雇用、暮らし、いのちの春闘三課題で力を合わせ

職場と地域から小泉「激痛」はね返そう
おしつけ合併反対など2002年春闘方針を確立
県民とともにこんな滋賀をつくろう 

 県内で、雇用情勢が最悪を記録し、景気の悪化が続いています。ハローワークには3万人が職をさがし、今春高校卒業予定の就職内定率は7割台、企業の倒産も長引く不況のもとで建設業などを中心に過去2番目の高水準となっています。
 景気が落ち込むなか、県財政も500億円の財源不足が明らかとなり、市町村では「財源不足」を理由とする市町村合併と自治体リストラが進もうとしています。
 滋賀自治労連は、2月15日の第26回臨時大会で、「2002年春闘・県民とともにたたかい、こんな滋賀をつくろう」の春闘方針をかかげ、全組合員総学習を基礎に国民春闘3課題 @雇用を守る・働くルールを確立する A生活を守る・全労働者の賃金引上げ B医療改悪を許さない、の推進を中心に、押しつけの市町村合併や自治体リストラに反対し、県民の暮らしを守る砦としての自治体づくりなど、02年春闘をたたかう方針を決定しました。

豊郷町公平委員会「降任処分を取り消す」と画期的な裁定

豊郷町長 謝罪要求を拒否

 平成12年1月1日付で突然、就任して1月もたたない新町長から「課長補佐から主査」に降任処分がされ、町公平委員会に不服申立をしてたたかってきた、鈴木雅信氏さん(豊郷町職労・前副委員長)に対して、公平委員会から1月30日に「平成12年1月1日付けをもって行った分限降任処分を取り消す」との裁定が出され、完全勝利となりました。
 裁定を受け2月5日、鈴木雅信氏の不服申し立て代理人・滋賀自治労連の辻委員長、今村書記長豊郷町職労・竹内勝人委員長らが、処分者・大野町長に対して、鈴木氏への謝罪と公平委員会審査で町が負担した大野町長代理人の弁護士費用(約50万円)は、町長自身が負担するのが相当として返還などを求めた要求書を提出しました。しかし、この席で大野町長は、「公平委員会の裁定には従うが、処分は間違っていなかったので謝罪はしない」と強弁、「わしが法律」と言わんばかりの姿勢を改めて示しました。
 これは、『住民全体の奉仕者』としての職務遂行を保障するため、公務員の身分は本人の意に反して一方的な処分はできないと定めた憲法と法に敵対するもので、「法治国家にあるまじき発言」です。

今はじまる。県民の新たなたたかい
私たちは行動します2・20対県交渉
暮らし、福祉、医療、教育 これ以上の我慢はたまらん

 昨年11月21日、幅広い県民の参加で憲法と請願法にもとづく知事への「個人請願」行動をおこないました。集まった請願内容は、狂牛病問題で深刻な営業の危機に追い込まれている焼肉店主の「一日も早く万全の体制を」の請願や、障害児を育てるお母さんからの「障害児の母子通園施設を県北部にも設置してください」、また「福祉医療制度の存続を」、「県独自の30人学級実現」、「リストラや職場の人権無視の実態について県として是正の努力を」など1000近くにわたる切実で幅広い要求でした。
実行委員会では、この請願事項を1月に要求書として改めて提出し、2月20日「春の総行動」として、その実現を求める滋賀県への要求交渉を行います。
 来年度の県財政が500億円もの財源不足となることが明らかになりましたが、こうした事態を招いた県当局の責任を問うとともに、教育、福祉をはじめとする県民生活へのしわ寄せを許さず、県政が県民の暮らしを守るために「防波堤」となってその役割を果たすことを求める「春の総行動」です。


レポート
堂々とした姿勢に「自治の本流」を見た

「市町村合併をしない矢祭町宣言」の福島県矢祭町と自治労連が懇談会

 福島県矢祭町は昨年10月31日、「市町村合併をしない矢祭町宣言」を議会で採択しました。国・県を通じて全国で今、市町村合併が強引に推し進められようとする中、決然と「合併をしない」決議を採択し、直接訪問した総務省高島合併推進室長の「説得」にも毅然と対応した根本町長(写真左)に自治体関係者の大きな注目が集まっています。こうした中で、自治労連本部が計画した懇談会(1月24日=矢祭町・ユーパル矢祭)に福島自治労連や全国の仲間とともに参加しました。

