納得できない!マイナス勧告「時間外手当」も遡り返還!?

 人事院は8月8日、官民格差マイナス2・03%(△7770円)という自治体労働者の暮らしを直撃する勧告史上はじめて基本賃金引下げの勧告を行いました。
 これは、人勧の影響を受ける750万労働者の賃金引下げにつながるものです。、年金や失業者手当など社会保障給付の引き下げにも連動し、7月末に国会成立した医療改悪の1兆5千億円の負担と合わせれば、新たな国民負担は数兆円に達し、暮らしをいっそう困難に陥れるものです。すでに、来年度予算編成にかかわって、「公務員の給与が下がると、消費者心理は冷え込み、デフレを加速させかねない(8月7日付「朝日」)との報道もあります。
 しかも勧告は、4月に遡る基本賃金、扶養手当などの切り下げ・返還を公務員労働者に求めています。今回のマイナス勧告は、労働基本権はく奪の人事院の「代償措置」としての役割と、「不利益の不遡及」という「法」の根本原則を蹂躙するものです。
 滋賀自治労連は、地域経済に深刻な影響を及ぼす自治体への不当勧告の押しつけ反対、雇用を守れ、有事法制反対などの課題をかかげ、広範な労働者・住民と連帯して秋季年末闘争を全力でたたかいます。

4年連続の賃金切り下げに職場から怒りの声

 月額7800円の減額、3人分の弁当代5日分、週に1日は弁当なしで働けということなの!しかも4月にさかのぼって。「不利益不遡及」でなかったのですか。法を守って仕事をしている私達に法の適用はないのですか。公務員だって人間だ!
(日野町職労・40代女性)
 基本賃金までが引き下げられるという最悪の事態となり、私はまだ33歳(しかも独身)ですが、将来の生活設計が見えなくなってしまった思いです。従来と同様の仕事をこなしているにもかかわらず、賃金が下げられてしまうという理不尽さは何とも言いようのない気分にさせられます。民間の方はこの事態をどうとらえておられるのか、なかなか情報が入ってきませんが、公務員という職業に対する理解とともにこの問題に対して世間からもっと活発な議論、意見を聞きたいものです。
(県職・30代男性)
 「またか・・・」が最初の感想です。公務員労働者としての志の灯がまた一つ小さくなった気分でした。人勧とは政府の失策を我々に転嫁するシステムであると思いました。
(安曇川町職・20代男性)
 基本給に調整手当分、時間外手当分まで還せなんて、そんなアホな〜まじめに仕事をしているのに景気が悪いでは済まされない。ストライキせなあかん。
(栗東市職・30代男性)
 構造改革と叫びながら中身は国民負担が増えただけ。小泉内閣発足以後、良くなった経済指標が一つでもあるのか<CODE NUM=023C>おまけにデフレ・スパイラル突入必至の人事院勧告で値切り攻勢とは何ごとだ。士気も消費も落ち込むに決まっとるやんけ。だいたい、外務省の豪華プールや政党助成金の廃止とかカット対象はいくらでもあるぞ。失政のツケを他人に押し付けるな<CODE NUM=023B>まじめに働いているのにええかげんにせい。
(安土町職・M・K)

炎天下を平和・非核の願い込め走破=反核平和マラソンとライダー

 広島に原爆が投下された8月6日、滋賀自治労連、県労連、新日本体育連名などの実行委員会による、今年で8回目となる反核マラソンとライダーが取り組まれました。
 朝9時に長浜市役所を出発、ランナー22人とライダー8台が、8市4町(米原・豊郷・安土・日野)に対して、非核三原則の堅持、憲法を真っ向から否定し、自治を侵害する有事法制を制定しないことを要求する要請書を読み上げ、渡しながら午後5時過ぎに県庁に到着、県への要請とゴールセレモニーを行いました。
 マラソンは80キロ、ライダーは100キロ超を走る炎天下の強行日程でしたが、初めて訪問した5市町で、米原町は町長が激励挨拶、近江八幡市では助役さんが挨拶、八日市、守山、豊郷などからも激励と金一封が寄せられました。
 また、マラソンは広島の「原爆の灯」を保存する彦根市本覚寺に立ち寄り、献花と、住職の「原爆の灯」への思いを聞き、反核平和へ共にがんばることを誓いました。

働くもののいのちと健康を守る滋賀県センターが発足

 8月3日大津市内で発足総会が行われ、規約・予算の可決と役員に西山勝夫氏(滋賀医科大学教授)らを選出しました。設立宣言では「過労死と在職死亡が増え、昨年一年間で3万人もの自殺」、「体の痛みや心の悩みを我慢しながら、やむなく働いている人も数多くいる」現実を踏まえ、労働者と労働組合・医療機関及び医師・弁護士・研究者が集まり、いのちと健康・人間としての権利と豊かな生活を守ることなどを目的にしています。

