記長の蒲原氏から平和をめぐる情勢について、豊富な資料をもとに講義がありました。イラクへのアメリカの先制攻撃がいかに無法なものであったかという話にはじまり、つづいて成立がねらわれている有事法制の内容について、くわしく説明をしていただきました。
 参加者には新規採用職員も多く、はじめて聞く話に少々とまどいながらも、これから平和問題への関心を持っていきたいという感想がありました。
 次に、京滋の芸大生でつくる平和サークルACP(アートクリエーツピース)から活動の報告がありました。風船で鴨川に橋をかけたり、ペインティングを行なったりといった芸大生らしい取り組みがマスコミでも大きく取り上げられている事を知って、参加者も非常に興味を持った様子でした。
 報告のあとは、全員「さきら」の外に出て、広場でペインティングを行ないました。実際にイベントで使われた大きな横断幕に参加者たちもメッセージを書き込み、いつもとは一味ちがった体験型の学習会をみんなで楽しみました。
(青年部・M)
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「年休なし、社会保険もなし」と県庁で働く派遣労働者
 自治体職場のなかでは、警備、案内、清掃から電算などの部門まで、さまざまな雇用形態の人たちが働いています。そのほとんどは、専門業者の入札参加によって、委託契約が結ばれ行なわれているものですが、なかには人材派遣会社そのものから派遣されている労働者もいます。
 一般職員と同じ名札をつけ、案内業務に従事する女性に勤務条件などを聞くと、「派遣会社に入社して勤務しているが、年休や諸手当は一切なし、社会保険も加入していない」という話が返ってきました。賃金は時給制で、休みをとる時は、職場の正規職員と派遣もとの会社の両方に連絡する仕組みになっています。
 また、警備に従事する男性の場合は、業務委託を受けた会社の従業員ですが、2年ごとの入札で自分の会社が落札できなければクビになる1年間の雇用形態といいます。賃金は、入札のたびに法の「最低賃金」すれすれまで下がり、深夜勤務などの割増もあいまいな額といいます。
 驚く事にここでも、労働基準法が守られずに年休なしで、社会保険もないために国保加入で失業手当もありません。将来の年金保障もないという実態です。
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損害賠償請求で労金が見解
 労働金庫の裏金問題で、県職や大津市労連の委員長など5名が「労働金庫に損害を与えた有責役員に対して、損害賠償請求を行うこと。労働金庫が行わない場合、法に基づき株主代表訴訟を行う用意がある」旨を通知していました。
これに対して、法に定める60日の期間内に労働金庫から「時効となった分を除き、国税に支払った追徴課税分も含め役員に返還を求めるとともに、滋賀に示した水準で近畿全体も処理をするようにしたい」旨の見解が示されました。
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2面
憲法の平和原則を真っ向から否定する
事武態力法攻案撃など有事法制三法案NO!!

 5月15日に衆議院で採決が強行された「有事法制三法案」の本質は、「周辺事態法」でも「テロ特措法」でもできなかった、@アメリカが引き起こす戦争に協力してA自衛隊によるB米軍と一件となったC海外での武力行使に道を開く、という点で、憲法の平和原則を真っ向から否定することは明らかです。
 この法案に対しては、他にも「集団安全保障(国連中心)か集団的自衛権(日米安保優先)か」、「国会のコントロールは」、「国民の基本的人権の尊重は」などさまざまな批判的切り口がありますが、ここでは、地方自治や自治体職員の役割との関係を見ていきます。
 「武力攻撃事態法案」では、地方公共団体は「住民の生命、身体及び財産を保護する使命を有することから、武力攻撃事態への対処に関し、必要な措置を実施する責務を有する」とされていますが、具体的な措置を規定するいわゆる「国民保護法制」は、1年以内に整備するとして先送りされています。まず、自衛隊や米軍の行動の自由を確保する法律を優先させたという経過からも、「保護」とは名ばかりで人権の制限が主体となることさえ危惧されています。
 また、現行「自衛隊法」でも、防衛出動時には、都道府県知事が防衛庁長官等の要請に基づいて
(1)自衛隊の行動区域内で
 @病院・診療所などの施設管理
 A土地・家屋・物資(土地等)の使用
 B物資の生産、集荷、販売、配給、保管、輸送の業者に対する物資保管命令、又は物資の収用
(2)自衛隊の行動区域外でも
 @施設の管理
 A土地等の使用、物資の収用
 B取扱物資の保管命令
 C地域内の医務・土木建築・輸送業看に対する業務従事命令などができるとされていますが、「自衛隊法改正案」ではこれに加えて新たに都道府県知事は
(1)防衛出動時に
 @立木などの定着物が土地使用の妨げになっていれば、それらの移転又は処分
 A家屋使用の場合の家屋の形状変更
 Bこれら処分のための公用令書の交付
(2)防衛出動前でも防御施設構築時には
 @予定地域の土地使用
 Aその土地の定着物の移転又は処分などができることになるとされています。
 地方自治体の本来的任務である「住民の安全や福祉を守る」仕事については、先送りされ曖昧なまま、自衛隊への協力については具体的に規定されています。
 自衛隊が勝手に「できる」規定であっても、マスコミなどがこぞって戦争協力をあおり立てる雰囲気が作られれば、「しない」ことは事実上困難になります。しかも、「公用令書」という赤紙を交付するのは知事の命令を受けた職員であり、自分の思想信条に反するとこれを拒否すれば、職務命令違反で処分されるおそれもあります。
 職員も住民も、その信念に反していても、アメリカが日本の国内外で引き起こす戦争に協力することを強制される、こんな地方自治の本旨を踏みにじる法案の成立は、絶対に許してはなりません。