 矢祭町は福島県の最南端、茨城県との県境に位置する人口7300人の町で、広域行政として白河市と西白河郡・東白川郡の12市町村で構成する「白河地方広域市町村圏」に参加しています。この広域圏では「合併研究会」をつくる動きが2年前からあり、根本町長は「合併のための研究会は作る必要はない」と批判してきました。
 昨年10月に議員や区長などの参加のもと、「住民と自治」誌編集長の池上洋通氏を招いて「なぜ合併が問題なのか」の講演会が開催され、参加者から「合併を急ぐ必要はないのでは」「合併しなくて良いのなら矢祭町の名を残したい」といった声が相次いで出され、こうした声を背景に開催された臨時議会において、全員一致で宣言が決議されたのです。
 懇談会には根本町長、町議会議長をはじめ町当局・議会幹部が出席いただき、自治労連本部からは若井副委員長(写真上右)をはじめ22名が出席しました。
 根本町長は「一人ひとりの住民を心配していることでは皆さんと同じ、住民のために努力することは大事なことです」と述べた後、宣言をめぐる経過について以下の内容のお話をしていただきました。

市町村合併をどうみるか

 国は人材も地方分権を担う能力も役場には無いといって合併を進めているが、本当は「財政が厳しいから合併しかない」ということである。但し総務省も全ての地域で合併が進むとは考えていない(そうなれば国は金がなくなる)。矢祭町は「合併しない」のであって合併に反対でも全部ダメと言っているのでもない。「押し付けるな」と言っているだけで「やりたいところはどうぞ」と言っている。

財政問題は大丈夫か

 総務省の高島室長は合併しない自治体に交付税の制裁を加えるなどとは一言も言っていない。交付税の段階補正は見直すと言っているが、これは全国一律の話だ。交付税は「補助金」ではなく自治体が生きるために必要なもの。国はアメは言うがデメリットは言わない、今、合併のアメに飛びつくと良いことはない。当町は人口規模から見て必要なものは整備しており、段階補正が見直しとなってもやってゆけないことはない。逆に「合併して財政的にやってゆけるのですか?」と言いたい。

町民の声は

 今までどおりの現状維持なのだから住民は安心している。かつて昭和の合併の際に町内が騒然となり親戚関係もこわれるほど混乱した。合併はまさに「聞いて極楽、見て地獄」だった。今回の宣言は町民の声を代表して議会が「全員一致」で決めた。
 国は住民投票については間接性民主主義を否定するものだと言っており、矢祭町は国の言うとおりの方法で決めたことになる。

国・県の圧力はないか

 この宣言にあたっては県知事や副知事とも充分に協議してきた。知事は「地方自治の原理・原則をはずしては地方自治の行く末はない」と、この宣言を「最大限尊重する」と言っている。
<CODE NUM=0405><CODE NUM=0405>と、国や県の圧力にも動じることなく、堂々とした根本町長の姿勢に「地方自治の本流」を見た思いでした。(藤本隆章)


みんなの声

◎ ヴォーリズ設計の豊郷小学校がこわされようとしています。大野町長は文化財的価値がわからないと言います。豊小を保存してこそ、文化の香りが広がる豊郷町になります。町で働くみなさん。共にたたかいましょう。
(本田恵子・大津市労連)
◎ 内外ともに不安定な昨今、何かいい話題はないでしょうか?
(筒井尚美・大津市労連)
◎ いよいよ三月で停年です。再任用のことどうなるか心配です。これからも身の続く限り頑張りたいです。
(北橋紀美子・大津市労連)
◎ 「自治体しがの仲間」いつも楽しく拝見させていただいています。いつもいつも応募したかったのですが・・・今年はどんどん応募していくぞー<CODE NUM=023B>馬年だけに<CODE NUM=023C>今年もよろしくお願いします。
(坂田敦子・日野町職労)
◎ 今まで一度も応募したことがありませんでした。当選確率の高さに思わず応募しました。
(中澤明弘)
◎ 新しい年を迎えると今年こそ、一味違う一年にしたい<CODE NUM=023B>と思うのですが、現実は思うようにいかず… 。今年もマイペースで頑張ろーっと<CODE NUM=023C>
(木村典子・栗東市職)
◎ 今春卒業の娘がおりますが就職が決まっていません。親としてはじっと見守っているだけです
(森口恵子・滋賀県職)
◎ 職場の話題:温度と湿度の設定
(山崎伸子・滋賀県職)