新幹線・栗東新駅建設でどうなる!地元負担・経済効果・情報公開
「住民の会」がシンポジウム開催

 新幹線新駅は一九六九年、当時の栗東町議会に誘致特別委員会が設置されて以降、一部住民を対象に意識調査等がされたものの、多くの住民にとっては「無いよりはあったほうがいいかな」といった程度の漠然としたものでした。ところが今年になり、JR東海と栗東市等との新駅設置に関する協定締結により、駅舎建設費(240億円)をはじめとする多大な地元の費用負担があきらとなったことから、初めて住民のなかにこの問題に対する関心と注目が高まり、自分達の暮らしや将来に直接関わるものであるとの認識がひろがってきています。このような状況のなかで、新幹線新駅問題を考える会の結成総会とシンポジウムが開催されました。
 結成総会で会の目的が確認されたのち、シンポジウムは滋賀自治体問題研究所理事の瓜生昌弘氏のコーディネートで、近藤學氏(滋賀大学経済学部教授)、 初村尤而氏(大阪自治体問題研究所研究員)、大曲正志氏(国鉄労働組合東海エリア本部書記長)によりおこなわれました。

 近藤氏は一部発表されている新駅建設による各種予測に関して、需要予測についてはビジネス、観光、通勤・通学、それぞれの予測は、根拠の薄弱な数値であり、地域の特性や産業構造等を十分考慮されていないもので、実際はかなり悪いパフォーマンスとなる。経済効果についても企業の投資を見込んでいるが、湖南地域はベッドタウンとしての性格が強く、想定には無理がある。人口についてもすでに過密状態であり、交通渋滞も頻発していて新駅の設置によっても交通アクセスは改善しない。さらに、工場移転・工場集積もほぼ終わっている。もはや新幹線の希少価値=神通力、新幹線の誘致効果は低下したのではないか。すなわち大型公共事業依存による地域活性化路線は破綻したと指摘。
 初村氏は財政分析の視点から、新駅設置は関連事業も含めて1000億円近い大プロジェクトだが、それに付随して発生する行政費用が一切検討されていない。栗東市の長期財政計画も出されているが、これも情報が少なく正しいのかそうでないのか判断ができないと発言。行政側の積極的な情報公開の必要性を強調しつつ、全国的にも大型公共事業を当てこんだ区画整理事業はそのほとんどが成功しておらず、結果として膨大な借金だけが残ることになる危険性を指摘。
 大曲氏は、JR東海は経常利益が多いといわれるが、老朽化した新幹線の路線修復もひっ迫するなど経営状態はけっして楽観視できる状況ではない。JR東海としては、自ら新駅を必要としているわけではなく、地元費用負担による請願駅ならざるをえない。新駅のダイヤは現時点では、大阪〜名古屋間がこだま、名古屋〜東京間がひかりとなる、俗称で「ひだま」と呼ばれるものが1時間に上下4本が停車する可能性がある、というものでした。
 討論では住民と行政が敵対するのではなく、できるだけ多くの情報を共有し論議を深め、決定していくことが必要、そのため積極的に情報公開するのが行政の責務であるとされました。また大型公共事業の便益で住民施策をおこなう路線は多くが失敗している、大規模プロジェクトに依存した街づくりではなく、新世紀にふさわしい新たな街づくりを模索することがもとめられているとの指摘もありました。
 会場からは、「草津市民の私たちも税金で負担しなければならなくなる。もっとしっかりと情報を開示して議論できるようにしてもらいたい」、「JRの運賃には当然鉄道会社としての施設整備のための費用が含まれているはず、なぜ市民が駅舎の費用を負担しなければならないのか」、「新駅はいらないと思う。私たちの知らないところで、知らない間に、こんなに莫大な費用がかかる事業が決定されているのが許せない」などの発言がありました。

みんなの声

◎今度、反核ライダーに参加しようと思います。
(龍華由親・安土町職)
◎合併問題で今、日野町は勝手にどんどん進めていくのはおかしいという事で「町民の会」が結成され、町民の皆さんがどしどしと共感してくださって、もう一度皆で考えようとするように要請を提出できる予定です。他の町の方もがんばってほしいなあー。
(岡崎紀美枝・県職)
◎先日、組合のボーリング大会が行われました。いろいろ賞があったり、ダービーしたり、おもしろかったです。
(前川由佳・栗東市社協職員団体)
◎有事法制反対の運動は広がりましたね。住基ネットのことはもっと組合が住民の立場にたって反対の声をあげなければと思います。(本田恵子・大津市労連)
◎たいへん暑い夏を迎えていますが、今年は「そうめん太郎」で夏を乗り切りたいです。
(西村滋城・栗東市職)